センスは知識からはじまる

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511744

作品紹介・あらすじ

【社会科学/経営】センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積することで向上する! 消費者の好みが多様化する今、「くまモン」アートディレクターが、スキルよりもセンスを磨くことで、仕事を成功させるノウハウを紹介する。

感想・レビュー・書評

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  •  「くまモン」などの数々のヒット商品を手掛けたグッドデザインカンパニー代表、水野学氏による著作。
     私は自分がセンスの無い人間だと思っている。何をやってもダサいと。
     本書のタイトルを見て、「えっ、センスは知識からはじまるってことは勉強すればセンスは磨けるの?」と思って手に取った。学校の勉強は主要科目はコツコツ勉強すればいい点が取れるけど、芸術系や体育系などの副教科は天性の才能が影響し、持って生まれたセンスのある無しによってどうしようもないものだと思っていた。だから、センスと知識はどちらかというと相反するものだと思っていた。
     著者がクリエイターとしての経験や学生に教えた経験から述べられているには、「誰も作ったことのないようなものを作ろう」として、ゼロから良いものが出来ることは殆ど無いということ。ヒットする物を産み出すには、「普通」や「王道」を良く知り、そこから今、プラスアルファ何があれば売れるだろうと考えることだという。だからといって、むやみやたらと市場調査をしても意味はなく、市場調査に頼りすぎるのが「日本人はセンスが無い」と言われる一因だという。
     要はセンス良くなるためには常にアンテナを張り、人の話をよく聞き、常に勉強し、やったことのないことを時々してみたり、話したことのない人と話してみたりして、自己研鑽すること。「私はどうせ、センスが悪い」と俯いてばかりいてもセンスは悪くなるばかりだろうと思った。
     ただし「流行っている=センスが良い」ではないから、むやみやたらと流行を追う必要は無い。けれど、「王道を知る」のと同時に「流行っているものを知り」「それらの共通項や一定のルールがないか考える」ことは大切だ。流行を追うことは疲れると考える私にとって、流行も含めてもっと高いところから見渡すことが必要だと分かり、ボチボチやってみようと思った。
     講演会で聴いたら良い話だと思った。ただ、この本自体、あまりにもスルスルと読めてしまったので、書籍としては物足りなかったかな?

  • とても参考になる本でした。
    「センスは持って生まれた才能ではなく知識の集積がセンスなのだー!」という要旨でした。
    なるほどー!と思える箇所が多々あり、参考になりました。
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

    • workmaさん
      まさのりさん

      コメントを読んで、ぜひぜひ読みたくなり…本棚登録しました(*^^*)
      まさのりさん

      コメントを読んで、ぜひぜひ読みたくなり…本棚登録しました(*^^*)
      2022/10/29
  • 3年前に読んだ本の再読。センスの定義「数値化できない事象の良し悪しを判断して最適化する能力」。王道を知り流行りを知って知識を持ち、共通項など分析して、普通を知り、最適化、ゴールを目指す。前に読んでいたのに忘れてました。

  • センスという言葉からイメージするとひらめきになるが、そうではなく知識が必要だという内容。あるものを開発するなら、その物の知識を学ぶことが大切。これは今からでも服を選ぶ際、その人の特徴やシチュエーションによって選べばセンス良い服を選べるそうだ。センスは知識からという本を読んでいると自分の好きなああいうものやこういうものもこうやって開発されたのかな?と現場を見られた気がして楽しく読めた。

  • タイトルの通りの内容。たしかにひらめきとか天から降りてくるようなアイデアって地味な作業とか積み重ねじゃなくてパッとでてくるもの。センスがあるものだって認識されてることが多いかも。言われてみれば確かにだった。

    風水の話(推測)は確かにそうだな!と思った。なぜそうなったのかまで考えるところデザイナーって感じがして好きだった。

    好奇心旺盛であること、ルーティンから外れて小さな変化に触れることの大切さがわかる。意識すれば簡単にできること。私もやってみよう。

  • 以前に読んだ「世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術」でとても気になった水野さんというデザイナー(アート・ディレクター)。
    という訳で、水野さんの本も読んでみました。

    ※世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4022516739#comment

    水野さんという方、センスやらデザインとやらふわっとした言葉を言語化するのがとても上手。
    一部のプロの専売特許なようなこの概念を
    素人でも分かりやすく紐解いてくださいます。
    これは助かる!

