完全版 いじめられている君へ

制作 : 朝日新聞社 
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 291
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510181

感想・レビュー・書評

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  • 各分野で活躍されているあの人たちも、いじめに遭い、悩んだ日々があった。
    それぞれの戦い方、サバイバルの方法を紹介した新聞連載をまとめたもの。
    逃げろ、というものが多かった。
    周りに話して、というものも多かったけれど、それができたら困ってない、話せない子を狙い撃ちする現実を思った。
    はるな愛さんの、気づけない大人の一人としてごめんなさい、というのが印象に残った。また、ネットで有名になった春風さんの文章も。
    また、いじめは子どもの世界だけの話ではなく、大人になってもあるよ、と。
    人と違うから疎外感を覚えたり、疎外されたり。それを強みに、武器にして飛躍してきた人たちの言葉は、大人をも励ましてくれる。

  • 広い世界で色々な考え方を知ること。それがいじめに関する捉え方を変えてくれる。狭い世界のことだけで悩み続けなくたっていいと気付かせてくれる本だった。
    一方で様々な見解が示されているため、子どもが読んだら困惑する部分もあるかもしれないと思った。
    色々な考えの色々な人がいることを知り、子どもも大人も自分が夢中になれる世界を見つけられたら世の中から悲しみが減るだろうと感じた。
    多くの著名人の中で、さかなクンが語っていた魚の世界の話が印象的だった。いじめに関わらず、広い世界に目を向けて想像力を持って生きていきたいと思った。

  • 社会学者土井隆義さん。
    若い人の生きづらさの研究で、絆やつながりのが重視されすぎていることを思う、とのこと。

    絆やつながりも大切であるのは事実。でも同程度に、ひとり沈思黙考、周囲に合わせることなく孤独であってもいいという価値もしつかりと認められてほしい。

    「自立した人間」で満ち満ちている世界を見てみたい。


  • 学校の道徳には良い本だと思う。
    ケンカは、まだ良いと思う。イジメは良くない。
    確実の一方的なイジメは10割イジメが悪いと思う。
    いつのまにか友達からかう事でイジメになる事もある。普通生きてきても難しい事だらけなのがこの本でわかった。
    個人的に思ったのは、
    毎回一方的なイジメてた人がイジメられたら、イジメてた人が10割悪いとは言えない。イジメをしたらそれの分償いをしなきゃいけないと思った。
    悪い事したらバチが当たると思っておいた方が良いと自分の学校の今までの雰囲気ではそうだった気がする。

  • かつて私もいじめられていたので、ひとつひとつのメッセージが心に刺さった。
    今現在進行形でいじめの被害者・加害者に読んで欲しいけど…

  • 新聞に掲載されている頃から読んでいました。玉石混淆の感もありますが、やはりぐっときます。
    人と自分に優しい心の強い人になれたらいいね。

  •  とても読みやすい一冊。文章の形や量の制限もなく、それぞれが自分の書きたいように書いているのが伝わってくる。"いじめられている君へ"、"いじめている君へ"、"いじめを見ている君へ"、の三章で構成されている。「いじめについて真剣に考えよう」というメッセージが無意識に伝わってくるが、いじめに対してどう処すべきかは、読者に委ねられているのが良いと思う。
     全体を通して、各人の言っていることはざっくりと分けて、「戦うべき」と「逃げるべき」のどちらかに分かれる気がした。"いじめられている君"に関してはもちろん分かりやすく意見も半々だったが、"いじめを見ている君へ"は「次にいじめられるのは僕かもしれないと恐れる自分」と戦ってほしいという意見が多かったように思う。"いじめている君へ"の章では、「いじめをやめて欲しい」というメッセージは全員に共通していたが、そのいじめが発生してしまっている原因をそのいじめている本人の中の「弱い自分」に求めるか、それとも子供は大人の真似をする、という論理で「今の大人」に求めているかに違いがあった。後者はどちらかと言うと子供に「逃げ場」を作っている印象を受けた。
     私は全体を通して、例外はあったが、「逃げるべき」とか「あなたのせいではないよ」という意見に共感することが多かった。"いじめられている君へ"では、無理してその人たちと付き合う必要はないという意見に共感した(と言っても、それが難しいことも経験から分かるんだけども)。"いじめている君へ"に関しても、いじめの原因をその当人に帰結させても、何の解決にもならないし、理性で押さえつけようとした感性が爆発する結果を招くだけと思う。
     またこの本を読む前から思っていたことで、読んだ結果確信へ近づいたのが、いじめという現象が発生する原因を探ることはあまり意味のないことだな、ということ。いじめはすべきことではないと強く感じるけど、絶対に無くならないから。
     人間は不完全な生き物だから、群れるしかない。色んなものが便利になって理性の面では独立できる状態になったと思っても、感性的に独立することは無い。映画『In to the Wild』でも主人公は個としての幸せを追求し、最終的に"Happiness is real when shared"と結論付ける。だから人がコミュニティを完全に抜けて独立した存在になることは無いと思う。その中で気の合う人、合わない人が出てきて、合わない人がそのコミュニティから抜ける、というのは自然な現象だと思う。その(強い個人orコミュニティ)と気の合わない人が、そのコミュニティから距離を取られ、その距離の取り方が異常な方向に行くといじめが発生する(ような気がする)。
     問題なのは、その合わないコミュニティがあったときに、そこじゃないコミュニティに所属できるかだと思う。2人以上でコミュニティになるのだから、コミュニティは大きい必要はないし、学校の内部にある必要も無い。いじめが発生する原因よりも、自身と合わないコミュニティに居続けなければならない学校の閉鎖性に、問題があると思う。

