メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション

  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 664
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513106

感想・レビュー・書評

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  • 解説も含め、勢揃いの作品集。越前魔太郎は馴染みがないせいかいまひとつ。中田作品は既読だったけどどちらも好き。宗像君シリーズ読みたい!『トランシーバー』は泣ける。もちろん乙一作もよい。多才だなぁ。

  • 4人の作家さんのアンソロジー本かと思いきや、書いている人は全部同じ。作品のテイストによって名義を変えているそうです(ちなみに、解説の「安達寛高」も同じ人)。
    どういう基準で使い分けているのかはいまいち分からなかったけど、私の印象としては途中まで白乙一、最後の2作品が黒乙一っぽいと思いました。
    まぁ、黒乙一はもっと容赦なくグロいんですけどね。でも、「印刷物」や「人体楽器」の描写はなかなかショッキングでしたよ・・・。

    この中で一番好きだったのは、表題作の『メアリー・スーを殺して』。ラストに希望と可能性を感じるお話は、読後感がいいですよね(真っ白な気分になれる)。
    『山羊座の友人』と『宗像くんと万年筆事件』は学校が舞台なんですが、色々と切なかったです(この年頃の子達にとっては、狭い世界が全てでいっぱいいっぱいなんだな、とか。大人は味方じゃないんだな、と思って)。

  • 何ですか…このすてきアンソロジーは
    この面々たるや

    後程レビュー記載予定

    読了!

    はあどれもこれも面白かった、文句無しです
    この手の本の出し方
    今までにあった?
    だいすき、乙一だいすきです

    一番は宗像くんかなあ
    どうしてるんだろう
    物語が終わりの形でもその後の彼らが
    こんなに気になったり想像するのは乙一の
    書くお話だけだなあ
    余韻が残る、というか

    というかわたしが初めて読んだ乙一の小説は
    10年以上前、ZOOでカザリとヨーコを
    読んでからなんだけれど、こんなにも長く
    乙一独特の雰囲気で流れで構成で、
    また校正でお話を書いて本を出していること、
    多くが映像化されていること、
    凄いことだ思う
    わたしの語彙が残念なせいで全く伝わらないけど


    うーん

    とにかく、10円分は信じる、からの
    「安っ!!」
    は面白かったです、うん

    宗像くんについては、
    乙一っぽさをとても感じたなあ
    中田さん、山城さん、越前さん安達さん
    でもなくて、個人的には乙一
    それも少し前の、乙一

    そしてそして、何と言っても、
    安達さんの一言にもあれこれ
    情報や経緯、意外なことも載ってて
    とても良い内容でした

    まさかここ最近で乙一の新刊2冊も
    読めるなんて思ってもいなくて、とにかく
    とにかく大事に読みました

    レビューの中身が無いようで自分の表現力の
    無さにはほとほと残念なんだけど…

    また読みたい

    何度も書いてるけれど、
    乙一の仮名の使い方、漢字と仮名のバランス
    凄く凄くすきです

  • 乙一、中田永一は読んだことあったけどそれ以外の二人ははじめて。
    うーん、正直、どれも乙一の名前で出してもよかったんじゃないかと思ってしまった……。
    メアリー・スーという概念を知らなかった。わたしは創作活動をしていないけど常に「理想の自分」との比較で苦しんでいて、そいつはメアリー・スーだったんだなと思った。倒しかたは気づいていたけどなかなか行動に移せない。わたしもいつかメアリー・スーに力を貸して!と思えたら素晴らしいと思った。
    でも一番好きなのは山羊座の友人です。これぞ乙一!

  • 書き手の人生の変化は、これほどまで小説に大きな影響を与えるのだと思った。乙一さんは初期からいくつか読んでいる、好きな作家だが、結婚して子供も生まれたと聞いている。それが主人公に大きな変化をもたらしているように思う。もう主人公は以前ほど孤独ではない。そして、自分以外からの助けを得ることができている。4人の作家による短編で、どれもさまざまな仕掛けがちりばめられた作風は共通しており、読んでいて楽しい。でも、共感、という読み方をするには、僕とは世界が違ってしまった。また、おいてかれちゃったな。

  • ほろっとする話もあれば、ゾワゾワ怖い話もあったり、名義それぞれで作風も色々で粒揃いでした。どのお話も余韻が残り、その余韻の味わいも様々。
    最後のお話、「エヴァ・マリー・クロス」を読み終えた後の変な動悸がまだ治らない。。
    お気に入りは、「山羊座の友人」と「宗像くんと万年筆事件」。

  • ストーリーテラーなのは間違いない。初期の乙一はいろんな物語が混然一体となっていた。やがてその物語の傾向によって乙一は分岐していく。分岐した乙一が久しぶりに一堂に会したのがこの本だ。小品ばかりなのが物足りないけれど。ストーリーテラーなのは間違いない。それは揺らぐことがない。でもたぶん、彼の興味は物語を紡ぐことそのものにあって、物語で何かを伝えたいという想いはあまりない。ような気がして仕方なかった。
    という意味でも、テイストとしては山白朝子さんが好きだ。

