マイストーリー 私の物語

  • 朝日新聞出版 (2015年9月7日発売)
3.26
  • (5)
  • (36)
  • (61)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 346
感想 : 53
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784022512994

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自費出版会社で編集者をしている太田。自費出版で本を作る人は大体高齢者。自分史を作ることは終活にもなる。太田は顧客の立場で寄り添いながらより良い本を作るべく伴走している。
    そんな中、亡くなった夫のことを本にしたいという元女優の高橋由貴が自費出版を契約する。この女性の本をめぐって太田の出版社が動き出し、テレビドラマ化もすることになって...という話。

    由貴の過去や本を出版したいという本当の理由が明らかになり、彼女の家に押しかけて「あなたは愚か者だ」と詰る太田。後輩の浦田から「家で二人きりになるな」と忠告されていたのに...このあたりから展開が早くなりあとは一気に読みました。
    ちょうど『痴人の愛』を読んだあとだったので、ナオミと由貴が重なりました。そういえば『痴人の愛』には女性の登場人物はほとんどいなかったな。本作の由貴は女性たちから嫌われていました。
    浦田の言葉「私たち女って、高橋さんみたいな人とずっと戦ってきたんですよね」
    由貴のような女の人に、仕事や男の人を取られてしまう女性たち。本能で「この女は危ない」とわかる。でもいくらそれを男の人に忠告しても無駄。結果太田は身を滅ぼしてしまいます。

    女って強い生き物ですね。あくまで自分の目的のために太田を切り捨てる由貴。「女が気持ち冷めるの、1分もかからないわ。」由貴が太田を利用したというのもあるけど惹かれていたというのは、実際あるのでしょう。
    そしてラストで太田を訪ねてきた浦田。彼女は自分の物語を太田に語ることで、由貴になろうとしているのか。

    大物女流作家の母が自費出版するまでのエピソードも印象的でした。

  • 自費出版を主として手がける出版社の中年編集者が主人公。依頼人である元女優の妻が亡くなった映画人の夫の自伝を書こうとし、ドラマの原作本となっていく過程を編集人として寄り添ううちに愛してしまい、自分を見失ってしまう。自費出版本の制作過程が奥深く興味深かったのに、急に愛が語りだされてからが性急で興ざめしてしまった。長篇だったが、そこにもう少しページ数がさかれても良かったのかもしれない。

  • 自費出版会社に勤務する編集者・太田が、本作りに関わりながら、女に溺れる様を描いている。
    出版界の裏を垣間みながら、自費出版を希望する人の気持ちはそれぞれでもあると感じました。
    人生を終えるとき、人は何かを残したいものでしょう。
    さて、私は?と思いつつ。
    女とは魔物でもあるというお話もあり、さくさくと読めました。

  • 最初章立てを見て連作なのかな、と思いましたが違いましたね。読み終わってみると構成に賛否ありそうと思いましたが、単純に言えばなかなか面白かった。

    主人公は男性ではあるけれども、キャラクターのやり取りだけではなくて地の文の描写のところどころに林さん独特の「女の意地悪い鋭い目線」描写の表現が散見され、ぞくぞくしました。

    「書きたい人間は増え続けているけれども読みたい人間がどんどん減っている」のような文があり、本当にその通りの現状であるなぁとつくづく思います。
    自分史が流行であるから生まれた話であり、最終章を読むと強烈に「アンチ自分語り」という主張を感じます。

    語られない生、無名に消えていく生に意味はあるのかということを自分も考え続けていますが、語られない生の
    「語られない由縁」の中に意味があるという人生もあるのだなと知りました。エンターテイメント小説ですが、ここには純文学のテイストが味わえます。
    やはり力のある作家さんならではですね。
    人には語られない人生の中にもたくさんのドラマがあるのですね。きっと。

    最終章はそれまでの話とはトーンも内容もがらりと変わります。しかしここが本当に書きたかったのだろうな、という印象を受けました。
    主人公が傷つき都落ちした故郷で初めて目にした父の足を見たときの涙の描写に、一緒に泣きました。
    何と言うか、著者も還暦を過ぎたのだものなぁと何故か
    しみじみ思いました。

    しかしこの作品のほとんど大部分である元女優の一件、こういう「女が本当に嫌な女」を書かせたら、林さんの筆は冴え冴えとしていますね。
    厚みを感じさせない面白さでした。自分史っぽいシンプルだけれどきれいな色の装丁も好きでした。

  • 百田尚樹『夢を売る男』との併せ読み推奨(後日追記予定

  • ふむ

  • 朝日新聞を購読しているので、紙上で読んでいたのは覚えてるのだが、途中で話を見失ってしまい、そのまま忘れてしまっていたのだが、図書館の本棚で見つけて精読、面白く読めたが‥

