だいすきなおばあちゃん

  • 朝日新聞出版 (2014年3月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784022511614

みんなの感想まとめ

テーマは、愛するおばあちゃんとの思い出と別れの過程を描いたもので、感情豊かに表現されています。作品は、元気だった頃から寝たきりになり、最期のお見送りまでの大切な瞬間を丁寧に描写し、重くなりすぎず心温ま...

感想・レビュー・書評

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  • 日野原重明さんは、2017年に105歳でお亡くなりになるまで、生涯現役を完遂された医師であり、日本で最初に人間ドックを開設し、『生活習慣病』の言葉を作られるなど、予防医療や終末期医療の普及に尽くされたそうです。

    そんな日野原さんが、102歳にして絵本作家デビューという言葉に、最初は驚きましたが、調べてみると、91歳から取り組まれていた、小学校に自ら出向き、子どもたちに平和と愛の大切さを伝えられた、『いのちの授業』の存在を知ることで、それも納得できるものがあり、そうか、これは繫がっているのだなと感じました。

    本書は、日野原さんが子ども時代を思い出しながら書かれたとのことですが、それと共に、長年多くのいのちのあり方を見つめてきた、日野原さんにとって、どうしても子どもたちに知って欲しい、大切なことがあったのだなと、読んでいて痛感させられました。

    子どもたちにとって、この世に生まれてきて、まず最初に平和や愛を感じるのは、おそらく家族であり、そのささやかながらも繰り返される愛に満ちた日々は、とても実りの多い素敵な体験となり、その愛をいっぱいに受けて成長していく姿は、とても微笑ましく、まさに平和の象徴だと感じます。

    しかし皮肉にも、子どもの成長に反して、いのちの終わりが訪れようとしている家族も存在し、それが、おばあさん(あるいは、おじいさん)であり、その事実を受け入れることに対して、子どもたちは、どう向き合うべきなのか? そんなことを教えてくれているように、私には思われて、それは本書に登場する女の子、「マリちゃん」の台詞が印象的だったこともありました。

    『おばあちゃんは どうして うごかなくなったの?』

    『もう おばあちゃんと あそべないの?』

    無垢な気持ちがそう思わせているだけに、却って、やるせないものを感じさせられますが、この後、マリちゃんは、眠ろうと目をつぶっている内に、ある光景を思い浮かべます。

    それは、日頃、おばあちゃんがどれだけ、マリちゃんの事を気にかけていたのかを表していると共に、マリちゃんがどれだけ、おばあちゃんとの楽しかった思い出があるのかを表しているようでもあり、子どもたちにとって、悲しい記憶よりも嬉しさの方がより勝るのだなということを、改めて実感しましたし、いのちの終わりは必ずやってくるのかもしれないけれど、その事実は、一緒に作った、たくさんの思い出たちが優しく癒してくれて、やがて、それが更に子どもたちを成長させる弾みとなり、感謝の気持ちへと変わる。今はもうこの世にいないのかもしれないけれど、そもそも最初からいなかったら、きっと、こんな素敵な楽しい思い出はできなかったのかもしれない。そんな予感に満たされたような、思い出を繫げていく物語。

    それから、岡田千晶さんの絵について、表裏の両見返しに描かれた、マリちゃんとおばあちゃんとの何気ない思い出の一コマは、却って印象に残り、それは、嬉しそうに駆けていくマリちゃんを、両手を広げて待っているおばあちゃんと、手を繋いで散歩する途中で、ふと蝶を見上げるマリちゃんを嬉しそうに見守るおばあちゃんで、優しい桃色の下地に鉛筆画で描かれたそれらは、まるでマリちゃんの心の中の思い出を覗いているようで、なんとも切なくなってきて、それは、いのちが限りあるものだからこそ、よりそう感じさせるのだろうと思いました。

    また、物語において、おばあちゃんの、マリちゃんを見つめる温かい眼差しも印象に残りましたし(おばあちゃんがマリちゃんを見るとき、必ず彼女の目を見ています)、岡田さん特有の繊細で温かみのある、マリちゃんの寝顔や、おばあちゃんがマリちゃんをだっこする絵には、まさに平和と愛の象徴を感じさせられて、いのちのあり方を見た思いでした。

  • 大好きなおばあちゃんが亡くなるまでを丁寧に重たくなりすぎずに本当に丁寧に描いたんだなと感じた。
    私はおじいちゃんが亡くなってお通夜の帰りから納骨が済むまで、ずっとおじいちゃんが一緒に(肩に?)乗っている感覚があって、それに伴う不思議な体験もしたから、この子が最後おばあちゃんにだっこされているような気持ちになって眠りについたのもきっと本当なんだろうなって思う。
    日野原先生の優しさが溢れている絵本。

    • かなさん
      翠さん、こんばんは!
      日野原先生って、絵本の執筆もされてたんですね!
      知ることができてよかったです。ありがとうござます。
      ホント、ステ...
      翠さん、こんばんは!
      日野原先生って、絵本の執筆もされてたんですね!
      知ることができてよかったです。ありがとうござます。
      ホント、ステキな先生でしたよねぇ…
      いつか、読んでみたいです(^-^)
      2023/08/03
    • 翠さん
      かなさん、いつもいいねありがとうございます(^^)
      確かに言われてみると日野原先生の絵本って珍しいですね。
      「いのちのおはなし」という絵本も...
      かなさん、いつもいいねありがとうございます(^^)
      確かに言われてみると日野原先生の絵本って珍しいですね。
      「いのちのおはなし」という絵本もありますが、あれは実話を元にした絵本ですしね。
      良いことに気付かせてくれて、ありがとうございます♪
      2023/08/04
  • おばあちゃんと孫娘の心温まる関係。薬指の由来もなるほど。

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01444322

  • だいすきなおばあちゃん。元気だった時から、寝たきりになって、お見送りするまで。

  • 【絵本】おばあちゃんの死を孫娘からの視点で描いています。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:726.5||H
    資料ID:95140158

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著者プロフィール

1911年山口県生まれ。1937年京都帝国大学医学部卒業。1941年聖路加国際病院内科医となる。学校法人聖路加国際大学名誉理事長、聖路加国際病院名誉院長、一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長などを歴任。予防医学の重要性を指摘し、医学・看護教育の充実、ターミナル・ケア(終末期医療)の普及に尽力。2000年には「新老人の会」を結成。1999年文化功労者。2005年文化勲章受章。2010年には国際コルチャック協会名誉功労賞受賞。2017年7月18日逝去。

「2022年 『2023年版『生きかた上手手帳』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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