- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022512048
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】江戸から離れた東北の山深い村で突如、民が消え去った。隣り合う二藩の対立、お家騒動と奇妙な病……。怪物はなぜ現れたのか?北の民たちはその”災い”にどう立ち向かうのか―!?現代を生きる読者に希望と勇気をもたらすファンタジー冒険時代小説。
感想・レビュー・書評
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NHKでドラマ化されたので原作を読んでみたが、やはり原作の方が想像力がかき立てられますね。
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2023/3/3
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時は元禄の半ば。陸奥(東北)の小藩にある山深き村が、一夜にして壊滅状態となった。隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など、様々な事情の交錯するこの土地に、その“化け物”は現れた。権勢をふるう藩主側近・弾正、その兄と分かち難い絆を持つ妹・朱音、朱音を慕う朴訥な村人たちと用心棒・宗栄、山里の少年・蓑吉、病の本復した小姓・直弥、謎の絵師・圓秀……山のふもとに生きる北の人びとは突如訪れた“災い”に何を思い、いかに立ち向かうのか――!? その豊潤な物語世界は現代日本を生きる私達に大きな勇気と希望をもたらす。著者渾身の冒険群像活劇。
(2014年) -
面白い。間違いない。何読もうか迷った時は宮部みゆき!
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時代物のモンスターはなかなか斬新。
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読み応えがある本。
もっと元気なときに読みたかった…。
それでも、面白い! -
時代小説なのかと思って手を付けてなかったのですが、映像化されてるCMを見て興味が出て図書館で借りました。
舞台は江戸時代のお話ですが、宮部みゆきさんっぽい、軽くないファンタジーのお話でした。口調も時代小説みたいに読みにくいことなく、文章もきれいですごく読みやすかったです。さすがの文章力というか、読ませてくれます。
一人の主人公というわけでなく、何人かの視点が交互に代わって語られていく形です。悪役以外の登場人物がみんな良い人なのでホッとしました笑
でも、最後はちょっと悲しいかな…みんなが生き残ってハッピー、じゃないからこそのこの作品だとは思うんですが、平和ボケの頭なので読後はしんみりしました。 -
書店でふと惹かれた。物語の内容は宮部作品らしく読みやすいものだった。
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引き込まれて、憑かれたように読み耽った。不思議な昔話のようだけど、なんだかとても時事的にも思われて。やっぱりひとは自分たちの業に飲み込まれてしまうのかなぁ…
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おもしろかった!
時代小説の体をした怪獣モノ⁉︎
江戸時代版 シン・ゴジラ !? -
2011年のメタファーに見える。
庵野はシンゴジラで表現し、宮部みゆきは、荒神というゴジラで表現した。
恨みから生まれる怪物と、組織の機能不全で起きる人災。怪獣ものの原点だ。江戸に見事に落とし込んでいる。 -
朝日新聞連載中、時々読んでました。 元禄の半ば、東北の一寒村が何かに襲われての壊滅から始まる物語は、先の波瀾万丈が想像されてワクワクでしたが、挿絵がこうの史代さんだったので、ジュブナイルかな? という感もあるスタート。 情景描写が延々と続くこともなく、読みやすかったですね。 ただ、読み落とすことが多かったり1日分の短さが不満だったり、結局単行本になるのを待って荒筋が分かった上での通読。
お家騒動、二藩の確執、大きな謎の鍵となるらしい兄妹、謎の絵馬を巡るいろいろ。多様なエピソードが一つにつながっていく様は面白く、大きなテーマもあるのですが、テーマに見合う深さがあったかというと、ちょっと物足りない気がする。
まあ、なんでもかんでも重ければいいということではないので、もののけ(と呼んでいいのだろうか)が荒れ狂う様をレトロタイプな特撮を思い浮かべて楽しみました。 いっそテーマなしでひたすら破天荒に突っ走ってもよかったのではと思います。 -
