信長の肖像

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513366

作品紹介・あらすじ

雪舟流の絵師・小次郎の眼を通して、信長、お市、信玄、家康らの姿を活写する。従来の信長像を一新する画期的な戦国絵巻。漫画『内閣総理大臣織田信長』の作者、時代小説デビュー!第7回朝日時代小説大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 絵師の目線で見た戦国大名や時代の移り変わりを描いていて興味深く読めました。最近、この安土桃山時代あたりの小説を何冊か読んでいたので、同じ事柄も切り口が代わって面白かった。二条城で見た狩野派の襖絵を思い出しました。

  • 本人の姿がありありと感じられる、雪舟流〈似せ絵〉。
    そのリアリティに魅せられた、絵師・狩野小次郎を通して、戦国時代を描く。
    面白かった。
    しゃもじのように平坦な当時のスタンダードとは異なり、立体的で、ほんもののような〈似せ絵〉。
    異端かもしれないけれど、そのリアリティが、人となりを映し出し、人の心を揺り動かす。
    織田信長とのからみ、絵師・狩野永徳との対比も、うまかった。

  • 志野先生の作品は正直初めてです。どんなものがあるのかと検索してみると表記は漫画家!えっ~恐ろしさを感じた。切り口に展開申し分にない!最近の有名どころばかりを書いて出版を繰り返している作家さんなど足元にも及ばない面白さ。

    「信長の肖像」

    戦国時代にこういう生き方もいいものだとつくづく感じさせられた。加賀の守護代の富樫家の末子に生まれた小次郎は気が付くと狩野一門の絵師に!自分の素性も何も知らずに信長をはじめ多くの武将に愛され好きな絵に打ち込む主人公。

    志野先生の今後の作品は本当に楽しみになりました。漫画は二の次でお願いしたいものです。

  • 言うほど斬新な視点ではなかった。
    写実的な肖像画を気に入られて、信長と何度か接点があった。「冷酷な現実主義者にも意外な一面がありました」と言いたいのかもしれないが、淡々と物語られるだけなのでそれほど印象にも残らなかった。
    信玄の肖像を柔和に描いてから家康が油断した、というのも穿ち過ぎ。そこまで肖像画が影響したとは思えない。
    主人公を現代にも通じる絵師と持ち上げることで、歴史上の人物の影が薄くなっている。本能寺の変や秀吉が非常に駆け足。
    物語後半で信長の娘が「信長の肖像」を振り返っていることだけがタイトルになっている。

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