ふくわらい

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.45
  • (164)
  • (391)
  • (390)
  • (125)
  • (44)
本棚登録 : 3094
レビュー : 457
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509987

作品紹介・あらすじ

紀行作家の父から、マルキ・ド・サドをもじって名づけられた鳴木戸定。
書籍編集者の定は、ブサイクで身なりに無関心、感情を表さずに人付き合いも機械的にこなす。
一方で、彼女は、旅先でワニに食べられて死んだ父親の死肉を食べた女として、世間に名を知られていた。
ふくわらいが唯一の趣味である彼女は、猪木になりきれなかったロートルプロレスラーのエッセイを担当することになってから、人との距離を少しずつ縮めていく・・・。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 記録

  • かなり変わった主人公。

    父親の肉を食べたことがあり、人の顔を見ると福笑いをしたくなる。

    出版社に勤めるこの主人公は、時には祈り始めたりと普通という言葉が当てはまらない人だが、冒険家だった父親の影響を受け、人の内面に向き合う力を持った人。

    主人公が日常生活で会う人も一癖も二癖もある変な人達だが、この主人公と関わりあうことで、自分という人を受け入れることが出来るようになっていく。

    西加奈子らしい人の心の動きが読んでいて気持ちよい本でした。

  • サラバ!や漁港の肉子ちゃんにくらべたらいまいち

  • 既読。以前より没入して読むことができなかった。
    こちらの都合で、同じ小説が面白かったり、そうでもなかったりする。

  • 表題イメージから、こんな展開になっているとは思いも寄らなかったけど、かなり強いインパクトを残した話でした。西さんの著作の中でも好きな方に入ります。

  • 2013年 第10回本屋大賞 第5位

  • ユニークでエキセントリック。判り易い言葉で個性の塊のような独特な世界が描かれている。個性的な登場人物達は、でも身近にいてもおかしくないかもしれないと思わされるような不思議な存在感があった。前半は一部のグロテスクな描写がちょっと辛かった。ロボットみたいだった鳴木戸定が次第に人間ぽく思えるようになって、おうむ返し風のとぼけた会話やゲシュタルト崩壊の守口廃尊の口調は癖になりそうになる。定に言い寄る明け透けなイタリア人ハーフの武智次郎に対する小暮しずくがツッコミ不在の中やっと一時的にだけれど出て来たそれに思えた。

  • 6:中盤以降、守口さんが登場してからは面白かったけど、前半は(必要な情報だとはいえ)なかなか感情移入の隙がなく、読みづらかったです。守口さんとのかけあいで、定が自分を見つけていくに従って、世界の明度が増すように思えました。
    何かすごい話だと思うけど、どこがどうすごいのか言葉にならないのがもどかしい……。

  • ナルキド・サダ~鳴木戸定は出版社の編集社だ。母は幼い頃に亡くなり、ずっと年上だった父は遺された財産を使って世界中を旅する紀行作家だった。秘境で身内の遺体を食べる習慣に密着し、定も女性の肉を食べ、父は自分が書いた文で責められた。父が鰐に囓られて死亡し、定は父の右太腿の肉も食べたが、それはとてつもなく臭いものだった。乳母と生活して、高校を卒業したら世界中を旅して回ったが、出版社に入ることが出来た。担当している作家が、雨を止ませろと言われれば、屋上で祈祷し、雨を降らせろと言われれば雨乞いをする。全身に入れた入れ墨を見たいと老作家が言えば裸になり、週刊誌に連載を持つ顔が崩壊したプロレスラーに惚れ込んだ。彼女の趣味は生前母が教えてくれたふくわらいで、想像の中で各パーツをばらばらにして自由に配置することが遊びなのだ。友達もいない、恋人も出来たことはなく、新宿で白杖を振り回しているイタリア人の顔をした武智次郎に言い寄られているが、電話に出たのは2回だけ。老作家が半年前に死んでおり、原稿を書き送ってきたのはその妻だった。プロレスラーは自殺未遂を繰り返し、唯一の家族だった乳母は腎臓癌で余命幾ばくもない。炎天下の屋上で雨乞いをしていて同じ部署の女性同僚が彼氏に振られて号泣している場面に行き会って、初めての友達を得る。「先っちょだけ」を求める武智にも二人で会いに行った。だれもが過去を持っているが、他人がそれを感じことはできない。結局、人が解るのは先っちょだけだし、自分を感じるのはこの体しかないんだと定は思い至る~う~ん、定は特別だろうなぁ。カバーの絵は西さんの自作で、定が入れた入れ墨の図柄だった。カスリモミジガイってヒトデに似ているなぁと思ったら、ヒトデ綱だった・なーんだ!

  • うわっ、苦手な分野の話やなぁ と思いながら読み始めたけど、癖になる美味しさだった!
    変な父の変な娘が幼い時に唯一はまった遊び「ふくわらい」が彼女の生活の柱になっている。
    今や編集者の仕事をしている彼女、いまだに顔のパーツ 目 鼻 口 眉 を自在に操ることが生きる術になっている。一度も泣いたことがなく、汗もかいたことがないし、全身にタトゥを入れている。
    そんな彼女にとっての ふくわらい が、関わる人たちによって 福笑い に変わった!汗もかき、泣くことができ、笑うこともできるように!
    人名に遊び、句読点の多さに凝り、ユーモアを散りばめて読み手を逃さない。やはり大した力量です♪

全457件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

ふくわらいのその他の作品

ふくわらい (朝日文庫) 文庫 ふくわらい (朝日文庫) 西加奈子

西加奈子の作品

ふくわらいを本棚に登録しているひと

ツイートする