天使はここに

  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 213
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512390

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】ファミレスの契約社員として働きづめの毎日を送る真由子23歳。常連の老紳士や信頼するスタッフとの交流が心の拠り所だったが──。楽ではない職場での人間関係と日々起こる事件の数々から、主人公の心理的成長と働くことの喜びをみずみずしく描いた長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ朝比奈あすかさんの作品の中では、
    一番 ソフトなかんじでしたね。

    高校時代からアルバイトをしていたファミレスで、
    契約社員として働く真由子。

    正社員にもしてもらえず、責任だけ負わされ、
    仕事量は増えているのに、お給料には反映されない。
    最近よく聞く、ブラック企業のような…。

    この真由子が、とにかく生真面目でね。
    いい子すぎて、心配になるくらい。
    ”おシャケさま”(いつも鮭定食を注文するから)との関わりにしても、
    「どうしてそこまで?」と不思議に思ってしまう。

    それなのに家族や恋人、友人にはいまひとつ心を開かない。
    そうなってしまったわけが、切なかったです。
    実の母親のことで傷つき、誰かに期待し、望んだりすることが怖くなってしまったのかも…。

    でも「この仕事が好き」と素直に言える真由子だから、
    きっとこの先も大丈夫。
    必ず見ていてくれる人はいる。

    真面目にコツコツ努力し続けた人が、いつか報われる。
    やっぱり、そんな希望をもてる話が好きです。

  • ファミレスを舞台にしたお仕事小説。
    表紙のイメージとは違う、常にザワザワした気持ちで読み続けたストーリーでした。
    真面目に一生懸命に仕事に向かう真由子。
    そのせいで、貧乏くじを引くことも多く、周りからも都合のいい存在として扱われてしまう。
    ファミレスの同僚の中には、少しの悪意を持つ人達もいて、明るい雰囲気の場所が舞台のはずなのに、何故かドロドロしたイメージが付きまといます。
    真由子の生育環境、同僚バイトのトキの母娘の確執など、気になることが次々明るみになり、ページめくる手が止まりませんでした。
    最後は明るい兆しの見える終わり方で読後感は良好。橋輝が気になります。

  • ファミレスや"働くこと"の厳しい現実を描きつつも、不思議と不快にならないというか、雰囲気の明るい作品。
    前向きな気持ちになれる。
    根底に主人公の人柄の良さがあるから。
    仕事への真っすぐさはすがすがしく、人に対するあたたかさにもほっこり。
    特に、常連の"おシャケさま"とのエピソードがいい。

  • 15歳でファミレスのバイトから始まり契約社員となり現在は正社員を目指している女子のお仕事小説。
    仕事に対する情熱が半端ない。
    ちょっと怖いくらい。余りにも真摯に顧客と向かい合っているので物語の前半は感情移入出来ない。正直言って、こんなやつおらんで!という世界だ。
    大学生のアルバイトって接客業は基本有り、だろう。私もした。テキトーにやっていた。何より社員もサボっていた。
    真由子ちゃんみたいな社員はいるのだろうか。会ってみたい。私の人生も変わったかも。
    物語の後半、懇意にしていたお客が痴呆症になり、店長がストーカーで逮捕され、新店長が全然頼りなくて、バイト・パート管理を任される辺りから物語も動き始める。真由子ちゃんも人間的に成長していく。終盤急速に話を纏めに掛かっている感はある。正社員にもなっていないし、恋愛も実っていない。でもこれから何かいい事ありそう!そんなラストだ。爽やかです。

  • ファミレスで契約社員として働く女性のお仕事小説。
    いい子というか生真面目すぎて逆に心配になる。
    [図書館・初読・10月17日読了]

  • こんなに頑張っているのに正社員じゃないんだ。
    正社員とか契約社員とかアルバイトというくくりでなくて、個人個人の頑張りでお給料が決まればいいのにね。
    ファミレスに行ったことがないから、どんな雰囲気なのか想像もつかないけど。

  • 朝比奈さんは心の細やかな描写が本当に上手だと思う。実母からのネグレクトで育った20代の真由子。祖母や叔母からは大切にされたが、実父と義理母の家も転々とし、居場所はない。迷惑をかけまいとファミレスのバイトで自立。大人に遠慮し育ち、低い自尊心と自己肯定感にも気づけない。唯一ファミレスの仕事に没頭没入することで自身の気持ちを外へそらし、日々生きながらえる。過剰な責任感と自己抑制で頑張り過ぎる姿に涙が落ちる。非正規の様々な理不尽さすら感じない。重すぎる母の愛に縛られた同僚も登場。母親の愛に適温はないのだろうか。

  • 大手ファミレスチェーンで働いている真面目さが取り柄の主人公は、周囲の悪意には鈍感だし、好意にも気づけない。けれども親切心や心配する気持ちは誰よりもある。 感情の表出が上手くできないし、周りへの接し方が不器用だけどその懸命さはいと良し。 つまり、信じるもののために邁進していけるということであり、このことを作中では「integrityが高い」と表現されていた。 どうしようもないクソみたいな職場でも、頑張れば報われるという感じの話なのでブラック企業に勤めている方はぜひ読んでみては。

  • エンジェルス・ダイニング(ファミレス)
    契約社員:松村真由子 23歳(15歳高1~バイト)
    元店長:桜井恵理子 35歳
    店長:十亀 25歳(大卒2年目)、ストーカー容疑で逮捕
    店長:辻岡良哉(ジョシュア)
    アルバイト:箕輪朱鷺(トキ)城王大学2年(1浪)
    アルバイト:和久 城王大学
    客:太田耕太郎(真由子の彼、別れる)
    客:橋本輝也 城王大学4年、D銀行内定、真由子に♡
    客:大多摩(おシャケさま)元新聞記者、認知症

  • 2018/09/24
    ファミレスで働く女の子の話。
    主人公の子がなんだかいらいらするので、
    ちょっと合わなかった。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』など多数。

「2019年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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