クラウドクラスターを愛する方法

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510198

感想・レビュー・書評

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  • 何だか曖昧

  • 家を出た親との確執について。子供の頃の体験により新しく家族を持つことの恐れ。子供時代に親に見捨てられた感じた子供は大人になって自分の存在が確かなものに感じられないのかなぁ。

    子供の成長を描くと思わせる2作目は尻切れトンボ。まとまりなかった。
    子が襲われる事件を匂わせて終わるの後味悪い。というか気分が悪い。片親だとダメってこと言いたいのか?

  • [内容]
    「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
    誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
    その原因は……

    --
    「家族」や「自分の居場所」に趣きをおいて描かれたストーリー。どうしてうまくいかないんだろう。そんな不安を抱えながらも、今を生きている人たちに息抜き程度に読んでほしいかも。言葉がとても繊細で、それでいてあたたかく包んでくれるから、読んでいて落ち着く。

  • 2015.8.4挫折 2016.5.5再読

  • 結末がどうももやもやしてしまった。
    クラウドクラスターと、それに例えられた母親との関係性。
    自分と母親との関係性も似たようなところがあるなぁなんて思いながら読んでいきました。

  • 読み終えて、時間が経つとともにじわじわといろんな思いが込み上げてきた。
    紗登子とは何か心の温度みたいなものが似ているのかもしれない。向井くんに言われた紗登子の“冷たい”感覚も自分が家族をもつことへの不安感も私にはわかるような気がする。

    彼女の母親に対する想いは、すべてさみしさからくるものなんじゃないかな。たとえどんなに憎くても母親という存在は絶対で一生逃げられないのかもしれない。幼い頃に負った心の傷はそう簡単に癒えるものではなくて、もういいんだってわかってはいても、当時の自分が邪魔をする。

    世の中にはもっと重い荷物を持っている人がいる。そんなことはわかってる。誰かと比べてほしいんじゃない。ただわかってほしいだけ。今の私を受け止めてほしいだけ。たった一人でいいから。紗登子にとってのそれが向井くんだったんだろう。

    全体的にゆったりとした感じだったけれど、途中で飽きることはなかった。
    窪さんは、誰の心の中にも潜んでいて、でも普段は誰にも見せない、見せることのできない冷酷さや憎悪や狡さ、鋭さ、不甲斐なさ…そういう人間の汚い部分を物語の中で代弁し、妙な安心感を与えてくれる。

    だから私はもっと彼女の書いたものを読みたくなるんだ。

  • この人の小説を読むとなんだか苦しい。なんだか辛くなる。どこか生きにくさを感じている人物を書くのがうまいのかもしれない。わりと読みやすかった。2013/131

  • 最初から最後まで胸がもやもやする!

  • 主人公の家族に対する不満や将来の不安が切実に描かれている。
    自分の家族を持つことにどこか現実味を感じられないまま、でも帰る家が欲しいという気持ちに共感できる。

  • 正しい家族像というのは存在しないのだろうけど、誰もが、帰る家がほしいのではないかなと思う。
    クラウドクラスター=積乱雲のかたまり。
    もくもくした入道雲の下では、突風や豪雨が起こっている。
    クラウドクラスター=母であり、さとちゃん自身なのだろうかな。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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