時代小説と思って読み始めたら、まさかの怪獣小説(?)でした(笑)
でも、久しぶりに宮部さんの作品ですっごい楽しめた!!登場人物みんなが最後きれいに締まったし。
色々な視点がからまり合い、それが一箇所に集まるクライマックスの気持ち良さ!!そうそう!私はこういう宮部みゆきが読みたかった!(笑)
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元禄時代の東北の山深い里で、ある日カエルのようなヘビのような恐竜のような怪物が現れて、その山を挟んでずっと敵対してきた二つの藩の人間が入り乱れて災禍を収めようとする話です。
ゴジラシリーズっぽいです(人間の業に全ての因果が収束してゆくところも)
元禄時代の人間の感覚で今と違って三世代ぶん離れた時代なんてもはやおとぎ話くらいの昔話だったんだろうなぁと思いますが、なんというか、時間感覚的にそのくらい隔たれた時の出来事に、こんなにみんなが影響を受けるほど直結した時間が流れてたんだなあと思います。
それがロマンチックでもあり不自由でもあり…。
ずんぐりどっしりした小説で、読み欲が満たされ、満足しました。 -
R1.5.20 読了。
歴史怪獣小説。「つちみかどさま」なる蛇やトカゲやガマなどの容姿にたとえられる巨大な怪獣が次々と村々を襲う。身体は硬い鱗で覆われて、口からは可燃性で人を溶かす酸性の液体を吐き出す。しかもみるたびに形態が変化し進化する怪物。また、呪術、間者など気になるワードも物語を盛り上げます。
時代は江戸期。人々はこの怪物をどのようにして退治したのか。
ともかく面白かった。長編565ページもあったのに一気読みでした。最後は少しだけ心が温かくなりました。 -
時代もので怪物もの。なかなか姿を現さないが、出てくるとまるで目の前にいるように生き生きして、ドキドキした。2つの村の関係性やたくさんの登場人物でわからなくなり読み返した部分もあるが、理解できるとぐいぐい引き込まれた。悲しい部分もありハッピーエンドではないが、最後は少し救われたなと思う。長かったけど、面白かった。こうの史代さんの「絵巻」の方も読みたい!オールカラーということで変化する怪物の姿を今一度見て理解したいです。
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宮部みゆきで怪獣物ということで、前から読みたかったのを、やっと読みました。
冒頭の何かが起こっているけど、なんだかわからない様子が、まさに怪獣物としての導入で、引き込まれました。それぞれの立場から探っていく様子や、出現時のインパクトも引き込まれていく感じで、おもしろく読み進められました。
最後も自分としては、好きなきれいな終わり方と思いました。
登場人物の背景や二つの藩の事情が、たくさん盛り込まれていて、それぞれを理解するのは、ちょっと手間かもしれませんが、きちんとそれぞれ終着させているのも、よいです。 -
時代小説であり怪獣小説。
怪奇時代小説なら他にいくらでもあるだろうが、これはオンリーワンのキワモノ作品だろう。
とにかく驚かされるのは、こんな誰も見たことのないような化け物との戦いを、実に生き生きと描写する圧倒的な筆力。
中盤のクライマックスである砦での大破壊シーンなど、まるで眼前に場面が浮かぶようで、登場人物たちが直面する恐怖がありありと伝わってくる。
他の書評では「人間の業が…」みたいな観点で評価されているようだが、その点はイマイチのように感じた。
600頁に迫る大著でありながら、「業」を感じさせるほどの描き込みが不足している。
ちょっと登場人物が多すぎて、キャラクタが被るのも多くて役割が整理しきれていない印象。
映画化するなら観て見たい。
ちょっとグロそうだけど。 -
共存とは何かを考えさせられた。
色々な登場人物がいたが、じっちゃと呼ばれる人が一番カッコ良かった… -
お江戸以外を舞台とした時代物が、かなりこなれてきた印象。描写されるその土地その土地のこだわりポイントや、他者へのまなざしが、昔もいまもあり得そうなところがうまい。
曽谷弾正や瓜生の由良の欲望の黒さよりも、忠義を尽くしつつも「考えない人」のどす黒さが際立つ。「考えない人」への批判が込められている?小日向直弥とか。
圓秀の最期のシーンがよくわからなかった。 -
荒唐無稽の もののけ物のお話です♪ 元々は主藩と支藩の葛藤があるのだが起こしてはならないモノノケが蠢き出して大変な惨状となる。誰も止められないモノノケを唯一止められるのが.....
そこには哀し過ぎる裏事実が存在した!
表紙を開いた途端に目にした 装画 こうの史代 にびっくり、かの「この世界の片隅に」の作者ではないか!思いがけない出逢いのおみやげに嬉しかった♪