荒神

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1663
レビュー : 303
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512048

感想・レビュー・書評

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  • まず、あれは何か、逃げ惑うしかないのか、正体が分からず恐怖感が襲う。退治するための方法がまた辛すぎた。過去行ったことが、全く関与していない人々に悲しみとやりきれなさを与えた。

  • 宮部みゆきさんの作品はエンジンがかかるまでの前振りが長い。今回も然りでさらに登場人物も多くて四苦八苦。それだけに壮大な仕掛けとなったわけだが、悪の正体がどうも釈然としない。
    読み進めるほどに弾正の身勝手さが際だって怒りすら覚えたがこれも作者の思う壺なのだろう。対照的な朱音の勇気に登場人物と一緒に奮い立たされる気持ちに拍車をかけたのかと。ラストは悲しく切なすぎるもので、大きなうねりを絶つにはこういう結末しかなかったのだろうか。
    それにしても、やじ。これには驚き。

  • 時代物&ホラーファンタジー?
    蓑吉の目から一貫して描かれているから時系列もスッキリ。様々な人の目線も混じるけれど、キャラクターが立っているから分かりやすい。

    得体の知れない物に村を襲われ命からがら逃げた蓑吉敵対している藩側の村に逃げ延びたが再び化け物が襲いかかる。化け物の正体は何なのか?言い伝えや巡り合わせでその正体が見えてくる。

  • 宮部みゆきの話に出てくる「悪」は、ほんとに人間っぽい。幼稚で、他人の気持ちに共感する能力がなくて、自分の暗い気持ちだけが正しいと思ってる人。悪の本質を分かってる。だから、それに対抗する、心も姿も美しい朱音に感動する。
    宮部みゆきの小説を読むと、世の中には善と悪しかないってことがよくわかる。悪があって、その反対に善がいることは、ものすごく心動かされることなんだろう。
    司馬遼太郎の『21世紀を生きる君たちへ』とテーマが似てる。

  • 文庫版がダ・ヴィンチのコーナーでランクインされて、気になって読んだ作品。藩ごとの登場人物が多く、それぞれの藩での人間模様が事細かに表現されていて、それらの物語が複雑に絡み合っているかと思ったが、難解さを感じずに、物語の展開と怪奇もあり、めくりめくる世界観を楽しめた。時代物の側面からも市井の人間模様から見えてくる人情も感じられ、怪奇、ファンタジーと合体しても、違和感なくそれぞれの属性を打ち消すこともなく、楽しめた。つちみかどさまを退治するシーンは化け物の正体が解明され、時代物と異次元の斬新さも感じる。

  • 面白すぎた。
    登場人物が皆魅力的で、ラストも素晴らしかった。

  • “病をやったりとったり”が現実的ではないと言いながら、呪術で身体から酸を吐く怪物をつくりだすとか、それを呪文で退治するとか、現実非現実の線引きが難しいな。登場人物が多くて閉口。それはそれで面白いのだけれど、物語の半ば位まで、この人物は誰だっけと前の方を繰って読み返すのが手間だった。やじが女性である意味があったのかな? 蓑吉、直弥の成長、物語はこうでなくては。(2017-11-26L)
    NHKのドラマを観た。私にとっての宮部みゆきは、物語そのものが面白いというより、文章を読むのが好きだということがわかった。別に怪物が観たかった訳じゃないし、ウルトラマン世代な所為か、CGのなめらかな動きが気持ち悪い。香山側の話が全く出ていなかったのも物足りない。魅力的なキャラがいっぱいいたし、深いエピソードも豊富だったのに勿体ない。あまり面白くないな、と思いながら観ていて中盤「愛する者を…」の台詞でヒュッと引いた。誰だ脚本書いたの。江戸時代に男女間で「愛してる」とか言ってたっけ? 最後まで観たのは義務感みたいなもの。そのラスト、内田有紀のヌードをちょっと期待してたんだけど…(笑)肩とか背中、足、あとシルエットで十分美しく表現できたと思うんだけどなぁ。皮が剥がれ落ちて芋虫が出てきましたじゃつまんない。村や建物の様子、人々の服装がビジュアルで観られたことだけが価値だった。(2018年3月1日加筆)

  • 磐城国の山を挟んだ敵対する藩を襲う謎の怪物。
    徳川の天下で戦とは無縁の暮らしのはずがいきなり村を襲われて助かった少年蓑吉が助けられたのは敵対する藩の人だった。
    鬼だと教えられていた山の向こうの敵国の人は鬼ではなかった。
    知らなかった真実を、山に囲まれ村の中が全てだった蓑吉。外の世界の、真実を知るところや化け物の、描写や戦闘シーンが、進撃の巨人と重なった。

  • 思わず『ダンウイッチの怪』を思い出してしまいましたよ、この怪物!怖いわ~めっちゃスゴイ!
    2つの藩の確執が、実はもっと過去、あるいは
    個人的なものにまで至るとは!
    人間関係、語り継がれた事・・・・そして、
    徐々に謎が明らかになる過程がグイグイと読ませて
    くれるものだから、一気に2日で読んでしまいましたよ。
    さすが!です(*^_^*)
    なぜか、朱音様がシレーヌに重なってしまった。何故?

  • パニック映画のようだった。
    荒神という題から怪物の正体は神の化身かと思ったら、人間の呪詛が作り出した土人形だった。業が深い。
    たくさんの人々が勇気を奮い起こして戦うも、倒せそうで倒せずもどかしい。魅力的なキャラクターが多く、どうか死なないでほしいと願いながら読んだ。
    ただ元をたどれば、二つの藩の陣取り合戦のなれの果てなので同情はしにくい。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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