帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い

  • 朝日新聞出版 (2014年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784022511737

みんなの感想まとめ

歴史的な事実に基づいて慰安婦問題を深く掘り下げるこの作品は、単なる善悪の二元論を超え、複雑な背景を明らかにします。著者は、慰安婦個人の問題を政治の中に埋もれさせず、韓国人業者の関与や家父長制の影響など...

感想・レビュー・書評

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  • 慰安婦、挺対協、アジア女性基金のそれぞれの経緯、画一的な善悪性ではなく、検証された歴史的な事実に基づき、問題の解決方法を提示しています。

  • 読むには気の重い本だと思いながら買ったが、読み始めると一気に最後まで読んでしまう、そんな迫力のある本である。慰安婦をめぐり、日本と韓国の間には、硬直した関係が続いている。韓国はこの問題を女性の人権の問題として国際社会に訴え、日本の一部の人たちは強制性はなかったとして、慰安婦問題自体をなかったかのように処理してしまおうとしている。ぼくは韓国の態度はやはりかたくなというか、本当に慰安婦のことを考えているのか、この問題を借りて日本たたきをしようとしているのではないかと思ってしまう。日本に謝罪を求める態度は、近頃はやりの土下座をさせずにはすまないという態度に通じるものがある。おそらく、謝罪は永遠に続くであろう。土下座は優越感を満足させるものでしかない。本書は、そんな両国間に横たわる硬直関係を、事実を提示することで、なんとか打破したいという気迫のこもる良著である。なにが問題か。残念なことだが、軍にとって慰安婦は必要不可欠なものであった。これはどこでもあることで、女性の人権という観点から言えば、米軍に対する韓国人慰安婦も、日中戦争期の米軍に対する中国人慰安婦もそこに入る。しかし、韓国が日本を非難するときに持ち出すのは、年端もいかぬ少女たちをむりやり連れて行って性奴隷にしたという点である。軍が慰安婦を必要としたことは事実であるし、軍の管理のもとにおかれていたのも事実だ。(慰安婦を連れて戦地を行軍もしている)しかし、少女たちを無理矢理連れていったり、暴力をふるったのはむしろその仲介をした朝鮮人業者たちではなかったかとパク・ユハさんは言う。彼らが貧しい親たちに甘言で少女たちを連れていったという方が事実らしい。もし、強制というものがあれば、その業者たちこそ非難されるべきであり、それは過去の朝鮮人みずからに批判を向けることでもあるが、慰安婦問題ではそこがすっぽり抜けていたという。もちろん、元を正せば、それは朝鮮を植民地にした日本帝国そのものの責任ではある。本書が「帝国の慰安婦」と称するゆえんだ。つまり、日本帝国の植民地であるがゆえの貧困、皇民意識等々が韓国の女たちを慰安婦にさせたと言えるのである。だから、一番悪いのは帝国であるが、そこにいた女たちの親、業者の朝鮮人たちに非がなかったかというとそうでない。そのことに対する反省なくして日本だけを責めることができるかというわけである。逆に、この問題を女性の人権問題だけに限ってしまうと、朝鮮での特殊性が消し去られてしまうのである。たとえば、韓国は中国と手を組んで日本を批判しようとするが、中国で日本軍が中国人を強姦したり、無理矢理慰安婦にしたのは犯罪行為である。オランダ人慰安婦の場合もそうだ。質が違う。20万という数も挺身隊の数としては合うが、挺身隊に行かされた(あるいは自ら行った)少女たちがすべて慰安婦になったわけではない。しかも、慰安婦になったものは、そのほとんどが20歳を越えており、15歳などという年齢にあるものはごく例外だという。日本大使館やアメリカにおかれた慰安婦像は身なりのいい女子学生であるが、そういう子たちは挺身隊へ行き、ときに慰安婦にさせられることはあっても、最初から慰安婦として連れていかれたのではない。最初から慰安婦としてだまされ連れていかれたのはもっと貧乏な子たちであった。したがって、こうした特殊なケースを従軍慰安婦の典型とし、日本を批判し、世界に訴えていくことは、時に兵隊たちとともに戦おうとした慰安婦や、兵隊たちを愛した慰安婦たちの存在を忘れ、彼女たちを政治的に利用するものでしかない。朝鮮における慰安婦の特殊性はまさに日本帝国とその植民地という構造が生み出したものであり、日本人はもちろん、朝鮮人もそのことを直視せず、その構造を抜きに慰安婦問題を論じることはできない、パク・ユハさんはそう訴える。日韓条約締結の際、日本が個人保証の可能性を提起したにもかかわらず、韓国政府は経済援助を優先させ、その提案を断っているのだそうだ。日本がこの問題は法律上終わっているというのには理がある。だから、アジア女性基金が名目上民間の名の下でやったのは仕方なかったし、実際のところ、そこには政府がかなりかかわっていたのである。それを拒否したのは、本当に助けるべきはだれかを忘れた行為ではなかったろうか。

