ひとかどの父へ

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • レビュー :20
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512765

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】生き別れた憧れの父親は在日朝鮮人─その事実を突然知った朋美を襲う複雑な感情。自らのアイデンティティーと向き合い、父の足跡を追う。昭和史の狭間に秘められていた父と母の間のドラマとは。R-18文学賞作家が在日母娘それぞれの生き様を描いた力作。

感想・レビュー・書評

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  • 在日韓国人の話。
    身近にいないから、実感がわかないけど、苦労の連続なんだろうなと思った。

  • 「在日」というものを、あまり考えたことがなかったので。

    プロローグにいる主人公の娘のように、今や韓国大好きな日本人がたくさんいる。
    けれど、多数の人に受け入れられ、ファンがたくさんいたとしても、それでもどこか一方で「これだから・・・」といった扱いを受ける。
    「~~だから見下す」って考えは、本当に嫌だな。
    そんな考え、子どもだけかと思っていた。

    掲載時は最後の章がなかったとか?
    なんだかとても良い終わり方をしていたけれど(ある意味ハッピーエンド)これが無かったら、ちょっと物悲しかったかも。

    在日に限らず、好きな人を好きなように愛せる時代がきたらいいのにね。

  • ゴーフル缶に詰め込んだ思い出は、反発だとかアイプチなんかじゃ消し去ることは出来やしない。出自だとか血縁だとか、地球とハグしちまえば小さな出来事。そう思っていたい。

  • メディアあり
    私は、理解力不足だと感じた。
    身近に韓国籍だった人がいるのに…

  • 自分が在日である事を知り苦悩や葛藤する女性を描いたお話。重いテーマながら母娘の家族の物語でもありいろいろ考えさせられる作品。在日の人と接点がなかった自分には興味深く読む事が出来た。ミヤネ、クレド、サランヘに全て集約されてる。

  • 妬み、嫉妬、劣等感、優越感、罪悪感、憧れ、嫌悪、絶望…。
    胸の奥がチクッと痛み、心が捻れた感覚に捉われる心情が淡々とえがかれている。表現が上手い。帯通り、感動の物語。

  • 大学卒業後やりたい仕事もなくアルバイトをしてる朋美。
    家には父の写真が一枚もなく、記憶もおぼろげだ。
    父の事を思うと、身体の軸が緩んでしまうような心許ない気持ちになる。
    8歳の時に行方不明になって以来ずっと会っていないし、
    戸籍上は非嫡出子という事になっている。
    母親からは「立派な活動家で事情があって離れ離れになった」とだけ
    聞かされていて、きっと「ひとかど」の人物なのだと思い込んでた。
    しかし、ビジネスで成功した母・清子が衆議院議員に立候補した時、
    「未婚の母で、父が北朝鮮の工作員でないか…母は、出世の為に
    権力者の愛人になった…」という疑惑が報じられた…。


    朋美には在日韓国人の親友・孫由梨がいるが、
    優れた容姿を持ち、温かな家庭に恵まれた彼女への屈折した
    嫉妬心は、彼女が日本人じゃないし…と、密かに見下す事で
    何とか軽減されていた。
    それなのに、自分が朝鮮人の子供かとある日突然知った事実に
    朋美が感じた不安・怒り・拒絶・落胆・嫌悪…捻じれてこじれた
    感情が渦巻く様子、そんな自分を受け入れられない気持ちは、
    もしも自分だったら…と、思いを馳せました。

    父と母が出会った1960年代から1970年代・1990年代
    現在に至るまで、時代が行き来し、時代ごとに在日朝鮮人を
    取り巻く状況や時代の空気が変わっていく様子が良くわかる。

    身近に在日朝鮮人の方が居なかった。
    今迄、漠然としか考えた事が無かったし、知らない事も多かった。
    パスポートの色が違う・外国人扱い・通称名の使用…。
    就職・結婚…根強い差別…悲し過ぎる…。
    本当に色々な事を考えさせられました。

    重いテーマで、きっと深く深く描くととても暗く重くなるのだろけど、
    朋美という一人の女性が自らの出自を受け入れ、
    生まれてきて良かったって思える所までの変わって行く様子を
    丁寧にサラッと描いている。
    とっても、気持ちの良い読了感でした。

    著者の深沢さん自身が「在日」という属性に思い悩んできたそうだ。
    在日である事を受け入れられない自分と、そう思ってはいけないと
    いう気持ちに引き裂かれていた…そんな思いがギュッと詰まった
    とても素晴らしい一冊でした。

  • 前から気になっていて読みました。

    私の周りでも、差別をしている人はいる。
    私は鈍感なほうかもしれない。
    若い人もそういう人は結構いるのかな?
    私の場合、年配の人に多い気がする。

    だから、清子の両親の態度は
    そういう人はいるだろうな~と思う。
    清子が結婚する壮絶なくだりは
    知らない世界だけに圧倒される。

    しかし、もう一つ、
    美しい母と比べて、冴えない自分に自信を持てない朋美。
    母子の物語がありました。
    甘っちょろいところがある朋美だけど
    子育て中だったころの清子は好きになれなかった。

    読みやすい文章で、無理のない展開だった。
    果たして、自分が朋美の立場だったらどうするかなと考えた。
    そして、差別についても考えました。

    ミアネ クレド サラン
    心に残る、言葉ですね。

  • 読み始めたらたまらず一気に読了。“普通じゃない”生い立ちにわだかまりを持つ娘と平凡な家に育ちドラマチックな人生に焦がれる母のすれ違い。書評などでは出自をめぐる自分探しの物語として評価が高いが、母娘の葛藤の物語としても胸に迫る。ふたりが「母」と「娘」の関係性の中ではなく、個人と個人として適度な距離で向き合う姿が気持ちの良い読後感。

  • 母のスキャンダル…いかにも一人っ子らしいものの考え方。少しのんびりしたところが母と対照的。
    ともちゃんの秘密…自分の秘密を知り張っていた糸が切れる。
    告白…心配してくれる友がいることは素晴らしい。
    ミアネ、クレド、サランへ…熱くて直線的な愛は男の蒸発で儚く消える。
    ひとかどの父…男の我がままに振り回される妻子。何も言わずいきなり身を隠すなんて勝手過ぎる。

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