    センスってベースに知識があるのか。。
    全く考えてもいなかったです。
    途中出てくるデザイン例やフォントの話の中で、
    挿絵的なものがあれば、もっと読みやすかったですが(あまりに気になって画像検索してしまった)、
    それも著者のデザインなのかもしれませぬ。。
    (よく分からんけど。)

    ますますデザインについて勉強(そして、実践)したくなる1冊です。

  • センスの無さは自信を無くすけど、
    センスを向上させることができるというのは安心に繋がる。
    新しさを追い求めながら過去へのリスペクトを忘れないというのはとても共感できるし大切にしたい。

  • くまもんをデザインした方の著者。

    とにかく、知識が必要!そうですよねーと思いつつ不勉強な私には耳が痛かった。

    ちょうど、好きな服は似合わないけど、どんな服が似合うのかもわからない…という悩みがあったので、本書の内容を、服選びに早速活用したくなりました。

    センスという曖昧に感じていたものの輪郭が少しだけ見えた気がする。

  • 普段の建築の仕事をする上で「センスがないからわからない」と言われることが多く違和感を感じていたが、この本に「知識に基づいて予測することがセンス」であると書いてあり腑に落ちた。

    以下自分の好きだった内容を抜粋。

    ・みんながへぇーと思うものは、ある程度知っているものの延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。「ありそうでなかったもの」

    ・ものをつくる人間は、新しさを追い求めながら、過去へのリスペクトも忘れないことが大切なのではないか。

    ・はるか遠い未来に飛んでしまっては、消費者は未知のものへの恐怖心や違和感を覚え、ついてきてくれない。

    ・「感覚」という言葉に逃げずにデザインの説明ができなければならない。感覚とは知識の集合体。

    ・好き嫌いでなく例を挙げてセンスを磨く。
    好き嫌いとは、客観情報と対極にあるもの。

    ・センスを磨くには、センスを活用する技術を持つことも大切なのではないか。

    ・「いい企画を出してやろう」と悩みすぎて時間ばかり食っているなら、自分が得意な分野から考えてみることをおすすめする。
    圧倒的に楽しくて効率も上がる。

  • 著者の、伝えたいことは以下に尽きると分かった。

    センスというのは、
    育ってきた生育環境や先天的な遺伝子など、生まれた時に有無がある程度分かれる。

    この本を読むまで、
    強ち数%は先天的な宿命は、影響するか、そう思うこともあった。

    けれど読んで、この命題は偽だとわかった。
    圧倒的に生まれた環境である程度、天井の高低差はあるのは事実だけど、理想のセンスは後天的な学習でリカバリー出来ることを改めて実感。

    世界の片隅にいる冴えない人間の自分にも、勇気が湧いてくる本でした。

    周りがセンスの良いひとを見て、いやぁ語彙力ないから文章のセンスわたしにはないわ」

    そんな反応にいつも違和感があった。

    センスとは、いかに学び得た気づきの量と実体験の場数(失敗の量=トライ&エラーを繰り返すたびに、反省から改善点に気づける)と素直に取り入れるスポンジのような心から磨かれていくのでは?

    そうモヤモヤしてたけれど、とても明確に腑に落ちる読了感でした。

    私もこの世界のたくさんの素敵な方々のセンスをお手本に、改めてゼロから学びたい。

    誰だってどんな職種であれ、初めは生まれたての子鹿のように、知る、学ぶことから始まるのに。
    いつの間にか、慣れてくると、赤ちゃんの頃の記憶が薄らいでいってしまうから、思い立った頃には順応性が弱る年齢で、はじめの一歩を踏み出せなくなってしまう。

    センスの良いひとを見て、
    あ、わたしには無理。次元が違う

    ではなく、
    とても素晴らしい。どうやって身につけたんだろう?今度体験談聴いてみよ。

    そんな素直な気持ちとひよっこ精神を忘れずに、未経験分野も、いまは高い壁だけど、登れた先の気持ち良さをイメージしながら頑張っていきたいな。

    まだまだ知らないこと学ぶ必要があることが多すぎる。
    自分の無知を自覚して、楽に生きられるようにセンス磨いていこうと改めて思えました。

    貴重な気づきに感謝。
    きっとこの本の語りは、「終わりなき旅」by Mr.Children
    の歌詞が代名詞かもしれない。

    生きるためのレシピはないけれど、いまこの瞬間もチャレンジの扉は誰にでも開かれている。
    恐れずにノックしていきたい。

    知識を知識のまま、頭に留めさせず、学びを実践で活かせるように。
    まずは料理とアロマセラピーのセンスに磨きをかけていこう。

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著者プロフィール

水野 学:クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント/good design company代表。1972年東京生まれ。1996年多摩美術大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒業。パブロプロダクション、ドラフトを経て、1998年good design company設立。ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。主な仕事に、NTTドコモ「i D」、相鉄グループ「ブランドアッププロジェクト」、熊本県キャラクター「くまモン」、「中川政七商店」ほか。自ら企画運営するブランド『THE』ではクリエイティブディレクションを担当。主な受賞に、London International Awards(Gold、Silver)、The One Show(Gold、Silver、Bronse)、D&AD賞(Silver、Bronze) CLIO Awards(Silver、Bronze)、朝日広告賞部門賞、毎日広告デザイン賞部門賞、日経広告部門賞、JAGDA新人賞など。

「2018年 『アイデア特別編集 good design company 1998-2018』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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