  • ふむ

  • 2018.02―読了

    性奴隷か売春婦か、強制連行か自発的か、異なるイメージで真っ向から対立する慰安婦問題は、解決の糸口が見えないままだ。大日本帝国植民地の女性として帝国軍人を慰安し続けた高齢の元朝鮮人慰安婦たちのために、日韓はいまどうすべきか。元慰安婦たちの証言を丹念に拾い、慰安婦問題で対立する両者の主張の矛盾を突くいっぽう、「帝国」下の女性という普遍的な論点を指摘する。2013年夏に出版された韓国版はメディアや関連団体への厳しい提言が話題になった。本書は著者(『和解のために』で大佛次郎論壇賞受賞)が日本語で書き下ろした渾身の日本版

  • 帝国の慰安婦
     ~植民地支配と記憶の戦い

    朴裕河(パク・ユハ)著
    朝日新聞出版
    2014年11月30日発行

    待ちに待った本、やっと回ってきました。


    著者は1957年、ソウル生まれ、韓国の世宗大学校日本文学科教授。
    慶應義塾大学文学部国文科を卒業し、早稲田大学の大学院博士課程まで修了している。この本は、2013年に韓国で出版され、日本語訳が待ち望まれていたが、2014年、自らが日本語で書き下ろしたもの。
    朝日新聞出版だが、朝日新聞が報道してきた内容を支持するものでなく、むしろ逆で、朝日新聞が“間違い”を認める以前に出版されているこの本でも、「吉田清治証言」は疑わしいとしている。

    慰安婦に関して、日本軍の関与はあったことは明らかと繰り返し言っている。営業について監督していたし、軍の指定した慰安所もあったので、運営に関しては確実に関わっていた。しかし、強制連行に関わったかどうかに関しては証拠がないので結論づけていない。
    全体としては、そうした事実関係についてはフェアに整理していると思える。

    この本に関する対立点は別のところにあると思われる。
    著者が最も言いたかったことは、元慰安婦の支援運動がちょっとしたボタンの掛け違いというか、初期の勘違い、誤解などから始まってしまった不幸が、今日のような解決困難な日韓関係につながってしまったという点。
    支援運動の中心体は、「韓国挺身隊問題対策協議会」という団体で、初代会長がユン・ジョンク梨花女子大学教授(現在は名誉教授)。この団体名からして、挺身隊=慰安婦と間違われたことを物語っているが、なぜか団体名は変えていない。教授の勘違いの可能性を指摘している。

    慰安婦の存在を世に広く知らしめたのは、ジャーナリスト千田夏光が書いた1973年「従軍慰安婦“声なき女”八万人の告発」。しかし、大きな問題になったのは1990年以降、そして支援運動が広がったが、この段階ではまだ十分に研究が進んでいなかった。誤解や間違いを含めて支援運動が広がり、それに韓国のメディアと政権がのっかってしまったために、日韓関係が一気に悪化していったというわけである。

