暗転

  • 朝日新聞出版 (2012年6月7日発売)
3.10
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784022509802

みんなの感想まとめ

電車の脱線事故を題材にしたこの作品は、緊迫感あふれるストーリー展開と、複数の視点から描かれる人間ドラマが魅力です。主人公の雑誌記者辰巳は、事故の惨劇を目の当たりにし、真相を追い求める中で、様々な関係者...

感想・レビュー・書評

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  • JR福知山線脱線事故をモチーフにしているとみられる作品です。

    福知山線脱線事故が起きたのは今から20年前。もう20年にもなるのですね。あの事故現場の写真を見たとき、これが日本国内で起きた事故だとすぐにはわからないほどに、凄まじく激しい事故でした。たくさんの死傷者を出し、特に先頭車両にたくさんの死者が出たことから、通勤電車の先頭車両に乗るのがなんだか怖くなり、しばらくは電車の2両目、3両目が混み合う様子が今も思い出せます。

    この物語は、乗り合わせて事故の被害者となった雑誌記者の辰巳、鉄道会社広報部員の御手洗、所轄の外勤警察官の高石の3人を中心に展開します。3人3様の背景、振る舞いにはそれぞれに惹かれるものがありました。でもぼくが一番いいなと思ったのは、まもなく結婚を迎えるはずだった水野涼子の父親でした。出番はほんのわずかだったけど、その短い出番の中で、父親ってこういうものなんだよな、と納得させられました。

    物語の展開で少しうーん、と思ってしまったのは、Day 4からDay 14へぴょん!と時間軸が飛んでしまったところ。Day 4であらわになった事故の真実、鉄道会社の嘘から10日飛んでしまってDay 14がちょっと短すぎたところは少し物足りない感じがしました。この10日間、辰巳は身動きが取れない中、電話やネットを通じて事故の真相に関わる事柄を調べて記事を書いたのでしょうが、事故直後に記事執筆の意欲を失わせるほどの強烈な精神的ショックから立ち直っていく過程がもう少し深く掘り下げて表現されていても良かったのでは?と思ってしまいました。

    それから、婚約者とまだ見ぬこどもを事故で失った滝本が、終章では誰かの助けを受けて立ち直りかけているのだけど、その助けがどんな関係の、どの様な間柄の人によるのかが書かれていなくてちょっとジレジレしてしまいました。突然の別れにとても大きな喪失感を抱えた滝本を支えたのはどんな人たちなのか、これを想像するのが読者の仕事なのかもしれないけれど、周辺状況がうっすらとしか示されていなかったのは少し物足りないような気がしました。辻だろうか。涼子の両親、特に父が関わっていたのだろうか。それとも涼子を喪うことで空いた大きな穴を埋める誰かが現れたのか。勝手なサイドストーリーを思い浮かべていますが、堂場瞬一さんがそのサイドストーリーを描いたらどんな物語が生まれるのだろうか。勝手な想像でぼく自身のじれじれを解消するよう、妄想を膨らませようと思います。

  • 朝の通勤ラッシュ時、満員の乗客を乗せ、急カーブにさしかかった電車が突如、脱線・転覆した。正にH17年4月に起こった尼崎のJR福知山線脱線事故が頭に浮かびつつ、どんどん引き込まれた。
    被害者でもある雑誌編集者の辰巳は、涼子の死を目の当たりにして凄惨な現場を思い出すたびにペンが握れない。
    警察官の高石、東広鉄道広報部主任の御手洗達によって企業の隠蔽が明らかにされていく様子にドキドキ感はあったものの 終盤があっけなくスッキリ感が物足りなかったかな。
    只、御手洗氏のお母様が良かったかな。

  • とにかく最後の詰めに入ってからがあっさりし過ぎてて残念。

    う~ん、中途半端でした・・・

  • JR の福知山線を思い出した。300 人以上の死傷者を出すその列車に乗っていた週刊記者その下敷きになっていた女性も死に深い傷を残す辰見 JR は死んだ運転士に責任を押し付けてしまう。其れぞれ事件と向き合いしょ凸するが、会社より社会の方が大きい事故、其れを知った同じ会社の人は全てを話そうとする。自分は、会社を辞めても。

  • 脱線事故。福知山線をモチーフにしている。
    事故の描写はリアル。怖かった。
    所々関西を揶揄する表現があって気になった。
    「関西はダイヤの少しの遅れも許さない」とか「苦情が多い」とか。
    刑事と記者が、鉄道会社の広報担当を精神的に追い詰めて、内部告発させた。運転手個人の罪として片付けようとした鉄道会社を懲らしめた。
    後日譚として事件解決を語られたので、事故描写との違いに少し興醒めした。

  • 物語の中にも少し出ては来ますが、どうしてもJR西日本の福知山線の事故を連想してしまいます。被害者の婚約者、退職間近の警察官、被害者である雑誌編集者、電鉄会社の広報担当者。それぞれの思いに引き込まれます。ただ、前半の緊迫感に比べると後半は少し残念な気がしてしまいました。

