毒姫 水晶の檻

著者 : 久美沙織
制作 : 三原ミツカズ 
  • 朝日新聞出版 (2013年6月20日発売)
3.50
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  • 本棚登録 :38
  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510884

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】身体に致死の毒を宿し、触れた相手を殺してしまう「毒姫」。美しくも悲しい運命の少女たちが生まれた、闇の歴史が明かされる。大人気コミック『毒姫』初のオリジナル小説。原作者・三原ミツカズ監修、描き下ろしイラスト満載のダークファンタジー。

毒姫 水晶の檻の感想・レビュー・書評

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  • どこかで読んだ少女小説界の旗手という作者に関する煽りとコバルトの棚でよく見た著者名に、ばりばりの少女小説文体を覚悟して読み始めたのですが、そんなことはありませんでした。
    美しく色彩豊かな情景描写が小国ミトラガイナの美しさを彩り豊かに表現する一方、ガラスの中に閉じ込められた姫の色彩のない世界が対比的に浮き上がります。

    ミトラガイナがなぜ毒姫を育てるようになり、それを使いこなせていたのか、姫に関わりはあるものの、姫自身が毒姫として育てられたわけではないことは予想が外れてしまいました。
    王族は子孫が残せないと云々という台詞は本文中にも出ていましたね。

    様々な愛があり、受け入れられないもの、押し付けようとするもの、振り撒くもの――登場人物たちはそれぞれの愛を胸に、花が実を結ぶことを願って咲くように、ままならない世界と立場でもがいていきます。
    その最たるものがガラスの檻に閉じ込められた罌粟の名を持つ姫と、鎖に繋がれた犬と呼ばれる少年だったのでしょう。
    最もままならない身の上の彼らがどのように結ばれるのか。
    壁をぶち破る様はそのまま心の檻も壊して隔たりを飛び越えることだったのでしょう。
    方法はいたって簡単でアナログで、それ故に今まで踏み込めなかった意識的な壁の分厚さを見るようでした。

    視点は様々な人に移ります。
    それぞれの立場から見える出来事が総合的に真実となって読者のみが知りうることができるようになっています。
    そしてラストの姫様のモノローグの一行が、まさにリコリスの最後の望みの台詞へと繋がっているのです。
    最終巻を読んでから読むとなおさら感慨深いものがありました。

    くせ者は王姉とばかり思ってましたが、実は時折我に返ったかのように振る舞う彼女がこの後の悲劇の種を蒔いていたような気がします。
    復讐だったのだとすれば見事なものです。

    総じて蒔かれた伏線が見事に毒姫育成の芽を芽吹かせていたと思います。

    難を言えば誤字を三ヶ所ほど見つけてしまったこと、毒姫の年齢が十七歳なのか22、3くらいなのかわからなくなってしまったこと。
    後者に関しては従弟が二十歳を越えたところといっているから、その上とすれば姫様も二十歳過ぎているはずなんですが、父王が消えたのは十七年前の姫の生誕祭の時。まさに生まれた祝いであるならば姫は17歳。セリが三十前後で母の年齢と差し引いて考えても合うと思うのですが……

    差し引いても面白かったです。

  • まさかのホモネタの連続に俺僕私……
    とりあえずオピウムと〈つめ〉が結ばれてよかった……

  • 三原ミツカズ氏の漫画「毒姫」のスピンオフ作品。
    漫画ではなく小説です。

    毒姫という兵器が誕生する前のお話。
    後半はグッときました。
    …が、どのへんが「毒姫」なんだろう?
    原作「毒姫」の世界観はあんまりないです。
    というか、いろいろ盛り込み過ぎかな。

    小説ということで久美沙織氏が書かれていますが、叙景文が多すぎて叙情文が霞んでいるように思えました。
    「毒姫」に限らず、三原氏は人物の心情を巧みに表現する漫画家なので、群像劇の得意な小説家に書いて欲しかった…。

    これで本当に「毒姫」が終わってしまうのかな。寂しい。
    第2弾希望!!

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