おめかしの引力

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.41
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本棚登録 : 636
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022513441

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】初めてのファストファッションに驚嘆し、マノロ・ブラニクで全力疾走、つい手に取ってしまう「豹柄」に大阪人を実感……6年間の流行の変遷と、それでも変わらない嗜好性。インタビューも特典収録して読みどころ満載のファッションエッセイ!

感想・レビュー・書評

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  • この表紙もよく見たら手で驚く。
    川上さんのエッセイは初めて読んだけど、面白い。
    関西の方だったんですね。そりゃ~おしゃれになりますね。
    おしゃれで素敵はお洋服を買われるけど、日頃着るお洋服には悩むってところが好感。

  • もう本当におもしろい! 新聞連載時もとても楽しみにしていたけど、こうやってまとまったのを読むと、あらためてその文章のチカラが感じられて、自分までテンションが上がる。好きだなあ。

    「コンサバティブに用はない」と言い切る未映子姐さんが語る、「おめかし」のあれこれ。「モテ服」とか「年相応」とかのいじましい思惑なんか蹴飛ばして、自分がいいなあと思った服を着る。ハイブランドのバカ高さにパンチを食らったり、確定申告の時期にはあまりの被服費に青ざめたり、お母さんのパートの時給を思ってうなだれたり(こういうところが彼女らしい)しながら、それでも好きな服を買う。コミカルで笑える文章なんだけど、ファッションってなんだろう?って考えさせられる。ほんとにファッションってなんだろう。

    夫の「阿部ちゃん(阿部和重)」は、「サン・ローランばっかり買ってるけど迷いがない」そうだ。作品を買うと思えば値段じゃない、という考え方らしい。一方著者は、やはり服を買うことにどうしても後ろめたさを感じる、と書いていて、それ、わかるなあと思う。だって、服はあるもの、タンスからはみ出るほど。でもなぜか今日着ていく服はない。だから買いに行く。いいなと思ったのを試着して、あら似合ってるかも?と思えたときの高揚感や、お気に入りの服を着ているときの気分の良さって、ちょっと他にないもののように思う。

    でも、「たかが服」なんだよね。「心のなかにちっちゃい宮沢賢治がいるから(笑)。つねに過去の自分と、母親の時給のことを考える」という川上さんの感覚が好きだ。

    とは言うものの、かのプラダが芥川賞授賞式用ドレスの提供を申し出たというエピソードをお持ちの著者のこと、カラーページで紹介されているお洋服はどれもかっこよく、ご自身もフォトジェニックな美貌の持ち主だ。経歴も、その作品世界も一般人とは別物なんだけど、どこか「大阪のお姉ちゃん」的な親しみやすさがあるところが、また魅力的なのだな。

    連載時に読んであまりにおもしろく、よく覚えていたのが「ああ、金剛石よ!」という一文。ある撮影でつけた「ごろりとしたダイヤモンド」に魅了され、700万ほどするそれを、無責任な友人にけしかけられてもう少しで買いそうになった、という話だ。「『こ、ここで買ったらちょっと面白いのかも…』なーんて考えている自分がいるのである。恐ろしすぎるわ」とあって、笑った。この文章、本当に勢いがあっておかしく、ピカイチだ。

    あと、ハリウッドセレブのパーティメイクを真似してみたら結構いけてる気がして、そのまま買い物に行ったら、すれ違う人がみな警戒している気配がする、「?」と思いつつお店の鏡を見たら「そこにいたのはあり得ないほど濃いメイクをして、なんかものすごく強そうな、そう、まんま『デビルマン』な人」だった、というのも想像すると可笑しいです。

  • 目と目の間が短い方が何となく美しいと思われ、アイラインを目頭数ミリはみださせて描いたりしたけれど、言うまでもなく本来の目の位置が変わるわけでは決してない。で、離れていて何が悪いのと誰かにぽつり言われてみると、うまく答えられなかったりする。美に限らず、大概の事は根拠がなく、何となくのその時々の流れで決まることが多い。悩むこと自体がナンセンスということ。

  • オシャレに関する気持ち、すっごく分かる!同世代だからか?実際いつも思ってることがそのまま活字に!

    「ファストファッションに弾かれて」のそこには残念でしたねの心象をそのまま人体の立体にしたものが…明らかに首から下の組み合わせが残念!若い服を着ているのに、や、それゆえか一気に年増す〜!

    若い子の服は似合うとか似合わないとかのレベルじゃなく耐えられないんだよ!ポリエステル100%は鬼門!

    マノロの靴ってヒールで足が痛くならないってどんなんだろう。一回くらいは買ってみたい?

    「愛するシルク」水温25〜30℃、洗剤はシャンプーなどの中性洗剤で少し押し洗い、脱水は少し水が垂れる程度、陰干し。絹は綿の2倍の早さで乾く。藁のようになった絹はスチームアイロン(130〜140)で新品同様になる。

    自分からいい匂いがするという事がどれだけ気持ちを豊かに、高揚させてくれるかということを知っている。

    おめかしをする時に異性の目を気にしたことがない。所謂モテ服。
    自分の物は自分で買うのは当然。男性に期待するのも面倒くさいし、かっこ悪いし自分で買うと達成感あるし…贈られ上手とは無縁。

  • 川上未映子さんはメディアインタビューとかは読んだことがあるけど、保守的な私はなかなか初めての作家さんの本が読めず…初がこちらのエッセイ。おめかしって楽しい。共感できる箇所が多くある。彼女とわたしのおめかしの根底は同じモチベーションかもしれない。けれど出方が違うのがおもしろい。センスの違いかな。乳首見えるのはわたしは恥ずかしいけれど…笑 タイトルが絶妙ですよね、おめかしの魔力でも魅力でもない、引力。逆らえないものってところにぐっときた!表紙素敵と思ったら吉田ユニさんによるものでそこもぐっとくる!