    なかでも、日本の支援運動が慰安婦問題を社会変革と結びつけてしまったために、強制連行ありと考える人と、左派、韓国、反日などがひとくくりに扱われてしまい、強制連行なし=右派、嫌韓、ヘイトスピーチとなってしまった。
    この本は、安易に挺身隊問題対策協議会の主張に乗っかり、政治利用した韓国政府に対する批判の本として読むことができるが、日本版を書き下ろすにあたって、このような日本の支援運動や、その逆のヘイトスピーチに至る対立についても丁寧に書き添えたのではないかと想像できる。

    慰安婦問題は、強制連行ウンヌンもさることながら、それ以上に重要な問題がどこかに飛んでいってしまっている点を、著者は繰り返し指摘している。本来なら、人権問題と植民地支配の問題として考えなければいけない。そもそも、公娼制度があったこと自体が問題であり、そのような差別、さらには貧しい家は娘を売るという家長制度が悪の根元でもある。
    連行については、軍や国と慰安婦との関係ばかり言っているが、圧倒的に悪いことをしたのは「業者」であり、莫大な利益をあげてきたのに、彼らには責めの目が向けられないのはおかしい、ということも強調している。

    この本は、我々が新聞読んで分かった気になっているのに冷や水を浴びせかけてくれる。慰安婦問題について、何も知らないということを思い知らせてくれる。例えば、朝鮮半島は日本の植民地であり、朝鮮人は日本国民だった。そして、朝鮮人慰安婦は、日本人慰安婦の代替として、愛国行動していた(させられていた)のであり、インドネシア人や、そこに残っていた元宗主国のオランダ人を慰安婦にした行為とは、事情が違うということを、言われて初めて我々は気づく。
    最後に締めくくるのは、以下の言葉。
    慰安婦問題は、実は日本国が自国の女性たちにも強制した問題なのです。「河野談話」を修正しようとする否定派が「強制性」あるいは売春の議論をするためには、こうした苦痛を味わわされた自国の女性たちをまず先に思い浮かべなければならないでしょう。植民地の女性たちは、彼女たちを「代替」するために投入された存在に過ぎませんでした。日本の方々にはぜひそのことを思い出していただきたいと思います。

    そう、まずは、日本の貧しい家庭の娘が連れていかれたのである。
    反日だの、嫌韓だのの材料にするのはもってのほか。
    自らの首を絞めることになる。

  • 従軍慰安婦とは何なのか?
    ともすると、日本軍がナチスのように、強制的に未婚女性を連行したように思われているが、実際にはそんな簡単な問題では無い。
    問題として、慰安婦を必要とした構造的な原因
    (日本軍を展開していた大日本帝国、植民地支配という支配ー被支配の構造、慰安婦を必要とする男性・家父長制社会・戦争というそもそもの問題)

    慰安婦を供給した側の問題
    (貧困・供給業者・不正を取り締まらなかった治安当局)

    など、全てを大日本帝国に帰するは困難であり、法的責任を問うとすればまずは甘言・誘拐・欺して、慰安婦を送り出した業者にある(むろん日本が道義的責任から逃れることはできない)

    ただ、日本も道義的責任に向き合おうとした1990年代の取組は、韓国の支援団体の反対に頓挫し(韓国世論)、今や解決の糸口は見えようとしない。

    日韓双方この本を読んで一度頭を冷やした方がいいと思う。

  • ずっと読もうと思っていたのだが、韓国で慰安婦の人から(著者によると支援団体から)名誉毀損等で訴えられてるとなんとなく知り、どういうことなのかと思ってますます読めなくなった。
    手強そうなので、まず90分の高橋源一郎さんの講義、続いて90分著者と高橋さんの対談(「飛ぶ教室」のイベント)をYouTubeで見る。ついに読もうと思ったのはこの「飛ぶ教室」の課題の本として取り上げられたからなのだった。著者のお話を聞いた時点で、名誉毀損で訴えられた理由もわかった。韓国や慰安婦の支援団体にとっては、認められない内容だからである。しかし、慰安婦の名誉を少しも棄損してないことは読めばわかる。
    「公的記憶」という言葉を初めて知ったのだが、それは必ずしも事実ではないのである。「公的記憶」に合わない事実は削除されていくという。

