宿神 第四巻

著者 : 夢枕獏
  • 朝日新聞出版 (2012年11月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510242

作品紹介

「滅びゆくものしか愛せぬのだな」待賢門院璋子、崇徳上皇、平清盛-亡き者たちを背負って歩く西行の胸に去来するものは…。宿の神はただそこにあるだけ-著者雄渾の大河伝奇絵巻、堂々の完結。

宿神 第四巻の感想・レビュー・書評

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  • 平治の乱、そして崇徳天皇(新院)が狂っていく件はかなり引き込まれる。1、2の前半巻にくらべ説明なども増えてストーリーよりも解釈にウエイトがかかっているようだが、それはそれでとても面白かった。西行の”レジェンド”話もそれなりに付け加えられていて、できたらそこらへんだけで伝奇小説にしてほしいぐらいなんだが、結構あっさりさっくりとで少し物足りなかった。とにかく、面白かったです、文庫で買おうと思います。

  • (図)

  • 宿神の最後の巻。
    時代が変わるのをながめてきた西行の人の愛し方がわかる。

  • 全4巻。
    大河「清盛」にハマりにハマっていたので、登場人物がほとんどそのキャスティングで浮かんでしまいましたが、描かれ方はだいぶ違います。
    大河のほうはマツケン清盛の成長物語だったけど、主人公の西行から見たこちらの清盛は、最初からカリスマ性と知能を備えています。

    タイトルの「宿神」とは、宗教以前の、原始的な自然神のような存在。
    「蹴鞠」がそういう人ならぬモノとのひとつの交感の手段として描かれていて、前半の桜の降るなかでの蹴鞠のシーンは幻想的で圧巻の美しさ、夢枕さんの本領発揮。この印象的な場面が最後のほうでまた響いてきます。

    前半は西行の璋子への激しい思慕や、清盛が時代に乗り出していく過程が描かれ、ふしぎな能力を持つ架空キャラの兄妹や、文覚や鎮西八郎為朝など、濃いキャラの活躍も楽しく、ぐいぐい読めます(とくに為朝を描いてるときはすごい筆が乗ってる感じで、たぶん作者は為朝めっちゃ好きなんだろうなあ)。

    後半は「平家物語」やら「盛衰記」やらのさまざまな既存エピソードをつないでいくために、微妙に作者の見解が入ったりしてお話の世界から一瞬現実に戻ってしまったりするのですが、複雑な歴史の流れに沿っているのでこれはやむをえないのかな。
    最終巻では、登場人物たちが老いたり死んだりしていく中で、無常観がぐぐっと増してきて。
    平家が滅んでいくのを見届けた西行。
    この世に生きるもの誰もが散る桜ではないか、というところにつながって、西行といや桜、桜といえば滅び。見事にこの長い物語を収めます。

    大きな滅びの物語の中に、石や木など自然のものに宿る神の存在を織り込んでることで、人の命はおそろしいくらいに儚く短いものであるけれど、それはただあるがままの自然に戻っていくだけ、というテーマが救いとなってすとんと胸に落ちました。

  • こちらに来ての最初はやっぱこのひとでしょw
    電車で読めるから4日で読めたな〜

  • こんなに大きなテーマをこんなに読みやすく書けるということが文章の巧さなのだと思います。
    男二人が語り合うシーンがとても上手い!ドキドキしたりシミジミしたり。
    男二人が語り合うシーンを書かせたら、今、右に出るものはいないのではないだろうか。
    これまで、西行のことを多様な本で読んできて、???と思っていた部分が、あぁ、こういう解釈ならスッキリするなあ、と感じ入りました。特に、反魂香。これなら、ありえる!
    ウ~ン、縄文の民か……。
    長生きしてたくさん書いてください。少なくとも、あと30年は期待します。

  • 一気に読んでしまった。

    西行の人造人間伝説はそういうことだったのかもしれないなと。

  • 平清盛と西行青春時代からその生涯
    平安時代末期の院政から武家社会に移る大きく動いた時代において、清盛はトップに立ち西行は流れを見守る者となる
    西行は宿神と呼ばれる物の怪を見ることの出来る人であり、類稀なる才能で本質を歌に詠み、遺す役割を担った人物であった
    兎に角、完結して良かった

  • タイトルの事象の話がなかなか登場しないと思っていましたが最後にちゃんとそこへ纏めてくれました。

    あの動乱の世を始まりから終わりまで見届けたのが西行。
    その西行が追い求めたものが『宿神』。
    史実、文学史上の西行の行動と作者独自の人知を超えた世界が混ざり合って何とも言えず不思議な世界を垣間見せてもらいました。

    でも文覚のカミングアウトには結構本気で驚きました…。首を愛する姿、その姿を見せられて待賢門院璋子の墓を暴く西行。結局のところ愛と言うのか執着と言うのか分かりませんが仏道に入っても逃れられないものなのでしょうか。

  • 隆盛を誇った清盛も死ぬ。
    彼の生き方を見届けると約束した西行は辞世の句も代作するほど。
    西行の死の前にこの世を去った、彼と深い関わりのある者たちへの追悼。
    シリーズ最終巻。

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