- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022511416
作品紹介・あらすじ
【社会科学/社会】すべては東海村からはじまった。日本の原子力史を描き、正力松太郎の腹心筋から入手した極秘資料などをもとに、米CIAや日本の財界を巻き込む原子力構想の一端に迫る。朝日新聞茨城版2012年1月~13年6月の連載「原子のムラ」待望の書籍化。
感想・レビュー・書評
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正力松太郎の原発推しは総理への野望の為だったとは。その後の読売への影響を思うと罪深い。
にしても、茨城新聞社長を初め地元住民への、原子力ムラの海外視察旅行という名の接待攻勢はエゲツない。この手の事は幾らでもやってるという訳か。
いかにして原子力村になっていったかを様々な関係者の声を拾い描いた、いわば東海村物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争、ではなく原発、である。原発のゲの字も知らない正力松太郎が政界進出のために選んだ「国策」。国策、なんていう言葉は、他の何かではとんと聞かない言葉である。そのぐらい、「日本人が選んだ」ことにさせられたものなのかもしれない。地元メディアは転んでいき、当の朝日新聞もイエス、バット、という姿勢を徐々に強めていく。初臨界を報じた朝日新聞は、実はもう締め切られていて見切り発車の記事だったというし、連載のサザエさんもそれを讃えていた、と。読めばずいぶん地元の人もなめられていたように思うが、それを現代に置き換えてみるとどうか…。原子力も政治も、毒を以て毒を制する、というようなことをして、結局毒だらけである。志低い僕は、自らも毒になるのが一番楽かなあ、などと思ってしまうがなあ。そういうわけにもいかんよなあ。