断絶の都市センダイ ブラック国家・日本の縮図

著者 : 今野晴貴
  • 朝日新聞出版 (2014年5月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511799

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会】この国には善意も、絆も存在しない。復興バブル、支援ビジネス、貧困と孤独。仙台を見れば"断絶された僕ら"が見えた。こんな国に必要な新しい「つながり」とは? 『ブラック企業』で大佛次郎賞受賞の著者、渾身の衝撃ルポ。

断絶の都市センダイ ブラック国家・日本の縮図の感想・レビュー・書評

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  •  「ブラック国家」という概念が正直よく分からなかった。

  •  編者はNPO法人POSSE代表。各章はPOSSEスタッフによる分担執筆。東北最大の都市・仙台を舞台に進行・展開している「ブラック国家」最前線からのレポート。

     さいきん東北地方を訪れる機会が増えたが、そのたびに仙台で新幹線を降りる乗客の異様な多さに驚かされていた。報道等で、多くの震災関連予算が不自然な使途に流用されていること、一部企業による不正が恒常化していることは知っていたが、まさかこれほどまでとは思わなかった。「絆」を強調する言説は、こうした無責任国家とハイエナ資本によって、人々や地域が喰い荒らされていく状況を隠蔽し、被災者同士の分断と内向した敵対性への気づきを押しとどめる。まさに「絆」こそ、自己責任論のただなかに人々を放置する、「ブラック国家」の公的なイデオロギーに他ならないのである。

     こうした状況を見るにつけ、2009年の民主党政権誕生時に「反貧困」を掲げた立場の人間が政府部内に参加していったことをどう評価するかが重要だ、という思いにとらわれる。「反貧困」+「格差社会」というアジェンダ設定は、確実に日本国家のネオリベ化を押しとどめるヘゲモニー的な力として機能した。しかし、2011年の東日本大震災時に、「絆」の大合唱が叫ばれる中で、政府内外ではどんな論陣が張られていたか。これは政権交代(民主党→自民党)の問題ではない。むしろ、民主党政権時代に、官僚機構に「包摂」されることで、「格差」を各紙化する努力が一貫して怠られてしまったことこそに、問題があるとわたしは思う。
     個人的なことを言えば、「絆」言説はおそらく戦時体制期も似たような状況を生み出していたはずである。「銃後」の社会を見据える視線を鍛えるためにも、重要な一冊であることは疑いない。

  • 特徴的なタイトルなので、あまり期待はしていなかったが思った以上に考えられる作品であった。

    日本という国家が「企業福祉型」あるいは「開発志向型国家」とされているが、個々人への直接的な配分はいままでなされてこなかった。こうした脆弱な社会保障が、震災を契機にその矛盾を一気に露呈させてしまったといえる。

  • 労働問題を中心に取り組むNPO法人POSSE。そのメンバーたちの手によって書かれたのが本書です。被災地での活動を通じて見えてきたのは、ブラック企業問題と驚くほど似たものでした。そして、それは被災地だけでの問題ではなく、日本全体で起きている問題でもあったのです。被災地仙台を通して見えてくる日本の問題点とその突破口を若い知性(著者のほとんどが30歳以下)が、考えていきます。被災地の実情を知りたい人、福祉問題に関心のある人、労働問題を考えたい人に一読をおすすめします。

  • ボランティアチームのメンバーから進められた本

    知らないこともたくさんあり、驚いたりお腹が痛くなったりする思いでした。

    ただ、すべての人を救うことは難しく、個人的な家庭の事情を前提に考えることも、みんなに平等かというとどうなのかな、と思う。

    それでも、こうやって感じている人たちも同世代でいるんだということは知ることができて良かった。

  • 補助金不正受給のこと、全然知らなかった。
    というか、ほとんど何も知らない。
    バッシングするより、無知の方が罪ではないか…

  • 東2法経図・開架 KW/2014//K

  • 東日本大震災の被災者の中でも、家族に病人や高齢者がいる人などが、公的支援にアクセスできていないことなどが書かれているものの、指摘されているケースが特殊で、震災の有無にかかわらず既に家族崩壊しているものが取り上げられているように感じられた。

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