僕の父は母を殺した

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 146
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510303

作品紹介・あらすじ

小学六年生で母が死んだ。その二年後、父は逮捕された。非行に走り、ホームレスになり、自殺未遂を繰り返した著者がたどりついた答えとは…衝撃のノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • 母親を父親によって殺された息子(著者)。被害者家族であり、加害者家族でもある。父親には死刑判決が出たが、生きていて欲しいと強く願うことははたして叶うのか。死刑制度について、私たちはもっともっと真剣に向き合い、考えなければならないと深く思った。著者については、顔や実名を公表したことで書かれている以上の嫌がらせやバッシングもあっただろう(進行形かな)心ない人の言葉に深く傷つくこともあるだろう。でも、どうか強く、強く生きて欲しいと思う。韓国の『私たちの幸せな時間』を思い出した。こちらも是非読んで欲しい。

  • 2016.9.11

    2人の殺人事件で被害者遺族になると同時に加害者家族になってしまった著者の苦しみ、最愛の母を殺した父に対する憤り、葛藤、そして愛が痛いほど伝わってきました。
    文章はけして上手ではないけど、読んでて辛いシーンが多々ありました。
    表紙の著者のスーツ姿が、この本を出版する決意みたいなものを感じさせてくれました。

  • 失いたくないという理由で、実の父が母妻)を殺す。一人っ子の著者は加害者深く考えるあり、被害者家族…。
    最高裁まで行っての死刑判決。廃止論者ではないし、妥当と思うけれど、著者の心境としてはどうだろう。生きている肉親を失うのはやはり受け入れ難いと思う。
    子どもは親を選べないと実感した。自分や家族、大切な人への愛情の注ぎ方を深く考えさせられる一冊。

  • タイトルの通り、父親に母親を殺された子供の手記。
    著者が6年生のときに母が「事故死」。
    父とふたりで生きていこうとするも、実は父による殺人だったことが発覚する。

    遺族の辛さやその表現は人それぞれで、死刑を望む人もいれば望まない人もいる。
    死刑を望まないことと許すことはイコールではないし、望むにしろ望まないにしろ声を上げる人は色眼鏡で見られる。
    遺族の気持ちを考えろと簡単に言ってしまえる人の多くは当の遺族の声を聞こうとしたことがない。
    この本にも少し出てくる被害者遺族の原田さん(「弟を殺した彼と、僕」http://booklog.jp/item/1/4591082350も、そんなことを言ってた。

    この人の場合は被害者遺族であると同時に、加害者家族でもある。
    「母が死ぬ」だけでも大変なのに「母が殺された」という遺族の苦しみ、「母を父を殺した」という家族の苦しみ、「父親が犯罪者」というスティグマの苦しみまで加わる。

    家族を殺されたから殺したやつを殺してやりたいと思うのも、
    家族を殺されたからこれ以上家族を殺されたくない(たとえそれが殺したやつでも)と思うのも、
    この本には出てこない意見も、被害者や遺族がそう感じたならそれらはみんな被害者や遺族として当然の意見だ。

    この本で著者が訴えているのは、事件はそれぞれ違うから、遺族が望まない死刑もあるということ。
    死刑についてきちんと考えて欲しいということ。
    そこについては確かに考えるんだけど、それ以上にあまりにも傷ついた人に対するケアが不足している日本の社会について考えた。
    この人はまだ20代だ。大昔の話じゃなくて、今世紀の話なのに。
    事件自体が辛いのはどうにもできないけれど、この子に手を差し伸べる仕組みはつくれるはずなのに。


    文章はあまりじょうずではない。
    書いた時の時間と語られている時間が混在して、ちょっと読みにくい。
    でも混乱も迷いも全部必死で伝えようとしている声はしっかりと届いてくる。
    こんなに必死で伝えたい気持ちがあるってことを、受けとらなくちゃいけない。


    終わりに付録として付いてある判決文の補足意見が、著者の訴えをきちんと受け止めたことを伝えようとしていて感動した。
    あれはきっと、この人のために書かれた言葉なんだと思う。



    関連
    同じように母を亡くしたアメリカの子の話
    「父がしたこと」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4774300969

  • テレビの番組内での特集で、著者をはじめて見ました。その時の諦めたようなくらい目、孤独感が滲むたたずまい、父を許せるのかという思いとの葛藤、世間との葛藤などかいま見えるものにとても興味を惹かれました。

    本著作は事実というよりは著者の思いの丈があふれています。
    たった一人の父親を肉親を、たとえそれが世間全てからの憎悪の
    対象であっても守りたいという著者の思いは、母への思いや罪悪感を
    思うと壮絶だと思います。
    しかしこれを読む私たちは、著者の思いではなく客観的事実はどうなのか、ということにも思いが至ります。

    本書の最後につけられた最高裁判決文は私たちがここで知りうる客観的事実ですが、この父親を死刑にすべきではないとまでは私は思えませんでした。死刑制度がいいか悪いかはまた別の話ですが、確かに本作は
    著者の言う「被害者遺族が望まない死刑がある」ということを考える一石にはなると思います。

    著者自身も非難される来歴があるのは確かなのでしょうが、今しっかりと
    生きているのも確かなことなのでしょう。大事なのは今これからだと思います。頑張って生きて欲しいですね。

  •  図書館がそばにあると、なかなか普段、触れ合えない本に合えるのが本当に素敵だと思います。

     この本は、作者さんの実体験をつづったお話。
     自分の父親が母親を殺し、さらに言うなれば、養父も殺していた、という実話。
     そういう時に自分がどう感じたのか、教えてくれる人はなかなか少ないと思います。
     被害者の子供でもあり、加害者の子供でもある立場。
     そういう状況でどう感じるのか……
     想像を超えますよね。

     しかも、この作者さんの素晴らしいのは、これはあくまでも自分の体験談である、という点をしっかり入れているとこだと思います。
     決して、こうであればこうでなければならない、とは言い切っていないこと。
     自分はこの立場でこう思ったけれど、他の人にこう思ってほしい、とは思っていない、ということがすごいと思います。
     とんでもなくしんどい立場で、どん底まで落ちたけれど、こうやって自分の言葉で話してくださるようになったことはとてもありがたいことだなあと思います。
     人間の底力と、彼の立場で考えることを自分がどう思うのかを考えることは大切なことだと思いました。

  • 犯罪被害者遺族であり、加害者家族である筆者の悲痛な思い。素直な感情が書かれててはいるが、やはり何かもやもやする。

  • 本屋さんをブラブラしているときにみつけた衝撃のタイトル。
    この広島の事件、ニュースで見ていたのかな、よく覚えていない。
    悲しいかなそれだけ日々のニュースが洪水のように押し寄せてきている。

    タイトルだけみると、残忍な殺人事件を想像するが、本質は違うものがあった。
    愛しているからこそ手放したくない、悲しませたくないという深い意味のある殺人。

    殺人に意味はないと思われるだろうけど、作者の父の生い立ちからさかのぼると複雑な人間関係から歪んだ人生を送っていた親子だなと

  •  珍しく小説以外を登録する。仕事でお世話になっている方から借りて、帰りの電車と寝る前とで一気に読んだ。易しい文章で読みやすく、著者の痛みや混乱が伝わってきた。自分がこれから関わる方は著者と似たような境遇にある。その人をどれだけ支えられるだろうか。受け止められるだろうか。

  • う~~~~ん
    何とも言えない

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