    なにか、真理子先生が小説で追及するのは食べ物の描写とそれを咀嚼する描写と性行為の描写とかねがね思っていたのだが、この本は性描写の追及が色濃いなと感じたしだい。成功しているかどうかは読者次第、性交しているかどうかはお話読んでちょ。

  • 順風満帆な人生を送っていても、こういう人生になるんだなぁ。人生って何が起こるかわからない。でも、最期に幸せだったなぁって思いたい。

  • 背表紙にひかれて手に取った一冊。
    林真理子さんの自伝かと思いきや、自費出版会社に勤める中年男性を中心としたフィクション。裏舞台にいる編集者、ゴーストライターや出版依頼者などに焦点が当たり中々面白い。

  • 自分史の自費出版専門の出版社で働く中年男が主人公の物語。林真理子さんの本はいつもそうだが、いつのまにか話にのめり込み、展開が気になって一気に読めてしまう。誰にでも、本にできるほどの人生がある、でも自分はどうだろうかと考えてしまった。。

  • なかなか本が売れない出版社にとって、自分史とかの自費出版の本は確かに売れたり、話題になって映像化されたらすごいことだろうけど。何となく好きになれない登場人物とか、女の怖さとか、男の馬鹿なところを見たような本だった。

  • おお!
    ついに本になるんですね!

    一年間、朝がくるのが楽しみでした。
    朝日新聞にこの小説が連載されていたから。

    加筆修正はされているかもしれませんが
    「とにかく面白かった」
    お薦めです。

  • 自費出版専門の出版社、ユーアズ社。編集者の太田は、さまざまな依頼者と向き合っていく。
    自ら語りたがる、自己主張の強い、癖のある人たち。その醜さに「うわっ」となりながらも、ふしぎとひきこまれる。
    後半の恋愛展開は、残念。太田のキャラが変わってしまった感じ。

  • 自費出版の会社という設定は面白いと思うが。

  • 面白かった。
    出版界やテレビ業界の舞台裏がリアル。
    登場人物も「こういう人、いるよなあ」って思う人ばかり。
    ひとりを除いて、最後はみんな“いいひと”だったので、
    読後感もよい。
    林真理子の作品は読みやすい。

  • 170815*読了

  • 朝日新聞連載小説。
    自費出版専門の出版社の編集者を主人公とした、林真理子らしくない、しごく真面目な雰囲気の小説。

    自費出版の世界がわかった面白かったが、ラストは違う方向に。残念。
    (図書館)

  • 途中から
    あれれ、なんか違う方向に。

  • 久しぶりの林真理子。俗っぽさに引き込まれる。この人の話ってドラマ向き。あえて昼メロにしてほしいな、これ。

  • 面白かった。
    読んでいる内に以前読んだ百田尚樹さんの「夢を売る男」を思いだしましたが、あれよりはソフトで上品、洗練された印象でした。

    この物語の主人公は自費出版の会社に勤める、離婚して現在独身の中年男性。
    物語はいくつかのタイトルによって区切られているが、大まかに言って2つに分かれている。
    その前半、後半で本の印象が違うものとなっている。

    前半では今の出版業界、自費出版業界のこと、そこで働く人や仕事を依頼する人の事が描かれていて、主な話としては人気女流作家の母親が自分の半生を本にして出版する話となる。
    その本の内容、それに対しての女流作家の感情、母親との複雑な関係がかいまみえるという話。

    そして、後半では病気で亡くなった夫の事を本にしたいという元女優の話となっている。
    主人公の勤める出版社に大手出版社から転職してきた男性がいて、その男性の主導により、その顧客の依頼してきた話-亡夫と元女優の闘病記をテレビドラマ化する事となる。
    そして、主人公とその元女優との恋愛模様も描かれている。

    後半からガラッと印象が変わった話になりました。
    それまでの前半の話は自費出版業者の話だけに林真理子さんの本としては地味目の印象で「今までと印象違うな~」と思っていましたが、後半、大手出版社にいた男性が登場人物として出てきた事によって華やかな世界の事も書かれるようになって-。
    やっぱこの作者はこういうのから抜けられないのかな~と感じました。
    とは言え、これまでの作品と比べると「バブル」という言葉はあまり出てこなかったし、あの頃は良かった的な話も少なかったのは個人的に良かった。

    あと恋愛話が少ないのも良かった。
    後半、主人公と元女優の恋愛部分はとってつけたような感じだし、終わらせ方もやっつけ感を感じました。

    そういうのよりも今の出版業界の厳しさを書かれている前半の方が個人的には面白かった。
    何故本が売れないのかーそれは今誰もが容易に発信者になれるから。
    今、文章を書くという事は一部のプロが書くものではなくなっていて、そういう文章が「受ける」という事もある。
    そして、人は誰しもそういう機会があれば読む側よりも書く側になりたいものなのだ、というのが読んでいて私が思った事です。

全41件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

林真理子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×