精鋭

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.37
  • (12)
  • (61)
  • (92)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 429
感想 : 77
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512574

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】柿田亮は研修を終えたばかりの新米巡査。自分が警察官に向いているのか悩みつつも、機動隊を志望し、ハイジャックなど凶悪事件を解決する特殊急襲部隊(SAT)の隊員を目指すが──。優れた警察小説であり、成長物語でもある著者の新境地! 朝日新聞連載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズ物ではなく、単発物。
    主人公柿田が、配属先の上司達それぞれに素質を見出され、本人はそれほど熱望しているわけでもないのに次第に機動隊へ、その後SATへ。
    「はあ…。」と答えたり、心中で「〜なんだけどなあ」とボヤいたり、飄々としていながら素質があったり、という様がマル暴シリーズの甘粕っぽい。

    面白くはあるのだが、新聞掲載だったからか、重複した表現が多い。
    今野敏氏の他の作品でもそう思ったことがあったと思うが、本書も単行本化では、内容はこれの3分の2くらいに減らしてもらっても充分成り立ってしまうと思う。

  • 新人警察官が機動隊へ異動して、その後SATに選ばれて成長していく物語でした。
    とても興味深い内容でした。
    面白かったです。

  • 警察に入った子が、地域課から機動隊、SATへと異動する話
    訓練の様子や、その中での仲間とのやりとりがおもしろい
    特に事件等もないけど、お仕事小説的で好き

  • 2022年12月27日
    新聞小説だったとは。
    機動隊は警察として国民を守る
    意外だった

  • 壮烈な訓練が待っている、その先には……

    精鋭
    2015.02発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。

    警察署に入った柿田亮巡査22才が、持ち前の明るさと、前向きな考えで機動隊の中の精鋭といわれるSATへ進んで行く姿を書いた物語です。それは、まさに壮烈という言葉にあたいします。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    柿田は、警察官として、現場で自分の判断で、交通違反の切符を切るか切らないか、クレーゾーンにある行為が痴漢にあたるのか当たらないのかの難しさを痛感し。
    自分は、警察官に向いているのか疑問を持つ。そんなとき上司から、お前は「体を張って国を守る」機動隊に向いていると言われ、警察に入って初めて目標というものが出来た気がする。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    警察へ入って2年目の4月に、警察署地域課の交番勤務から機動隊へ移動になった柿田は、機動隊での厳しい訓練も、ラグビー部での練習の凄さを考えれば、これは今の自分には必要なものとして捉えることが出来た。
    そうすると恐ろしくキツイ訓練も、それが仕事だと割り切ってしまうと、それほど追い詰められた気持ちにならない。大学の時と違って、給料をもらって訓練をしているのだ。と思えた、体もだんだん慣れてきた。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    そんなとき、機動隊の中で「精鋭」と言われる特殊部隊のSATへ移動になる。もちまえの学生時代のラグビー部で鍛えた体と。ラグビー部で養ったワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンの考えがSATでの厳しい訓練を支えています。
    それは、一人はみんなのために、みんなは一人のためにが、骨の髄まで染みこんでいるのです。つまり、一人一人の技術が確かでなければ、チーム全体としての作戦をうまくこなすことが出来ません。これが、ワン・フォー・オール。そして、チームとしての作戦が的確でしっかりしていないと、個人個人の技術を生かすことも出来ません。これがオール・フォー・ワンです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    SATから自衛隊へ訓練に出た柿田は、自衛隊員から「俺たちは、国の偉いさんを守るために戦うわけでない。国の体制とか、そういうこともあまり考えたことがない。ただ、日本の国民の誰かが助けを求めていたとしたら、俺たちは、いつでもどこへでも飛んでいく。その覚悟は出来ている」を聞いて、私は、胸にジーンとくるものがあります。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    【読後】
    自衛隊も、SATも、自分たちが出動する事になるテロ、戦争、凶悪事件が起こらないことを願いつつ、それに備えて日々厳しい訓練を行っていることが書かれています。柿田が、厳しい訓練を前向きに行っていく凄さは、凄まじさを通り越して壮烈としかいいようがありません。
    2021.05.26読了

  • 事件など起きずひたすら訓練の描写でしたが、なかなか楽しめました。

  • SATが活躍するのかと思ったが、違う内容だったよ。だが、なかなか面白く読めた。

    SATもそうだが、自衛隊も活躍の場が無いことを願いながら厳しい訓練をしている、ってのは胸に沁みた。頭が下がる思いだ。

  • ふむ

  • 新人警官の成長物語。機動隊、SATと出てくるわりに派手な展開は皆無なので物足りなさは残ります。シリーズ化の前振りなのかな?

  • 新米警察官がSAT隊員になるまでのお話。

    警視庁の新米警察官として働き始めた柿田亮は、ラグビーで鍛えた体と前向きな性格で、職務を全うしていく。

    しかし、検挙の判断や、警察官のあり方に疑問を持ち始める。

    そんな時に、機動隊へ転属が決まり、体を動かすことに集中できると思い志願する柿田。

    機動隊の厳しい訓練もなんとなくこなしてきた柿田だったが、あれよとSATに推薦され、さらに過酷な訓練に挑んでいく。

    警察における柿田の真の目標は見つかるのだろうか?


    新人からSATになるまでを丁寧に描いています。
    なんか新シリーズを大事に育ててきた感じがして、読者は続きを温かく見守っていこうという感じ。

全77件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今野敏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×