荒神

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.68
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本棚登録 : 1662
レビュー : 303
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512048

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】江戸から離れた東北の山深い村で突如、民が消え去った。隣り合う二藩の対立、お家騒動と奇妙な病……。怪物はなぜ現れたのか?北の民たちはその”災い”にどう立ち向かうのか―!?現代を生きる読者に希望と勇気をもたらすファンタジー冒険時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 元禄時代の東北の山深い里で、ある日カエルのようなヘビのような恐竜のような怪物が現れて、その山を挟んでずっと敵対してきた二つの藩の人間が入り乱れて災禍を収めようとする話です。
    ゴジラシリーズっぽいです(人間の業に全ての因果が収束してゆくところも)
    元禄時代の人間の感覚で今と違って三世代ぶん離れた時代なんてもはやおとぎ話くらいの昔話だったんだろうなぁと思いますが、なんというか、時間感覚的にそのくらい隔たれた時の出来事に、こんなにみんなが影響を受けるほど直結した時間が流れてたんだなあと思います。
    それがロマンチックでもあり不自由でもあり…。
    ずんぐりどっしりした小説で、読み欲が満たされ、満足しました。

  • R1.5.20 読了。

     歴史怪獣小説。「つちみかどさま」なる蛇やトカゲやガマなどの容姿にたとえられる巨大な怪獣が次々と村々を襲う。身体は硬い鱗で覆われて、口からは可燃性で人を溶かす酸性の液体を吐き出す。しかもみるたびに形態が変化し進化する怪物。また、呪術、間者など気になるワードも物語を盛り上げます。
     時代は江戸期。人々はこの怪物をどのようにして退治したのか。
     ともかく面白かった。長編565ページもあったのに一気読みでした。最後は少しだけ心が温かくなりました。

  • 時代もので怪物もの。なかなか姿を現さないが、出てくるとまるで目の前にいるように生き生きして、ドキドキした。2つの村の関係性やたくさんの登場人物でわからなくなり読み返した部分もあるが、理解できるとぐいぐい引き込まれた。悲しい部分もありハッピーエンドではないが、最後は少し救われたなと思う。長かったけど、面白かった。こうの史代さんの「絵巻」の方も読みたい!オールカラーということで変化する怪物の姿を今一度見て理解したいです。

  • 宮部みゆきで怪獣物ということで、前から読みたかったのを、やっと読みました。
    冒頭の何かが起こっているけど、なんだかわからない様子が、まさに怪獣物としての導入で、引き込まれました。それぞれの立場から探っていく様子や、出現時のインパクトも引き込まれていく感じで、おもしろく読み進められました。
    最後も自分としては、好きなきれいな終わり方と思いました。
    登場人物の背景や二つの藩の事情が、たくさん盛り込まれていて、それぞれを理解するのは、ちょっと手間かもしれませんが、きちんとそれぞれ終着させているのも、よいです。

  • 以前に読みかけて、珍しくとちゅうやめになっていた作品。最初を頑張って読んで、それぞれの村の関係と在籍する登場人物を理解すれば、スムーズに読めた。
    さすが宮部さんの作品で深く、面白かった。ちょっと切ない最後だけど、そうとしか終われないだろうなぁ。このあとに出たこの世の春の方が好きは好きだが、これも味わい深い作品だと思う。
    どうしても、まーるくハッピーエンドが好きな私なので、まだまだ甘いなあと感じさせられた作品。

  • 時代小説であり怪獣小説。
    怪奇時代小説なら他にいくらでもあるだろうが、これはオンリーワンのキワモノ作品だろう。

    とにかく驚かされるのは、こんな誰も見たことのないような化け物との戦いを、実に生き生きと描写する圧倒的な筆力。
    中盤のクライマックスである砦での大破壊シーンなど、まるで眼前に場面が浮かぶようで、登場人物たちが直面する恐怖がありありと伝わってくる。

    他の書評では「人間の業が…」みたいな観点で評価されているようだが、その点はイマイチのように感じた。
    600頁に迫る大著でありながら、「業」を感じさせるほどの描き込みが不足している。
    ちょっと登場人物が多すぎて、キャラクタが被るのも多くて役割が整理しきれていない印象。

    映画化するなら観て見たい。
    ちょっとグロそうだけど。

  • 最初~中盤までの感想
    お江戸版進撃の巨人

    中盤~ラストまでの感想
    シン・ゴジラ…

  • 読み終わった感想。千と千尋の神かくしに出てくる、「かおなし」を描きたかったのかな、と。
    出てくる兄弟藩の因縁だとか、捨てられた兄妹の話だとか、悪くはないんだけど、お話の添え物=装置感が拭えない。すごく期待した人には残念かもね。
    呪文の設定は面白かった。

  • 共存とは何かを考えさせられた。
    色々な登場人物がいたが、じっちゃと呼ばれる人が一番カッコ良かった…

  • お江戸以外を舞台とした時代物が、かなりこなれてきた印象。描写されるその土地その土地のこだわりポイントや、他者へのまなざしが、昔もいまもあり得そうなところがうまい。

    曽谷弾正や瓜生の由良の欲望の黒さよりも、忠義を尽くしつつも「考えない人」のどす黒さが際立つ。「考えない人」への批判が込められている?小日向直弥とか。

    圓秀の最期のシーンがよくわからなかった。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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