  • こんなところにも震災後の混乱の極みみたいな空気があるとは…

  • 初読

    未映子たんの着道楽っぷり好き。
    同い年だけど、似合うものは全然違うんだよなー。
    19歳の頃の写真は似たような感じなんだけど、
    年齢重ねると違うよね。
    私はポリは(ものによるけど)結構平気。
    未映子たんが好きなフリルにレースにリボンの方が
    ハイブラ地厚シルクでもキツイw
    まぁ餅を15年も食べてない人だしな…(細いよね)

    「おにい系」によるカテゴライズ&ジャンル分けの快感、わかるw
    グレースがまだ可愛かった頃、というのにもああああってなった
    グレース可愛かったんだよねぇ、今は披露宴の二次会ワンピースの店だけど。

    男ウケは気にしたことがない、おめかしは自己満と言いながらも
    「お洒落は自分の為だけのものです (`・ω・´)キリッ 」
    と安易な所に落ち着いてないところが仕上がりのいい人の意見でよろしい。
    他人からの視線を無視なんて出来るわけないもん。

    ・しんどくっても無理していても本人が気分よくいられればそれでいいと思ってる。
    けれど他者の評価がその満足に貢献するのもまた事実。
    おめかしとはその2つのイメージのせめぎあい&見極めで、その均衡が高く保たれたときに「おしゃれな人」というのが成立するんだろうねぇ。

    ・「おしゃれ」と「おめかし」にあえて違いを見つけるとしたら「おしゃれ」ってやっぱり他人の評価が入ってる気がする。
    「あの人、おしゃれやな。」と言われて初めておしゃれになるというか。でも「おめかし」には主体性がある。
    自分にしかわからないおめかしもありますよね。
    略自分がいいと思うものを自分だけで肯定出来るのが「おめかし」だと思います。

    というおしゃれとおめかし論は膝打ち。

    ・だってわたしもミケーレをすごい天才だと思ってる事を
    他の人に知ってほしいという気持ちが絶対にあるもん。
    そうなるとすべては承認欲求と自意識の問題に回収できるのとうんざりするけど、
    でも、なにかを推すというのは、やっぱりそれを推してる自分の事を自分で推してるって事だから。

    も、物凄い金言、金言や…。わかる。
    そしてミケーレのファーストコレクションの衝撃は凄かったよね。わかる……!!

    モテに関しての考察「欲望される事が気持ちいい」
    っていうのもわかるよね〜若い頃にはあった気がする。
    年齢と共に枯れて良かった…本当に…

    阿部和重がエディのサンローランばっかり着てるっていうの、イメージまんまだな。
    お変わりなく。

  • 川上さんのエッセイって装丁が可愛いものばかりですね。
    装丁の引力で手に取りました。

    川上さんの文体はいつも思うのだけど本当に面白い。
    しゃべり言葉のようなのに何と言うか品があって、そして予想もしないところで急に格調高くなります。やぁすごいなぁ、やっぱし筋金入りの物書きだなぁと思いますね。
    気持ちよく読めます。きっとおめかしに興味のない男性でも本読みだったらすいすい読めるのではないでしょうか。
    読ませる力がある文体です。

    内容はね、それはもうタイトルがおめかしですから、ステキで可愛らしくてあらかた可笑しくてニヤニヤしてしまう。
    ところどころ力んでいる?ところでは一緒にグッと力が入ってしまったりなどして臨場感もあります。それにしても「もやは産後ではない!」って!爆笑しました。

    気になる作家さんなのにあんまり小説は手にとってないのです。文体が繊細で心を掴まれ過ぎるのでちょっと怖いのです。でも今後はこわごわ手を出してみようかな、ちょっと。

  • 多分女性向けのおしゃれに関する話題で、おっさんにはまるで役には立たないけどそれでも読んで楽しかった。女として生きることの幸せがうっすらと理解できたような気がする。

  • 一人旅をする新幹線の中で読んでしまった1冊。
    面白かった。
    「真夜中の恋人たち」が良かったので、へえーこのひとファッション詳しいんだ?と思いつつ手に取ったエッセイだったけど、タイトルが「おしゃれ」ではなく「おめかし」なのが絶妙だなと感じた。

    ちょっと値の張るネグリジェがほしくなってしまった。

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著者プロフィール

川上未映子(かわかみ みえこ)
1976年大阪府生まれ。大阪市立工芸高等学校卒業。2002年から数年は歌手活動を行っていた。自身のブログをまとめたエッセイ『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で単行本デビュー。2007年『わたくし率 イン 歯ー、または世界』『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞、2008年『乳と卵』で芥川賞、2009年詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、2010年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞、2013年詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、2016年『マリーの愛の証明』でGRANTA Best of Young Japanese Novelists、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞を受賞。2017年、『早稲田文学増刊 女性号』で責任編集を務める。2019年7月11日に『夏物語』を刊行し、注目を集めている。

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