夜をぶっとばせ

  • 朝日新聞出版 (2012年5月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (164ページ) / ISBN・EAN: 9784022509758

感想・レビュー・書評

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  • カメラマンのDV夫、雅彦。出会い系サイトで男を漁る妻、たまき。情緒不安定な二人の子供。どこかネジのおかしいたまきの友人、瑤子。登場人物全員が歪んでいて、何かが欠落していて、「悪いサイボー」に支配されている。共感出来ないし、そこはかとなく不快・・・なのに、なぜかずるずると物語に引き込まれてしまう。たまき側から見た「夜をぶっとばせ」は無彩色だけど、雅彦側から見た「チャカチョンバへの道」から急に彩豊かな展開になり、一周回って見事な着地へと誘われる。摩訶不思議な井上ワールドです。

  • 『夜をぶっとばせ』
    夫の雅彦は金も稼がずたまきに暴力を振う。
    息子は小学校で同級生から舐められ、娘は大学病院の小児心理室へ通う。
    夫と子ども二人を悩みの種にしてたまきは生きている。
    だから、たまきは出会い系サイトで遊んでみた。
    割り切った男たちと思い込みの激しい男との関わりのなかで、うまい具合に歯車がかみ合い、たまきは夫から逃げることに成功する。

    『チャカチョンバへの道』
    三年後、たまきと離婚した雅彦は瑶子と生活していた。瑶子がたまきの同級生と知らぬまま。
    雅彦がたまきとアフリカ人男性のつながりに気づくと、芋づる式に瑶子のおかしさが露呈する。一夫多妻制とは。

    ---------------------------------

    おかしな雰囲気のまま、一気に進んでいった。心地よかった。
    たまきさんが同級生の親に対して、学校と家で二度向かっていく場面でまずグッときた。
    三年後、状況が格段に変わっていて、瑶子がズレまくってることが最後まで読めなかった。一夫多妻制でDVは起こるのだろうか。
    説明しすぎない、こういう小説が好きだ。

  • 「夜を~」は面白しろかったけど、「チャカ~」はイマイチ。

    両方ともこの人っぽい、っちゃあ、この人っぽい(笑)

  • 荒野さんの本はたいていすきだったが、これは、、、うーん。

  • 後付けで話をまとめた感じ

  • 2012・10・3読了

  • 一話目と二話目は繋がっています。そして一話目と二話目で全く印象が違ってきます。二話目は何だか不思議な話で、でもハスキー犬と旦那さんがリンクするところで上手くオチた…とか言うと変だけど、自分ではうんうんと思ってしまいました。普遍的な事柄を独創的に描いてしまう荒野さん、面白い。

  • 「夜をぶっとばせ」と、その続編「チャカチョンバへの道」の二編。
    家庭に不和を抱える主婦の日常にパソコンがやってきた。
    ネットをつなぎ、メル友募集の掲示板に書き込んだときから、彼女のその日常は、何かが決定的に、変わってゆく。

    この「何かが」「決定的に」っていう感覚ものすごくよくわかる。何がかはわからない。ただ変わったことだけはわかる。決定的に。説明しろと言われたって不可能で、何かが、しかも決定的に、としか言えないような感覚。
    主婦のたまき視点で話は進むのだけれど、修羅場でもまるで他人事のようにボーッとしているのがおかしかった。ヘビーすぎるストーリー展開とうまい具合に対比していて独特の空気をつくりだしている。
    ふわふわとおとなしそうに見えて、たまきの中には「夜をぶっとばせ」ほどの煮えたぎる感情があったとしたら?と思うとなんだかゾクゾクした。

    続編はたまきの元夫が主人公なのだけど、話の性格はガラッと変わる奇妙さ。
    アフリカ人のチャカチョンバはメタファー?それとも元夫からしたらすべてが?

