哲学の先生と人生の話をしよう

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 450
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511157

作品紹介・あらすじ

【文学/随筆】話題の哲学者が挑む初の人生相談。時に優しく、おおむね厳しい言葉で生きる力を与えてくれます。──勉強よりコミュ力?/虚しい婚外セックス/哲学を学ぶには/自分に嘘をつく?/理想を持って働くのは贅沢か……。人気メルマガ連載の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者の相談内容の分析が鋭いのが見事だなと思った。そう言ってるけど本当はこう思ってるんじゃないですか?みたいな。
    でも相談内容が共感できないようなものばかりで私には響かなかった。

  • 「相談」って難しい、と思う。
    誰に何をどんなふうにどこまで伝えたらいいのかが分からない。そして、誰かに何かをどういうふうに伝えられたときにどう返したらいいのかも分からない。
    人と人との関係があって初めて成立するコミュニケーションであると感じる。
    本書で相談者は、インターネットを利用して仮面を被った状態で著者に「相談」できる。それは顔や表情や性格と言った重要な部分を匿名にできるということだが、著者が推察と妥協で応えていく。
    相談者の覚悟の度合いに応じる、それがとても良かったし、哲学的だと感じた。

  • 引用が上手。引用されてる本を読みたくなる。
    関口存男の、世間が面白くない時は勉強にかぎる。 失業の救済はどうするか知らないが個人の救済は勉強だ。という文章が印象的。改めて読んで見たい。
    人生相談の回答はなかなか良い。人間は間の抜けた自意識に振り回されてるんだなあ、と自分含めてこっぱずかしいものも多い。

  • ”「運がいい人」は、膨大な情報処理に基づいて
    無意識のうちに適切な選択を積み上げている人”
    “幸せな人というのは、「心の穴」を無理に塞いだりしようとせず、
    おりあいをつけられる人”
    ”決断とは受動的なもの。
    自分がおかれている事態を見つめ、自分の中に決断が出来上がるのを待つこと”

    相談者自身で考える事を手助けしてくれる、
    意外なアプローチからのツボを突いた回答が面白くて、
    こんな考え方もあるんだという、視界が開ける感覚もある。
    もっとこの先生の言葉を聞きたくなる。

  • 本書はメールマガジンに掲載されていた人生相談をまとめたもの。とは言っても、ほとんどが恋愛や夫婦に絡んだものでした。
    著者の着眼点がすごい。頭ええひとやなあと思いました。あと、けっこう辛辣な部分もあり。本人としては、それが誠実ということなんやろうけど。
    著者の本はこれを含めて四冊ぐらい読んできたけど、まだこのひとの見てる景色が見えていない。それだけ、見てる先は深いところにあるということなのかな。

  • タイトルの通り、哲学者の國分功一郎氏が、とあるメルマガにて連載していた人生相談を本にまとめたもの。

    寄せられた相談に著者が、主に哲学の視点と著者独自の考えから答えを出している。

    中でも私が一番面白かったのは、「モテない」という相談に対し、そもそも「モテる」とは何なのか、という著者の結論。

    「『モテる』とは『敷居が低い』ことを意味しているーこれが私の結論です。何らかの理由で或る人物の中に他人が入りやすくなっているとき、その人物は『モテる』のです。」(p.38)

    誰もが抱える「心の穴」を埋めるため、多くの人が「心の敷居が低い」人に集まった状態。
    それが「モテる」であると。

    真理を得た気がします。
    バーゲンセールにオバちゃんが殺到するイメージでしょうか?
    見ててあまり気持ちの良いものではありませんね。
    本書では「モテる」と「憧れの対象になる」ことは違うとも述べられています。
    「モテ」より「憧れ」。
    明日から「憧れ」を目指します!笑



    本書には他にも33の相談が載っており、その一つ一つに、著者が丁寧に答えているのが印象的でした。

  • 単に質問にたいして、國分さんがそれに答えるというよりは、質問者の問いに秘められた欲望を明らかにして、質問者にそれを再提示するというやり取りが鮮やかで興味深かった。

  • 引用されている本を読みたくなってくる

  • 問いの22に対するアンサーがタイムリーなのでここだけでも年の近い方に読んでほしいなと思います。
    **
    「できるやつ」と「できないやつ」がいるんじゃないんです。「やりたいやつ」と「やりたくないやつ」がいるんです。

    「社畜」であり続けるか、それとも「飛び出せ、腕一本で稼げ」か、ってこの二択しかないってのが本当に貧困な発想ですよね。…つまり、この二択の中間のことを全く考えていない。
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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科准教授

「2020年 『責任の生成 中動態と当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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