荒神

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1662
レビュー : 303
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512048

感想・レビュー・書評

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  • まさかの和製ホラーでした…( ;´Д`)。宮部みゆき、時代物、バケモノの三題噺となれば、これはもうキングに匹敵する怖ろしさと面白さですわ。3時間一気読み。冒頭シーン読んで「まぐる笛」の長編かな…?と思ったのが大ビンゴ。あれも怖かった。

    宮部さんは、決してヒーローを描かない。市井の人たちの目線から、物語を紡いでいく。彼らが触れるのは、陰惨な殺人事件だったり、とてつもない怪異だったりすることが多くて、読んでて辛くなることもしばしば。
    それでも読まされるのは、宮部さんの描く語り手たちの視点に、読者が深く共感するからだ。どっぷり彼等になりきって、物語の中にに引きずり込まれる。泣くし辛いし疲れる。でも、これが読書の至福なんだよなあ。読者を引きずり込む魔術を持つもう1人の作家がキングなので、ついつい並べて比べてしまうのでした。
    連れて行かれる世界が、しばしば現実を逸脱しているところまで、よく似てると思う。

    物語は文句なしに面白いんだけど、あんまり救われた人がいなくて、読後感がすっきり爽快とはいかなかったので★マイナス1。

  • 流れにぐいぐい引き込まれ夢中に読んだ。化け物が暴れているシーンは迫力があった。突き詰めれば化け物は人間が作り出したもの、人間の愚かさを露呈したものなのだろう。そこに藩の争いが絡み合いさらに人間の愚かさを知る。虚しさ、そして切なさが残る結末だった。

  • 元禄太平の世の半ば、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅状態となる。
    隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など様々な事情の交錯するこの土地に、
    その"化け物"は現れた。
    藩主側近・弾正と妹・朱音、朱音を慕う村人と用心棒・宗栄、
    山里の少年・蓑吉、小姓・直弥、謎の絵師・圓秀……
    山のふもとに生きる北の人びとは、
    突如訪れた"災い"に何を思い、いかに立ち向かうのか。
    そして化け物の正体とは一体何なのか――!?

  • 呪術や祈祷と言うものは、それをを信ずる者の心に働きかける、信のないところに効き目もない

    こうしたことをみんな、誰も悪いと思ってしているのではない、良かれと思ってやっているのだ

    悪事は消え残るのは悲しみと不信ばかりだ

    この物語をどこかで読んだ気がする、不思議だなぁと思う

  • 元禄の世、東北の因縁深い隣り合う二藩。山間の村が一夜のうちに壊滅してしまう。なぜ、どうして、何が……。人の心の怖さ、暖かさ、愚かさ、優しさ 物語に溢れてくる多くの行為にそしてその気持ちに心が震える。朱音さま、今もそこにいらっしゃいますか。

  • 宮部さんの時代小説はやっぱり面白い!人間ドラマが緻密で、いつまでも余韻が残ります。今回も長編ながら、ぐいぐい引き込まれました。(直也が何かちょ~っと腹が立ちましたが)「まぐる笛」のような怪物が現れますが、退治方法はまったく違っていてあまりにもやるせない。朱音様もすんなり受け入れなくても・・・。でも永津野潘や香山潘の人たちを助け、弾正を止めるためにはこれしかなかったのは分かる。朱音様と宗栄さんとの別れの場面が何とも言えず切なかったです。再びやってきた平穏な春がとても悲しい。

  • ものっすごく面白かった。やっぱりこの人の時代物は天才的に面白い。ホラーなのかファンタジーなのかよく分からないけど、登場人物もみんな個性があって魅力的。最後は悲しくないけど淋しくて泣ける。でも温かい気持ちにもなれる一冊。

  • 大掛かりな設定で、なかなか読み進めませんでしたが、
    半分を過ぎて一気でした。

    もともと一つの藩が、関ヶ原の戦いを境に因縁の二藩と
    なってしまします。
    過去の因縁が、時代を経てそれぞれの藩の人々に降りかかります。
    哀しい双子の兄妹の抱える大きな秘密。

    仲違いする二藩が、大きな災いを巡って翻弄されます。
    素直で健気な少年・蓑吉、ちょっと頼りない小姓・直弥、
    周りを取り巻く人々も魅力的です。
    双子の妹・朱音は、凜としてカッコいいです。

    人の想念の罪深さ、切なさ、いろんな想いがぐるぐる
    巡ります。宮部節炸裂ですね。

  • 江戸時代。奥州にある元は一つであった隣り合う二つの藩。一握りの狩人しか知らぬ百年も前からの言い伝えが村を襲う。

    1ページ目から最終ページまで、ぎっちり本編でした。繰り返し巻き返し佳境!何重にも重なる真実。謎の回収もギリギリ最後まで。
    みっちり詰まったお饅頭です。薄皮どころではない、餡子が透けて見えそうな。

    賢い蓑吉とやじが、かわいらしかったですね。あー堪能しました!

  • 面白かった!キャラも生きていて、細部まで練られていて、一気読みでした。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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