    いつも弱者が主人公。物語はそこから始まる。

  • 乙一・中田永一・山白朝子・越前魔太郎、解説に安達寛高。

    4人の著者の、うん?
    まあ、分かる人だけニヤリとしようじゃないか。
    家内制手工業…。
    異色なアンソロジーに間違いない。

    中田永一が2本とも好み。表題作「メアリー・スーを殺して」。厨二秒を抱えた人にはぷすぷす刺さるんじゃないかと。同人通った身にはあうあうしましたね。

  • 最初、「乙一」しか目に入らなくて、アンソロジーかと思っていました。しかし、ちゃんと見たら「乙一」「中田永一」「山白朝子」「越前魔太郎」て。しかもご丁寧に解説は「安達寛高」。もう!ばか!すき!
    乙一「愛すべき猿の日記」父の形見のインクの瓶から始まるめくるめくステップアップストーリー。やり出したらえええ、そんなばかな、というほどどこまでも突き進んでいくタイプの主人公ですね。「僕はまだ十八歳だぞ。」がやけにおもしろかった。
    乙一「山羊座の友人」コミックの方を先に読んでいたのだけど、やっぱりおもしろい。コミックスもよく表現されていたけど、原作だと文章のユーモアがぴったりはまってやっぱりいい。妙に爽やかな印象だけどどこかすっきりしない読後感は相変わらず。
    中田永一「宗像くんと万年筆事件」小学校の事件ってなぜこう胸をくすぐるのだろう…。場所が「学校」である以上、痛みも当然備えてはいるのだけれど。夏川さんはちょっとかわいい。しかしこの先生はだめだな。宗像くんシリーズの続きを待ちたい。
    中田永一「メアリー・スーを殺して」わかりすぎて痛む心を痛快に救済してくれるが如き、輝けるストーリー。やり出したらえええ、そんなばかな、というほどどこまでも突き進んでいくタイプの主人公その2。
    山白朝子「トランシーバー」いい話だ。苦笑するしかない子どもの口ぶりがいい感じに微笑ましく、ただの感動話で終わらないようにしてくれている。
    山白朝子「ある印刷物の行方」3DプリンタとSTAP細胞。もっと怖い…現実味のない終わり方をするのかと思っていたけど、思いのほか現実的な結末だった。
    越前魔太郎「エヴァ・マリー・クロス」『魔界探偵 冥王星O』懐かしい…。
    やっぱり「乙一」の話が好きだなあ。次点で「中田永一」。

  • 「愛すべき猿の日記」乙一
    「山羊座の友人」 乙一
    「宗像くんと万年筆事件」中田永一
    「メアリー・スーを殺して」中田永一
    「トランシーバー」山白朝子
    「ある印刷物の行方」山白朝子
    「エヴァ・マリー・クロス」 越前魔太郎

    全七編収録の異色アンソロジー。
    安達寛高が全作解説。

    入荷してきた時に「いっぱいいるように見えて
    収録作家一人…!解説まで自分じゃないの!」と
    笑った覚えが…ファンには嬉しい一冊です。
    私の認識ではミステリー寄りが乙一、
    ホラーが山白朝子、ほのぼのが中田永一
    越前魔太郎という名義は知らなかったのですが
    幻想系ホラーがという感じでしょうか。

    どうしてこんなに別名義で出すの!と
    思っていたのですが、こうして作家別として読むと
    本当にしっかり作者名で書き分けてるんだなぁと
    楽しかったです。根底に流れる雰囲気は共通
    していますがこういう風に作風を変えられるのって
    すごいですよね…

    「愛すべき猿の日記」(乙一)
    ある意味での進化の過程を淡々と書いた
    変わった展開の物語。
    人はどこまでも堕落できるが進化もできる。
    本が、文章が、物語が進化のきっかけであるなら
    読書って本当に素晴らしいですよね。

    「山羊座の友人」 (乙一)
    コミカライズを先に読んでいたのですが
    最初に原作の、この小説を読んで
    驚きたかったなぁと…
    ただ、コミックも本当に雰囲気、絵柄ともに
    素敵でした。

    「宗像くんと万年筆事件」(中田永一)
    ボーイミーツガール、ミステリー風味。
    ご自身も解説で書いてましたが
    中田永一名義なのにミステリ色濃いめ。

    「メアリー・スーを殺して」(中田永一)
    創作する人なら誰もが経験する
    「メアリー・スー」との遭遇、そして戦い。
    綺麗にお別れした人も、まだ一緒にいる人も
    読んでみて欲しい物語。

    「トランシーバー」(山白朝子)
    東日本大震災で妻と息子を亡くした男。
    息子の遺したおもちゃのトランシーバーから
    酩酊すると声が聞こえてくる。
    Calling Youを思い出す切ない話。
    亡くした大切な人が津波に巻き込まれ
    見つからないまま行方不明だと
    「もしかしたら」と思ってしまうのだろうな…と
    思うと胸が痛みます。

    「ある印刷物の行方」(山白朝子)
    3Dプリンターで創り出される「印刷物」。
    文明の進化と倫理の境界線の恐ろしさ、
    そして狂気は紙一重なのかなぁ、と。

    「エヴァ・マリー・クロス」 (越前魔太郎)
    一番ホラー感の強い、ダークな幻想ホラー。
    人の体の一部を使った人体楽器などが
    出てくるので怖くて震えました…

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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