- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022511812
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】幻の青いサギを追って行方知れずになった夫を待ちながら、小鳥を商う店「ことり屋」を切り盛りする女主人おけい。店に持ち込まれる奇妙な事件の数々と、江戸の四季の移ろい、人間模様を丁寧に描きだす。新進気鋭の女流作家による、最新連作時代小説。
ことり屋おけい探鳥双紙の感想・レビュー・書評
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青く光る鷺を探しに出たまま音信不通になった夫を待ちながら、飼鳥屋を営むおけい。
夫の声色を真似る九官鳥・月丸とともに「ことり屋」を守り続けて三年になる。
鳥にまつわる不思議な出来事をおけいさんが解きほどく連作短編集。
自殺か他殺かなんていう事件も出てくるので、日常系とはいえないのかもしれないけど、おけいさんの人柄や周りの人たちの優しさでほっこりしたトーンになっている。
江戸時代に、鳥専門のペットショップのような飼鳥屋というお店や、鳥カフェといった趣の花鳥茶屋などがあったことに驚いた。飼鳥屋には白バタンと呼ばれる大型のオウムなどの洋鳥を扱うお店もあったり、茶屋の方は真鶴や孔雀までいたらしい。
曲亭馬琴が鳥好きで、おけいさんのお店の常連客という役どころで出てくるのもおもしろかった。
いつもむっとした顔をしている頑固爺なのに、実は一人になったおけいさんを気遣ってお店を覗きに来てくれるなんだか可愛らしい先生。
そしてもう一人、おけいさんを気にして店を訪れるのが、北町奉行所の定町廻り同心の永瀬。
おけいさんは強い女性という描かれ方ではなく、淋しさ弱さ、女一人の心細さを持ちながら必死に店を守る姿で描かれている。
夫への熱い恋情を思い出したり、永瀬の穏やかさに安らぎを覚えたり、揺れる心模様にこちらもゆらゆら。
六羽(六話)で、夫・羽吉の身に起こったことが判明し、同時に新たな謎が浮上。
最終話の七羽へと続く。
おけいさんの切なすぎる決断に「強えな、おめえは。」と応えるひと。
淋しさ弱さを押し込めてきたおけいさんがどんな気持ちでその言葉を聞いたかを思い、胸が締め付けられる。
九官鳥の月丸の「イマカエッタヨ」
おけいさんが一番聞きたかった言葉。だけど聞けなかった言葉。
その声色は……というところで切なさMAX。泣きました。
「イマカエッタヨ」に込められた3年間の思いは、羽吉にもきっと届いたはず。
新しい一歩を踏み出そうとしているおけいさんが幸せになりますように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
朝顔、薬草と植物が続いたので、今度の作品が「鳥」がメインとはやられた。
九官鳥の月丸、なにげにいい味だしているね。
あと、途中ででてきたダルマインコの太助が、女の子の名前をいいだしたせいで、とんでもない事件に発展して、飼い主が太助に別の言葉を必死で教えているという、話には思わず笑ってしまった。
最後の永瀬さんとおけいさんの恋模様と、羽吉の行方が
あかされるあたり、なんかせつない。 -
失踪した夫を待ちながら飼鳥屋を守るおけいの元に持ち込まれる「謎」
九官鳥の月丸が◎ -
飼鳥屋を営みながら行方知れずの夫の帰りを待つ女性が主人公の7編の連作短編集。鳥を巡る大小様々な出来事の謎を解き明かしていく。
全編通して、寂しさと優しさが溢れている。切なく胸が締め付けられても、ふわり優しく包まれる感じがする。
主人公おけいを気遣う馬琴や同心など脇を固める人たちが固い。
おけいが幸せになりますように。 -
しっかり者のおけいのところにちょっとした事件がもちこまれる、短編集。行方知れずの夫とのことは切ないけれど、実生活でカナリアの繁殖をしていたといわれる馬琴や、同心が力を貸して、物語を盛り上げています。
江戸時代、飼い鳥を商う商売があることは知っていたけれど、こういうふうなのかと思いながら読みました。 -
江戸時代の日本橋を舞台に、飼い鳥屋を営む若女将のおけいが主人公の人情ミステリの連作集だ。
今でこそ鳥を飼っている人の数は少ないように思えるが、昔は当たり前のように庶民は飼っていたのだろう。慎ましく日常を生きている人々が行き交う飼い鳥屋の光景を思い浮かべると、なんだか気持ちがなごむ。
そして鳥にまつわるエピソードを毎回盛り込んで、ちょっとだけ詳しくなる。知識が増えていくことも読書の楽しみの一つだ。
3年前に失踪した夫の羽吉の行方は?
独り身のおけいを気遣う心優しい同心の永瀬との恋の行方は?
淡いラブストーリーと、おけいのまわりで起こる大小様々な事件をからめて、読者を飽きさせない。
そして羽吉の失踪がやがて大きなうねりとなって、最後まで推進力を失わない。
これからの作品をもっと読んでみたいと思わせる作家だった。 -
失踪した夫を待ちながら、ことり屋を切り盛りする妻のおけい。おけいのところに、鳥にまつわる謎が持ち込まれる。その謎を解き明かした結末は、切ないものや愛しく感じるものも。
おけいの一途さが切ない。ついつい感情移入して、物語に出てくる男たちに、もっとしっかりしなさい!と言いたくなった。 -
期待どおり。流石の安定感だ。
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健気に夫の帰りを待つ女の寂しさ。九官鳥のお喋りに慰められ、鳥の世話にいそしむ。
それなのに、切ないですね。 -
旅に出たまま行方知れずとなった夫を、飼鳥屋を守りながら待つ女人のお話。
永瀬さまと結衣さまに出会えてよかったな~、と思う。
最後は、無理やり話を終わらせたような感じになっていたのが残念です。
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