  • 昔に比べて今のいじめは陰湿だと言われることも多々あるが
    当事者だったこともある自分の感覚からすると大差ない気がする。
    大人の力が今よりも強かったから最悪の結果にならずにすんでいただけだ。

    この本の中で『逃げろ』という意見が多かったのに驚いた。
    いじめられていた当時の自分に聞かせてやりたかった。
    学校なんて死にたくなるほど我慢してしがみつく場所じゃないんだよって。

    数ある大人の意見に混ざっていちばん説得力があったのが
    驚くべきことにはるかぜちゃんの文章だった。
    ここに寄稿してる人たちの中でもダントツに大人だ。生きてる年数に関係なく。

    美輪明宏さんが仰った『いじめは犯罪』という言葉がずしりときた。
    姜尚中さんの『家出のすすめ』は膝を打った。
    石田衣良さんの文章に現実を見せつけられてどんよりした。

    この本に編まれたメッセージが伝わるべきところにちゃんと届くことを願う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「当時の自分に聞かせてやりたかった。」
      今の子にもシッカリ聞かせたいね。戦えないなら、負けが判っているなら、退くのは当然。勇気ある行動だと、...
      「当時の自分に聞かせてやりたかった。」
      今の子にもシッカリ聞かせたいね。戦えないなら、負けが判っているなら、退くのは当然。勇気ある行動だと、、、
      2013/05/02
  • いじめはなくならない。
    大きな事件は毎年ある。
    子どもだけでなく大人でも酷いいじめがある事が須磨の小学校の事件で誰もがはっきり認識する事になった。
    いじめが起きる度に罰則が設けられたり、世論が起こったりするけど、なくなりはしない。

    明日どころか今を生きていくことすら難しい人へ宛てた声。
    どうか1人でも多くの人に届きますように。

  • いろいろな考え方があるけど、無理しないのが基本なのかな。
    昔はいじめられる側にも原因があると思っていたのだけど、ちょっと違うのかもと今更ながら感じた。
    誰かが想像力をもてという意見を述べていた、本当にその通りでとても良い意見だと思う。が、いじめている側には絶対に届かない意見な気がした。
    「いじめをみている君へ」という視点があるのは良い。けど印象残ってないなー

著者プロフィール

2005年朝日新聞社入社。総合プロデュース室・メディアディレクター。
週刊朝日記者として教育系記事等の執筆を担当した後、データ ベース事業部でデジタル商品企画開発に従事する。その後、新規事業部門「メディアラボ」で子ども向け教育サービス「朝日こどもニュース」を立ち上げた。
朝日新聞社のグループ企業との連携によって、新聞業にこだわらない子ども向けサービス開発を担当している。
『はじめての論理国語』シリーズの制作に携わりながら、多数の子ども向けワークショップ講師を務める。


「2017年 『これからの論理国語 小1~小2レベル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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