    この本を読んだことと講義を聞いたことで、ますます自分の中の慰安婦に対する考えが複雑になった。
    もともと単純だとは思ってはいないのだが、今から思うと一面的であったような気がする。
    慰安婦と言っても一色ではない、個人個人色々なパターンがあるということは、忘れがちなことだった。
    まだまだ理解が足りない。
    できるだけたくさんのことを知る、ということが大切ということをおっしゃってたので、知り続ける努力をしていきたい。

  • 慰安婦問題で、挺身隊と慰安婦と分けながら、慰安婦とした業者の問題を中心に説明している。
     日本の軍隊の問題については前提としてあまり説明されていないので、軍隊と慰安婦については他の本で予備知識を得てもいいかもしれない。
     単純な解決法はないという主張。

  • 映画「主戦場」にも登場

  • 事実認定を細かくしている良書であるが、本国で焚書扱いされているのが残念!朝日新聞出版が出しているのは驚いたが親会社の朝日新聞は、もっと自らの誤りを世界に発信しなければならない!

  •  一度は読んでおこうと手に取ったところ、読むほどに引き込まれ、また自分の持つ「正しさ」の基準が揺らぐのを感じた。自らの強い政治的主張を前提としたような本であれば冷笑もできるのに。
     物理的な強制連行か、無垢な少女か売春婦かという議論は重要ではない、という筆者の指摘に色々考えてしまった。国家としての謝罪や合意にはどこかで線引きが必要だとしても。
     「軍人の強制連行」はなかった、慰安婦と兵士の疑似家族・同志的関係、韓国の米軍基地村、こういった記述は筆者の言う「否定派」を喜ばせるかもしれない。自分自身、極限的状況下で韓国人慰安婦の命を救おうとした軍や日本人慰安婦の記述の中に人間性を感じてほっとした。しかし、筆者の主張の根幹は、強制性を「直接的」と「構造的」に区分した上で、前者の強制は業者であったとしても、後者の強制、言い換えれば植民地かつ女性であるという二重の搾取の原因は日本という帝国にあるというものだ。
     同様に筆者は挺対協を中心とする「支援派」も批判する。「無垢な少女が連れ去られた」という「公的記憶」に当てはめて純化してしまった、というものだ。筆者が引用する多くの慰安婦の証言は90年代に韓国で出版されたものなのだが、「支援派」は自分の活動に合致する部分のみ抜き出して利用している、ということだろうか。
     末尾で筆者は、解決に向けて、日韓両政府が国民協議体を作り期間を決めて対話を始める、日韓のマスコミはこの20年の誤解を正し相互理解を深められるような記事を書くべき、と提案する。だが現実には、ここまで本問題がこじれてしまってはもはや難しいように思える。

  • ・11/15 慰安婦の中には平和な時間を過ごしたり、金銭待遇面でいい思いをしたり、日本兵に情が移ったり、お互いの不自由な境遇を共に嘆いたり励まし合ったりした人もそりゃあいたでしょという筆者の主張はもっともだし、それを完全否定して一方的に日本人が悪いと主張すること自体がこの問題の解決を困難にしてるという意見は至極まともで激しく同意する.なんにしても100%なんてあり得ないことぐらいわかるだろうに.慰安婦は居なかったという極論もひどいけど、すべての慰安婦が姓奴隷だったという極論も同じくひどいでしょ.
    ・12/17 読了.結局挺対協のような支援団体が問題の解決を困難にしているというこの本の主張が当の支援団体から反発を受けて訴えられてるだけで、当事者の元慰安婦の人たちがないがしろにされてる構図はいつまでも変わらないのね.元をただせば朝鮮併合などの帝国主義のまま戦争に突入してしまったのが慰安婦悲劇の発端だからそれへの反省がなければ慰安婦の問題も本当には解決しないという著者の主張は説得力がある.ただそれが壮大過ぎだし解決までに時間もかかるし日本のみを攻撃するのには不都合だから、無理やり日本のみを非難するためにでたらめな主張をせざるを得ないところに挺対協などの支援団体の限界があるんだろう.この本は何回か読み直しして要点をまとめたほうがいいな.