  • 読了。堂場瞬一、暗転。
    ★★★★★
    面白い!事故発生から、1日ごとに別の人物の視点で書かれていて、それぞれの思いが伝わってくる。先を読まずにいられない。オススメです!
    300人以上の死傷者を出す列車転覆事故が発生。
    たまたま、その列車に乗り合わせた雑誌編集記者の辰巳は、助け出される寸前に辰巳の下敷きになっていた女性を助けられなかったことを悔やんでいた。
    搬送された病院にたまたまその女性も入院していることを知った辰巳は、看護師に無理を言って、その女性の部屋に連れて行ってもらう。
    女性は頭を打って意識がなかったが、命には別条はないと聞かされた。
    ところが、容態が急変し、亡くなってしまう。その場所に車椅子で駆けつけた辰巳は、女性の婚約者である滝本が取り乱している姿を見て呆然とする。
    亡くなった女性とは同棲しており、結婚が間近で妊娠していたと医師から告げられ、滝本は二重の悲しみを負う。
    所轄警察の外勤課の警察官、高石は滝本と会い、事故の真相究明をしなくてはと心に誓う。
    一方、鉄道会社の広報部に所属する御手洗は、遺族への謝罪とマスコミ対応に追われ、疲弊していた。
    高石や、辰巳からも事故の真相について聞かれ、会社の公式見解に疑問を持ち始める。
    そしてそのついに真相にたどり着くことに…

  • あらすじ: 朝の通勤ラッシュ時に、満員の乗客を乗せた電車が脱線した。偶然、そこに乗り合わせた雑誌編集者の辰巳は、自分の下敷きになった女性の死を目の当たりにする。彼はペンを握るが、凄惨な現場を思い出すたびに身体が震えてくるのだった…。自分自身、そして被害者すべての日常を取り戻すための戦いが、今始まる。

  • 2015_07_11読

  • 死者80人を数える列車事故。会社側は運転士(死亡)がメールをしていて速度を超過し脱線したと発表する。それに疑問を持った、自らも重傷を負った週刊誌記者、鉄道会社広報部社員、捜査にあたる警察官らの視点で真相に迫る。会社というものは多かれ少なかれ隠蔽体質である。しかし東京電力にしてもそうであるが、あれほどの大災害を引き起こしておきながら、なお上層部を守る為?に必至になっている様(それも実に稚拙な隠蔽)は滑稽ですらある。もっとも当事者にとってはそれでは済まない話なのだが・・・

  • #読了。雑誌記者の辰巳は、朝ラッシュ時の脱線事故に巻き込まれる。真相を隠蔽しようとする会社に対し、捜査に係る警察官、会社の広報職員とともに真実を問う。JR福知山線脱線事故がモデル?

  • 正しいことをする!
    自分の大切にしてきた場所から離れることの恐ろしさ 自分が大切にしてきたところから裏切られる気持ちが描かれていて でも自分で決着をきちんとつける主人公は素敵だった!
    周りの人の助言もやはり大切だと言うことがよく伝わる
    生きて行くってやっぱり一人じゃない
    一人じゃいけない
    人の意見も耳にするって大事だと思った

  • 多くの死傷者を出した、鉄道事故の真相とは。
    被害者となったマスコミ関係者でも、事件と向き合えない衝撃の大きさとか。
    婚約者を失い、"家族"として悼むことができない、葛藤とか。
    さまざまな視点から、深く掘り下げた前半は、読み応えがある。
    真相に迫る部分があっさりしている。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-74eb.html

  • 福知山線を思い出さずにいられない

  • 電車横転事故をモチーフ。会社の隠蔽体質に立ち向かう一人の広報部員。企業と正義、会社と社会を深く考えるきっかけになった。小説としてはまあまあかなぁ。

  • 死者80人を超す大きな列車事故。そこに乗り合わせ重傷を負ったジャーナリスト、被害者の家族、加害者とされる鉄道会社の社員、報道記者、警察、、、それぞれの視点で事故原因を解明していく数日間が描かれています。

  • 列車事故を中心に、被害者、鉄道会社、警察それぞれの視点で話が進む。終わり方が打ち切りみたいでちょっと寂しい。

  • 朝の通勤ラッシュ時に、満員の乗客を乗せた電車が脱線した!偶然、そこに乗り合わせた雑誌編集者の辰巳は、自分の下敷きになった女性の死を目の当たりにする。

    JR福知山線の脱線事故を思い起こされます。
    被害者の雑誌編集者辰巳・婚約者を喪った滝本・定年間際の警察官高石・加害鉄道会社社員であり、妹が被害者の御手洗たち4人の視線で話が進んでいくが、終盤バタバタとした感じがする。もう少し会社を告発しようとする御手洗の気持ちに踏み込んで欲しかった。御手洗母の「会社は、社会より小さいのよ。あなたは東広鉄道の社員である前に、社会の一員なんだから」って言葉素敵です。なかなか言えない言葉です。なかなか

  • 300人以上の死傷者を出した列車転覆事故に乗り合わせた雑誌編集者の辰巳が自分自身とすべての被害者のために事故の真相に迫るというストーリーだが、辰巳が常に話の中心にいるわけでなく、辰巳に記事を書くようにけしかけたり、鉄道会社の広報担当者・御手洗に内部告発を促す老警官の高石が話の中心になっている感じでなんか中途半端な印象。御手洗が内部告発を決心する過程も思い切り端折られている感じだった。
    御手洗を主人公にして、鉄道会社の内部の問題を中心に話を進めていったほうが面白かったのではないかと思った。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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