母乳がいいって絶対ですか?

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 117
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513403

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】世のママたちは、24時間ブラック企業にいるようなもの!? 「母乳じゃなきゃダメ」をはじめとする育児の常識、電車やレストランでの子どもへの冷たい視線。ママたちが幸せになるために考えたい、子育て界の諸問題を、するどく考えるエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 奥さんが著者の講演会を聞きに行って、買ってきた本である。育児している母親からの目線で書かれており、男の私でも、そういった理由であれば、納得できると感じている。
    思ったことは、箸の持ち方の話の中にあるイラストで、結婚した男の人が、奥さんに暴言吐いてる絵があった。すごく衝撃を受けた。
    トトロが気持ち悪いとあった。理解できた。同じ著者の「男しかいけない場所に女が行ってきました」を読んだからわかったのだと思う。
    母親。性。男女。考えさせられる本であった。人生大変だなと思う。みんないろいろな苦しみを持っているのだなと実感する。苦しいときは、結局、自分一人で苦しんでいる。孤独である。母親が助けてくれる人もいれば、そうでない人もいる。やりきれない世界で気が重くなる。気分が落ち込みそうになる。でも、性の問題をどのように解決するかで、貧困、暴力、虐待などあらゆる問題の解決の糸口になるのではと思った。風俗、AVで働かざるを得ない環境があることを知り、みんなが理解することで、住み良い社会ができるのではと思った。来るはずのないユートピアを求めているのかもしれない。でも必要悪だから、放置するのは、違うように思う。その場で働かざるを得ない女の人を救う必要があるのではと思った。本の内容と違うかもしれないが、リンクしているように思う。性は、結局、人類最大のテーマなのかなと考えた。
    痴漢する男もそうだが、すべての男に、自分の中の狂暴的な性に向き合う方法が必要ではと思う。AVが救うのだろうか?出演者がリアルの場合は、違うように思う。
    著者の母親に対して思ったのは、男の子であれば違った育てかたをしたのかなと思った。

  • 育児の諸問題について、実体験をもとに著者が人の前ではなかなか言えない本音をずばずば書いてる本。
    でも、半分くらいから育児の話ではなくなって、なんの本だっけこれ?ってなります。愚痴っぽいとこも多々あり。
    最初の半分では、世間の育児や女性に対するイメージ作りへの違和感に切り込んだ考え方が興味深くて面白かったけど、後半がなんだこりゃ。表紙と中身が合ってなくてすごく違和感を感じました。
    「母がしんどい」を読んで衝撃を受けたので読んでみたけど、この本でもやたら母が出てくる。まだ母の呪縛からは逃れられてないってことでしょうか。
    育児よりも母の印象のが強い本でした。

  • 田房さんの本はやっぱりどれを読んでも面白い。

    生きて行く上でどんなに自分を肯定しよう、認めようとしても世間がそれを許してくれないということがある。どんな容姿でも年齢や性別や経歴であっても世間はやはり若く痩せていて美しい女性を賞賛する。
    出産して短期間で体型を戻した人はすごいすごいともてはやされる。電車の広告でも脱毛や痩身エステを見ない日はないし暗にこうであるべきというプレッシャーをかけている。どんな自分でも自信を持とう、自己肯定感を持とうという本はいくらでも売っていてもこんな世の中でそれを貫徹するのは本当に難しい。ダブルスタンダードですよね。田房さんはおばさんになった自分を誇らしいと思っているのにそれを肯定してくれるメディアはほぼない。もっとスタンダードになってほしいのになあ。

    世の中の"当たり前""当然"という価値観は無意識にすりこまれ、疑問も持たずにうけいれてしまいがちだがそこをひとつひとつそんなことはないよ、と解説してくれる田房さんの感性は素晴らしい。多少違和感をもってもそこを読み解いて言語化していく能力はわたしにはないので面白いのと同時に読んでいてスッキリした。

  • 過去の読書メモから転記
    ご本人も色々葛藤しながら、世の中の無言圧力に突っ込みを入れてる感じ。自分のなかの驚く部分とかも書いちゃってるのは勇気がいることだと思う。ただ基本的には自分が思うようにやってよくない?という呟きかな。なかなか興味深く読めた。

  • 2021.1.13

    「母がしんどい」の漫画で知っていた田房永子さん。エッセイを読むのは初めてだったけれど読んでとても良かった。
    女性の妊娠、出産、育児に関する伝統的儀礼のようなおかしなアレコレに対する疑問にうなずくこと多々。こういうの、読みたかったー!