  • 本当に軍が強制収容したのか、きっと朝鮮の業者が金目当てに騙して連れて行ったに違いない、と思っていた。だから挺対協は事実を捏造していると私は憤慨していた。
    しかし作者はそんな事は先刻承知の上で、軍が慰安所を管理している事は国としての責任がある、という理論は納得できる。

    作者は韓国の方でありながら、かなり客観的に判断している。挺対協の連中や韓国政府ももう少し客観的に判断するべきである。特に韓国政府は、日韓基本条約締結の際に、後から出てくるであろう個人補償を国として受け取っている事を、国民にしっかり説明しなければならない。そうすれば日本が民間基金に拘るのか、の理解が進むのでは。
    また河野談話や村山談話等で、国家として謝罪しているのに、韓国は謝罪しろと言う。これ以上何を謝罪するのか。これはたぶん日本人の大多数が感じている事である。
    また慰安婦像についても作者の言う様に、決して少女ばかりでなく、また20万人でもないのに、公的な記憶として、世界に広めようとしている。
    慰安婦の方達は決してあの様な像を世界に作る事を求めていない。名誉の回復と幾ばくかの補償だけなのだと思う。
    慰安婦像を世界に作っている連中は、単純に政治利用しようとしているに過ぎない。日韓関係において、百害あって一利なし、なのである。

    思うに、日本人と朝鮮人との国民性の問題でもある。日本人は、どちらかと言うと「潔さ」を好む。それに対して朝鮮人は「恨」の文化である。日本人からすれば、「もういい加減にしろよ」だけど、朝鮮人は「恨みは千年も忘れない」となる。だから豊臣秀吉の事まで遡ってしまう。でも朝鮮人だって日本に酷い事をした事を、どれだけの朝鮮人が知っているのだろう。元冦として、朝鮮人は元の手先となって対馬で残虐な侵略をしている。私もつい最近まで知らなかったけど。

    慰安婦像を作ったって、日韓関係には役に立たない。もっと未来志向で構築しなければならない。

  • 著者が丹念に調べられていると思った。この本が元慰安婦の名誉を傷つけているとは到底思えない。従軍慰安婦について知るには良い本かと思う。慰安婦を少女の像にしてまるであたかも未成年の女子がそうであったかの様に印象操作されそうで怖い。自分たちに都合の良いとこばかり取り上げている支援団体にゾットする。韓国政府が個人補償を断ったことを国民が知らないのも恐ろしい。甘い顔をしていると。同情なんかするとつけあがる。とっととウリナラファンタジーは止めてまともな検証を二国間で出来ないものかと考えてしまった。嘘を垂れ流されたら本当にたまらない。

    。。とカッカとしてしまったが。韓国の同じ国の女性が韓国の従軍慰安婦に話を聞いたのが良かったような気がする。やっぱりおじさん相手じゃ言いたくない。そして伝えきれない内容があると思う。そこら辺も描いていたところも印象に残った。

    従軍慰安婦とはなんぞや。と思っている人たちに是非読んで欲しいと思う。

    韓国に都合の悪いことが書いてあっただけで、特に日本に片寄った内容では無いので。

  • 凄い名著だ。これまで韓国側が書いたストーリーを鵜呑みにして日本軍を誤解していたとした言いようがない。この事実は加害者側の作ったストーリーに見えるために日本国内ではあまり大きく取り上げづらいが取り上げるべきだ。安倍首相が言う美しい国日本を取り戻すには歴史検証が欠かせない。
    1965年の日韓基本条約で3億ドルの無償援助に加えて円借款も含めて当時で5億ドルもの賠償金を支払っていながら、さらにその内訳に日本側では個人の賠償請求は別にしようとした配慮を退けて韓国側からそれらを含めて受け取っていたのである。それを経済発展のために使用したのは国家運営としては仕方ないだろう。しかしそれを国民に認知させず、反日を国家運営の一部に使ってしまったことに韓国の慰安婦問題から抜け出せない今の現状を招いたのだ。
    今となっては日韓共に歩み寄る事が非常に難しくなっており、朴槿恵大統領が引き摺り下ろされる今の現状では慰安婦問題を解決させられる親日派の韓国人が政権をとり、運営を行うのはほぼ不可能と言えるだろう。
    憎しみや恨みでは未来は作れない、寛容と融和の精神が最も大事だ。昨今のトランプ騒動を見てもそう感じる。
    アジア圏内ではフィリピンに次いでキリスト教が強いはずの韓国でそのような発想に至らないのは悲しい。

