出ヤマト記

  • 朝日新聞出版 (2012年4月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784022509659

みんなの感想まとめ

物語の展開や光景の描写、心情の叙述が見事に組み合わさった作品で、特にラストは名作にふさわしい印象を与えます。民族問題という深刻なテーマを扱いながら、作者は客観的な視点から物語を紡ぎ出しており、その内容...

感想・レビュー・書評

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  • 本当に、「惜しい本」。物語の展開、光景の描写や心情の叙述、突然判明する真実。内容は素晴らしい。ラストだって、名作に相応しい。この本は、もっと厚く空想を盛って、SFやファンタジーとして世の中に送り出されるべきものだったんだと思う。民族問題は、天災よりさらに洒落にならない、人類すべてが滅びる日まで、決して解決しない永遠の問題。作者はそれを客観的に見て、敢えて物語を編める器があっても、それを同じように受け止められる読者なんて、いったい世界に何人いるだろう。作者のブログによると、あまり売れなかったらしい。惜しい。

  • 『僕の心の〜』よりはおもしろかったけど…。
    うーむ。

  •  図書館より
     地上の楽園ヘヴンを目指す女性の姿を描いた小説。

     読んだいる間ずっと「この話はどういうことなんだろう」と思い続けその印象は読み終えても変わらないまま……。結局何なんだ? というのが最終的な印象です。

     登場人物の思考もいまいち分からなかったのもその印象の一因かなあ。主人公がヘヴンに行く理由付けが終盤まで明らかにされないので、今の日本の認識でヘヴンがある場所に行こうと思うだろうか? という疑問が強すぎて主人公の行動にいまいち共感ができませんでした。また主人公の心理もわがままなものが多くそういう意味でも共感しきれず。主人公を助けてくれるトッキもよくわからない。彼が主人公を助ける理由も明らかにならないし、ただのいい人として出したにしては主人公に肉体関係を求めたりといい人としても中途半端。もっと深い描写があったらまた印象も変わったのかもしれないですが。

     エスニシティや親子の絆などのテーマを書こうとしたような雰囲気はあるものの、それも掘り込みが浅く、結末で慌てていい雰囲気にまとめてそのまま終わらせたという感じです。かといって冒険物としては起伏がないし、どちらにしても中途半端な印象がぬぐえませんでした。

     非現実的な話なのに、変にリアリティを求めてる感じが余計にリアリティをなくしている印象でした。いっそのことファンタジー的な色合いをもっと強くしたら読みやすかったのではないかと思います。

  • なんじゃ、こりゃ。
    毎回、平山瑞穂には意表をつかれるけれど、今作は全くの完璧な不意打ちでした。
    このタイトルで、こういう物語を持ってくるのか!!!
    平山らしい凄まじさ……。
    どこまで、リアルなんだろうか。
    でもって、何故、書こうと思ったのかが気になる。

    昨今、世の中に溢れている、優しくて柔らかい、可愛くて温かいような物語に飽きている人は是非。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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