    子育て支援センターなどで、子供が褒められたりすると謙遜して「でもうちの子暴れん坊だから」とか「でも〇〇だから」って否定しちゃうのあるある。子供が聞いたら絶対悲しいと思うからやめようと思うし否定する意味もない。その場も白けず誰も傷つかない良い返しがないかなぁ…。「ありがとうございます」だけ言えば良いのかな…とっさに否定しちゃうんだよなぁ。息子、ごめん。

    大人になってからわたしも子供と真剣に「となりのトトロ」を見て、メイを探してと泣くサツキの肩をふわっと抱いて頬を赤らめるトトロにめちゃくちゃ違和感を感じてたので、それが文章になってて自分の感情にとてもしっくりきた。
    トトロ、キモい!サツキは男の幻想すぎる!

    最後の章「火野正平と聖人」、火野さんってそんなに懐の深い優しい男だったのか…そしてアンマに抱かれる田房さんのところで目頭が熱くなってしまった。田房さん、願いが叶って良かったねえ。

  • 最高。読んでてスカッとする。思ってること全部書いてある。

    子を産んでから、世間や他人から投げられる “子育てとは、母とは、こうあるべきである” という違和感のある言葉たちひとつひとつに「それおかしいよね」って言ってくれてる。

    おかしいよね、と思いながらも、色々と面倒くさいので結局は模範的な行動してる所もとても共感できた。

  • 痛快!まさに、助産師に一方的な母乳育児推奨を説かれていたところで、このタイトルにびびっと来て一気読み。
    一見、当たり前、通説、世の中のスタンダードと思われている考え方について、それ本当か?それってなぜ?と疑ってみることも重要。

  • ひよこ・たまごクラブの話には気づかなかったけど深く同意。
    自分が無意識なうちに、たまひよによって並列知識・思考をうめこまれていたことに気づき、うわ!本当だ!こわ~とおもった。
    世の中はカチコチの固定概念や評価でいっぱいなんだな。もうすこしゆとりっていうか肩張らなくていいよ~っていう感じと、周りの目やきれいごとだけじゃなくて、本音(リアル)を恐れない世の中になるといいな。
    後半は育児っていうよりかは自身のトラウマっぽい話が多かったけどそれでもおもしろかった。
    この本で気づけてよかった。

  • おもしろくて一気に読んだ。前半は「ママだって人間」と同じ内容のエッセイ版。自分の子育てだけで話が終わると思いきや、後半は「母がしんどい」な内容が入ってきて、自分の子育て中でも母の呪縛から逃れられない感じがでてきて、面白い。こんなに冷静に自分のこと見つめられるのがすごい。あと、他の人の子育て言動にたいしてもすごく鋭い。ほんとう、こんな人とママ友になれたら絶対楽しい。

  • 『母がしんどい』以来ハマっている田房永子さんのエッセイ。面白かったです。育児の本かと思ったらいろんなジャンルのことが書いてあり所々クスクス笑いながら読みました。特にトトロと火野正平さんの項が面白かったです。作者の考え方はひとくせあり他者を受け入れるタイプでもないので時に読んでて辛くもありましたが。。最後に書いてあった『私は、育児の中で親としての一番の仕事は、子供に「生きていていいんだよ」という念を送り続けることだけだと日々思っている』という一文に深く共感しました。

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著者プロフィール

1978年東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業後、漫画家デビュー。2001年第3回アックス新人漫画賞佳作受賞。2012年、母との確執による葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を刊行。そのほかの著書に『しんどい母から逃げる!!』(小学館)、『キレる私をやめたい』(竹書房)、『ママだって、人間』『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(共に河出書房新社)、『大黒柱妻の日常』(MDNコーポレーション)などがある。

「2021年 『なぜ親はうるさいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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