  • 慰安婦の歴史を様々な視点から考察する内容になっている。韓国の慰安婦問題として捉えるのではなく、日本人の慰安婦も含めて考えている。戦場では戦士と同じ祖国のためと考えて、兵隊の癒しをしてきたのに戦後兵隊にあるような法律による補償もない。今の慰安婦問題はそうした論点から大きく逸れている。

  • 歴史は創るものではない。ということを学びましょうよ。

  • 大日本帝国時代、各地に動員された軍人のために多くの慰安婦が必要とされた。
    そのうち、韓国籍の日本人として存在したのが後に言う韓国人慰安婦である。

    所謂韓国人慰安婦問題については、その問題を取り上げることによって自ら利益を得る得体のわからない団体、新聞社や弁護士とその支援者、逆にそれは存在しなかったと主張する人たちのいずれもが、結局そこで何が行われたのかわからいまま、ニュースの見出しのような断片的な情報だけを、自分たちの都合の良いように解釈し、すべてがそうであったように、断定的に言い募ることが多いような気がする。

    そして、過去の主張にや証明に過ちがあったことが、客観的に認められても、その過ちを認めることなく、従来の主張を繰り返すだけに止まっているように思われる。

    本書は、そのどちらの意見にも、偏った意見を持つことなく、そして、慰安婦についてのロビー活動を行う団体の意見だけを聴くだけではなく、自ら調査し、元慰安婦から、そして韓国籍日本人として戦争を戦った(慰安婦を必要とした側)軍人らの証言も聴取し戦場における慰安について、戦中日本国内にも存在した挺身隊についての考察などから、過去に主張されてきた意見のどこに誤りがあったと思われるか、具体例を挙げて示し、また、歴史的事実、さらには歴史の先にある、朝鮮戦争、ベトナム戦争での性の問題まで取り上げ考察している。
    繰り返すが、特定の意見に同調し、その意見を一方的に応援したりしているものではない。

    歴史として後世に伝えられるものは、勝者の記憶であり、決して事実を伝えるものだけではないというのはおそらく事実だと思う。
    特に、韓国では、おそらく隣国に強烈な危険を抱えているために、国民を対抗勢力としてまとめ上げ戦力とする必要から、政府が認めた正史のみを事実として認定し、たとえ真実であろうとも、政府が認められない歴史は、悪として抹消する傾向があるように思われる。
    だから、本書も、そこに政府見解と異なる証言や証拠があると指摘するだけで、発売禁止となり言論の自由が損なわれることになるのだと思う。

    夕刊紙の見出しだけ見て言い争いを続けるのではなく、お互いにあったこと、なかったこと。そして、植民地政策が行われていた時代におきたことなど、冷静に、必要に応じて(特定団体から資金援助をうけない)第三者の力を借りながら、話し合いの決着をつけていくしか
    ないのかもしれない。
    ともあれ、日韓両政府は、本件について最終的かつ不可逆的に合意しているようだ。
    あとは、当事者同士が相手のことをよく理解し、粛々と合意を実行していくステージに入っていると思う。

  • 従軍慰安婦と挺身隊の混同など、韓国で植民地化後に起きた女性を巡る状況を概観してくれる。
    支援団体が絞り込んだ姿を、当時の全体の状況の中に位置付けて見ることができる。

    慰安婦という制度は、兵士が占領地の女性に向かうことを嫌って発想されたらしいことが透けて見える。
    「日本人」の女性を戦地での「擬似家族」として従軍させた面があり、「日本」の中で貧しく弱い立場にあった植民地が犠牲になったと理解した。

