偽恋愛小説家

  • 朝日新聞出版 (2014年6月20日発売)
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本棚登録 : 520
感想 : 68
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  • 本 ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511881

感想・レビュー・書評

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  • 偽疑惑をかけられた新人小説家と彼の担当新米編集者のペアによる、おとぎ話の解体&謎解きストーリー。

    著者の「黒猫」シリーズでのポオ作品解体が好きなので、こちらも読んでみました。
    よく知られたおとぎ話の解釈は、なかなか黒かったです…といっても、そもそもグリム童話などは恐いお話が多いから黒くなるのも納得。
    「アンデルセンが『このウンザリな世の中め』と唾を吐いている最高なロックな小説」が「人魚姫」、との解釈には、従来の人魚姫の悲恋物語のイメージをひっくりかえされました。
    よく知られている童話も、見方が変わると面白みも増します。

    全体のストーリーは、できすぎている感が否めませんでしたが、そもそもおとぎ話だってできすぎた展開なのだと思ったら、そんなに気にならず読めました。

    森晶麿さんの描く探偵役の男性は、みんな容姿端麗かつクレバーかつシニカル…と同じような傾向なのだけれど、それでも目が離せない私はミーハーなのかな…

  • 初めての作家さん。
    黒猫シリーズを読んでみたいと思っていたら、こちらが図書館にあったので借りました。
    新進気鋭の恋愛小説家と担当編集者が様々な事件に巻き込まれる。
    童話をモチーフにした事件で、夢センセの蘊蓄が面白いです。
    月子ちゃんとのコンビも良い感じです。
    偏屈で逃亡癖のある先生を上手く操縦出来るようにがんばれ!
    ミステリーがメインでは無い、されど恋愛がメインでも無い。
    さくっと読めて楽しめます。
    では何がメインなの? 分かりません。。。

    著者略歴の名前に誤植があったようで、上から紙が貼られています。
    どんな誤植か気になる。。。

  • 『シンデレラ』『眠り姫』などの童話をモチーフにして謎を解く。
    えぇ、そんな解釈もあったのか、と思うと元の童話をもう一度ちゃんと読まないとなと思ってしまう。子供の頃に読んだお話はざっとしたストーリーしか覚えていなくて細かい箇所になると「そうだったっけ?」という感じだもの。
    同じ作者のほかの本も読んでみたい。

  • 読みにくい
    合わなかったせいか、余計にわかりづらく面白くなかったなー。
    まどろっこしすぎる

  • 森さんはどうしてこうじれったいようなもどかしいような描写をされるんだ…好きだ…

  • 面白かったです。
    とりあえず、初版が奥付の著者名誤植してただろうってことはわかりました。

    ミステリですね、これは。
    恋愛小説っぽい皮を被った。
    まさに作中作の作中。
    何言ってるか自分でもよくわかりませんが。

    童話モチーフの話については、本当は○○なグリム童話、とか読んだことがあったのでなんとなく記憶にあったりなかったり。
    そういえば、美女と野獣の実際の話読んだことないなあと思い出しました。

    とりあえず人間って怖いですね。

  • 『黒猫シリーズ』より分かりやすいし、各童話のブラックな解釈は好みだし、意外性もあり面白かったです。ただ、登場人物の立ち居地(黒猫≒夢宮、付き人≒月子)や物語の分析(ポー作品と童話)、人物名が明らかにされない所などが、黒猫シリーズと被るかな。続編が出るようなら読みたいと思います。

  • ラブンガク賞を受賞した夢センセと編集者の月子。夢センセの担当となった間に巻き込まれたトラブルを、夢センセは、おとぎ話の解釈をしながら、謎解きに迫る。自分が偽物だったらどうする?とつぶやく夢センセ。そして、夢センセ自身が偽物なのではないかという疑惑が持ち上がり...。
    解釈の仕方も面白かった。いつもは口だけの調子のよい大人の男である夢センセが何気に月子を守るところも読んでてちょっと気になるところ。そして、夢センセ自身が書いた作品の内容を読んでいて、何だか違和感を感じていたら、そういうことだったのかと最後は納得しました。
    偽恋愛小説家の意味も考えると、この作者自身が実感していることなのかもしれない。夢センセと月子のその後も気になるので、できれば次巻があるといいな。

  • 中山七里先生の”作家刑事毒島”と近い時期に読んでしまったので… 作家は毒を吐くのがデフォルトなイメージになりそう…。

  • いやー、そうきたかー。
    やられたなぁ。
    楽しめた、楽しめた。
    これ、ドラマ化できそうだけど。

    夢センセの童話解釈が、黒猫を思い出させた。
    黒猫の美学よりはぜんぜん理解できたし、面白い解釈だった。
    続編も楽しみに読もう。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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