「いじめ」をめぐる物語

  • 朝日新聞出版 (2015年9月18日発売)
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  • レビュー :28
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513052

作品紹介

【文学/日本文学小説】「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー。辻村深月『早穂とゆかり』、荻原浩『サークルゲーム』、越谷オサム『20センチ先には』、中島さなえ『メントール』、小田雅久仁『明滅』。すべて各著者の短篇集にも入っていない本書オリジナル作品です。

「いじめ」をめぐる物語の感想・レビュー・書評

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  • 5人の作者の短編。いじめる側、いじめられる側、いじめを周りて見ている側と視点は様々。誰もがどれかの視点に共感するものがあるかもしれない。

  • 荻原浩、小田雅久仁、越谷オサム、辻村深月、中島さなえ、5人による「いじめ」をテーマとした短編小説集です。
    よくあるような、「「いじめられっ子」と「いじめっ子」が最終的に分かり合う」というストーリーのものはなく、現実の世界のように、やるせない結末となる話です。
    実体験として、いじめたことがある人、いじめられたことがある人、いじめを見ていた人、いじめを止めようとした人……何らかのかかわりがある人は多いのではないでしょうか。
    小説の世界では、現実にはなかなか起こりえないような相互理解がなされたり、人間関係の変化が起こったりしますが、そういった「救い」が全くない物語です。
    特に、小学生のころの経験が40歳になっても尾を引く様子を描いた辻村深月の「早穂とゆかり」には恐ろしさを感じました。

    「いじめ」について考えるきっかけにはなりますが、実際に「今」いじめに(それぞれの立場から、ではあっても)悩んでいたり関わっていたりする人には刺激が強いかもしれません。

    世の中の不条理さをひしひしと感じさせる作品でした。

  • 荻原浩「サークルゲーム」
    辻村深月「早穂とゆかり」
    がよかった

  • いじめ、といっても単純な話ばかりではない。ひねりが効いていてなかなかよい。
    加害者、被害者、傍観者、先生などなど
    いろんな立場から描かれるいじめ。どうしてなくならないのだろう、決してなくなるものでないなら、どうやってやり過ごすかそれが大事なのではないかな。

    ただ、テーマがテーマなだけに、後味はあまりよくないが。

  • 荻原浩「サークルゲーム」
    小田雅久仁「明滅」
    越谷オサム「20センチ先には」
    辻村深月「早穂とゆかり」
    中島さなえ「メントール」
    なんせ『「いじめ」をめぐる物語』なので、重苦しいんじゃないかと予想はしてましたが、まあやっぱり重苦しいです。
    そんな中、「サークルゲーム」の矢村先生の「~だから許されると思ったら~」という空気を読まないきっぱりした態度が実にすがすがしい。本来こうした空気を読めない教師、といった役どころは苦手なのですが…ここまできっぱりしてると心地好いなあ。

  • 「フルーツバスケット」
    ー〔サークルゲーム〕龍人

  • いじめにまつわる5人の作家の短編集。
    いじめの話なので、どれも読後感はあまりよくないが、荻原浩のサークルゲームはちょっとすっきりしたかな。

  • 「いじめ」をテーマにした5名の作家が書いた短編を収めたアンソロジー

    ●荻原浩………「サークルゲーム」
     中学二年生を担任する矢村琥代。
     彼女のクラスではいじめが起きているようなのだがー。
    ●辻村深月……「早穂とゆかり」
     早穂は、地方誌のライターをしている。
     塾経営者として成功した小学校の同級生だったゆかりを取材することになりー。
    ●小田雅久仁…「明滅」
    ●越谷オサム…「20センチ先には」
    ●中島さなえ……「メントール」


    学校で、職場でネット空間で、いじめを解決しようとする先生の立場だったり、
    少年時代いじめられてた親友を救えなかった男性だったり、過去の事だったり、
    書き手が違っているから、当たり前だけど全く視点もイメージも違う、
    この世の中に蔓延する空気を切り取った5つの短編。

    やっぱり、辻村さんの「早穂とゆかり」が一番良かった。
    いじめた側の早穂といじめられた側のゆかり。
    早穂の傲慢なまでの思い出の変換なのか…?
    いじめていたのに、無自覚だったのか…?
    ゆかりが、とっても冷静に冷酷に相手を叩き潰していた…。
    いじめる側は、それ程深刻に思っていない様な事でも、
    いじめられる側にとっては、どれ程苦しくて辛いものかということが、
    これでもかって、伝わって来た。

    テーマが「いじめ」なので、内容が重く、
    様々な場面や立場から考える機会を与えてくれた作品でした。
    アンソロジーを初めて読みましたが、それぞれの作品に
    それぞれの個性があり、読み応えがありました。

    いじめって決して子供の世界だけの話じゃない!
    大人の世界にもしっかりある。
    誰かが嫌がってるであろう事をしていませんか?
    それは、いじめです。

  • 【最終レビュー】

    5名の作家陣の短編集・図書館貸出。

    鳥肌が立ったり

    信じがたいぐらいに、むしろここまで!?と言うぐらい、歪んだ姿が見え隠れするぐらいの

    〈『生々しい「SNSでの誹謗中傷に近いぐらいのやりとり」』〉

    ささやかなことから膨れ上がる『いじめそれぞれの「形」』

    オリジナルストーリーとはいえ、とてつもなくリアリティに近いぐらいの

    [いじめという名の『核心をつくぐらいの「本質的な姿」』]を通して

    〈する側・される側のそれぞれに『抱えている闇』〉を鋭く、それぞれの作家陣が

    [様々な場所でのいじめの光景]

    を土台にしながら描かれていました。

    *特に印象に残った作品

    萩原浩さん:サークルゲーム

    →ネット・SNSでのいじめ

    辻村深月さん:早穂とゆかり

    →いじめられた側の立場をベースに=深月さんが実際、経験された体験談を踏まえながら書かれている印象が強かったです。改めて、された側の『痛みそのもの』を考えさせられました。

    中島さなえさん:メントール

    →女同士の同化の暴走と、渦巻く嫉妬。年月が経った後の、一人一人に対してのインタビューでの回想を通して。某歌劇団が舞台。さなえさん自身も、同地元出身。内容そのものの設定もスンナリしっくり来ました。確かにそういう裏側があってもおかしくはないなと…

    ハッピーエンドでは本当済まされない分

    いじめに対する認識を、常に日頃から持ち合わせないといけないと、つくづく感じられました。

    痛切かもしれない。ただ、懐をしっかりとついていた

    『数々のメッセージ』を通して

    今を取り巻くいじめの姿を物語ってるといってもいいぐらいに…

    後は、Myリンク・1で、ピックアップし記載しました。

    《改めて、いじめは、決して他人事ではないということを…》

  • 読了後スッキリとした気分にならないのはしょうがない。
    いじめってそういうもの。

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