    「支援団体」が、現在の「慰安婦像」を作り上げたが、その活動により、被害者がさらに傷付けられて行った過程が見え、暗澹たる気にさせられる。


    1973 千田夏光「従軍慰安婦 "声なき女" 八万人の告発」は、1964 毎日グラフ別冊「日本の戦歴」の写真選別作業で、兵と共に行軍する朝鮮人らしい女性、和服姿に日本髪で中国人から蔑みの目で見られている女性を発見したところから始まる。当時の慰安婦達のインタビューが入っている。

    軍に強制連行された人は少数で、多くは日本で稼げると業者に誘惑されて貧しい家を離れた女性が多数。
    日本国が、軍専用慰安婦を発想し、不法な募集の横行を知りながら募集を中止しなかった責任がある。
    「からゆきさん」は、近代初期から日本の少女を誘拐に近い形で業者が外国に売り渡して生じた。植民地に内地人を止める手段として、公娼制を必要とした。

    「娘子軍」と呼んで、兵隊と並立する女性の軍人と見立てた。国家の不条理な植民地人を犠牲にする策略だが、そこに「従軍」することが「日本人」たる植民地の女性の誇りとなっていた。

    貧しい植民地で、「金になる仕事」として警官を同道して未婚女性を徴募する業者があった。
    14 歳の子供を業者が集め、軍は返した。
    前線で、明日死ぬ可能性を考える兵を慰める立場としての誇りがあった。日本語で話せる相手。軍主催の運動会もあった。
    ところが後方では共同便所扱い。
    前線では、擬似家族として最期を見守る役割。形見を残す兵もあった。
    その記憶は、終戦後祖国で生きるために隠蔽する必要が生じた。
    収入は業者にピン撥ねされた。

    米軍に投降する時に、後ろから日本兵に殺された例があった。日本人としての扱い。

    「支援団体」が、現在の「慰安婦像」を作り上げた。
    「女性のためのアジア平和国民基金」が、謝罪と共に補償金を渡したが、それを妨害し、その事実を隠蔽する「支援団体」


    挺身隊は学校から募集されたのに対し、慰安婦は貧困層の無学か低学歴者出身者が基本。ただし、挺身隊から騙されて慰安婦とさせられた人もいる。
    挺身隊は、志願してなるものだった。

    慰安婦はそれでも「日本人」として扱われ、敵国占領地の女性は強姦の対象になった。

  • 慰安に使われたのは女性であり、男性が慰安をされないといけないような環境。そんなことがおきたのが先の戦争。悲しい現実をまず受け止めよう。今起きている議論に参加するのはそれからだ、と自分を戒める。

    議論の土台として、押さえておきたい書でした。ただ所謂否定論者には、挺体協批判や狭義の強制連行否定などをつまみ食いされて利用されそうな気がします。


    「兵士であれ将校であれ、慰安所に求めていたのは戦争という非日常を生きる中で、男・軍・国家に代表される戦闘待機空間では許されない、会話が可能な別の空間ーつかのまの<疑似日常的私的空間>だった」(P85-86)
    「一人の女性を圧倒的多数の男性が欲望の<手段>としたことは、同じ人間として、恥ずべきことではないだろうか」(P228)
    「善意や徹底性は、それ自体が目的化すると必ずしもよい結果を引き出さない」(P278)

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著者プロフィール

1957年ソウル生まれ。韓国・世宗大学国際学部教授。慶應義塾大学文学部卒業、早稲田大学大学院で博士号取得。専門は日本近代文学。ナショナリズムを超えての対話の場「日韓連帯21」に続き「東アジアの和解と平和の声」を立ち上げ、市民対話の場づくりに取り組んでいる。著書に『反日ナショナリズムを超えて―韓国人の反日感情を読み解く』『和解のために』『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』『引揚げ文学論序説 新たなポストコロニアルへ』など。夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人などの韓国語翻訳も出版している。

「2017年 『日韓メモリー・ウォーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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