  • 歪み。誰しも抱えているようなちいさな歪みを抱えた人たち。行きすぎや、行き違いや、すれ違いや、嘘、ちいさなちいさな礫で変わってゆくことを、シュールに淡々と描いた作品。こういうテンポ、好きだなぁ。

  • 2つの話はつながっているんですね
    2話目を読み始めたとき、1話目は虚言?妄想?と
    思い始めたけれど、読み進めるとそうではなく
    もしかして全部が全部虚言??

  • 何と言うか、作者の策中?にすっぽりはまり込んだ感じ。まずタイトル、ストーンズ。父親にCDを怒りにまかせてたたき壊されて以来、音楽は聴かずにひたすら歌詞を、ノートに書き写す、小学三年生の長男。小さい頃から不安定なところがあり、一時期はしめじしか食べなくなり、今は小児心理室で箱庭療法を受けている小学一年生の長女。カメラマンの夫に、DVを受け続け、考えないことで自分を守ろうとする主人公。自分が、すっかり変わってしまった、と自覚していて、現状を変える術も知らない。PCを使い始めることで、新しい歪んだ世界に何かを求めようとするが…

  • 主人公たまきさんのふわふわした感じが全編にあふれています。友達もたまきさんの夫も、ふわふわしている感じかな。
    ふわふわした感じでここまでするかという感想。
    夜をぶっとばせとのつながりが良く分からなかった。

  • こうやさんだと思ってたらあれのさんだった!
    え!どうして、という驚きの結末だった。
    新しい感覚だ。

  • 登場人物全員が、クソみたいな魅力のない人ばかりで全体的に薄暗くて寒々しいストーリー。一言で言えば闇の世界の話。なのに、ありえるかも、とか思ってしまうのは人の心は多面だからかな。2時間くらいで一気読み。

  • 登場人物はほとんど全員不愉快なヤツら。
    なんやねん、こいつらムカつくわぁ。
    やってることも考えてることも何もかも、いちいち癇に障る、そういうヤツらが織りなす物語だからオモロイはずもなく、不愉快な気分のまま読み進めた。

    不愉快なくせに読みやすい。読みやすい文章は好きなのでついつい読んでしまう。ほんで不愉快になる。なんだこの小説、どこにある作者の意図…

    旦那の目線で書かれた後半の作品に至っては、なんでこいつらこういう風に絡むかな…。なんで一夫多妻制をここで使うかな。なんでハスキー犬かな。

    夜じゃなく、この小説の色んなとこをぶっ飛ばしたくなった。暴力はいけません…

  • いじめにあっている長男、シメジしか食べなくなってしまった娘、そしてろくに働かない夫。ある日、メル友募集の掲示板に書き込みをしたことで、35歳の主婦・たまきの人生は転がりはじめる

  • なにか歪んでいるのだと思う。でも、その渦中では自分の歪みはわからない。今を破壊することで、解決できるのか?
    自分も、あるかもしれない・・。
    いつも、そんな怖さのある作者の作品だと思う。

  • DV夫からの逃避を図るため、手に入れたパソコンを使って出会い系サイトにハマっていく二児の母親である女が主人公。
    夫が帰ってくると子供たちが緊張する場面や、いつの間にか流されて現状にいたってしまったことを回想する場面は面白かった。
    しかし、全体的に語り口調が言い訳がましい。
    終わり方も中途半端な感じがして、どうせならもっと同級生で昔好きだった原田君のことや、妙に勘が良い娘の繭のことも突っ込んでほしかった。

    後半ではDV夫(離婚した後の話なので元夫)の雅彦が主人公になるが、正直こっちの話はなくてもよかったような気が…。表題作の何年か後に書かれたようですが。
    たまきの再婚相手がアフリカのどこかの国の男なのも、一夫多妻という制度が急に持ち込まれるところも、なんだか唐突。
    たまきの一人称語りだった前半とは違い、後半は雅彦の視点に寄ってはいるものの三人称で語られているので、突然現れた3年後のたまきと子供たちが何を考えてるのかさっぱりわからないのも、なんだか不気味。

  • たまき、雅彦、瑤子

  • パワフルだわ!

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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