- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022513748
感想・レビュー・書評
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京都は高倉錦小路の青物問屋「枡屋」の跡取りとして生まれた伊藤若冲は40にして隠居後、趣味で続けていた絵とはいえ、バケモノのような作品を次々とうみだしていく。
彼が生まれた1716年は、尾形光琳が没し、与謝蕪村が生まれた年。
若冲が自身の「釈迦三尊像」と「動植綵絵」を寄進することによって人々に衝撃を巻き起こした舞台、「相国寺」は今も今出川通をちょっと入ったところにある。
境内の承天閣美術館にはいま、若冲の「葡萄小禽図」「月夜芭蕉図」が常設されている。住んでいるところから自転車で十分くらいで行けたので頻繁に観に行ったが何度見ても心が満たされる。
(それで帰りは映画館「出町座」のある枡形商店街を抜けて出町ふたばの豆大福を買って鴨川デルタでついでにお腹も満たした)
若冲といえばこの時代には珍しく写実的で生き生きとした草木虫魚だけれど、不覚にも若冲が野菜や植物をよく画題としたのは家が青物問屋だったからかと本書を読んでいまさら気がついた。
釈迦の入滅を野菜をつかって描いた「過疎涅槃図」なんていうすばらしい絵も京都国立博物館にある。母を弔うために描いたそう。ちなみに釈迦は”大根”。母の魂を大根で鎮めるだなんて、なんて最高なユーモアの持ち主!
本書でも紹介されているけれど、平安神宮の近くの信行寺に、考えただけでぞくぞくしてくるような167枚の天井画がある。もちろん画題はみな植物。ところがなんとこれは非公開。残念すぎる。限定公開とかしないのかな。どうしたら見せてくれるだろう。
あと「象と鯨図屏風」。これも死ぬまでに見たい。写真見てると良すぎて鳥肌が立つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
S図書館
ノートサイズの本
拡大図があってじっくり見ることができる
「郡鶏図」
鶏は実際飼っていたとのこと
「虎図」
虎は模写なのだが、実物を見て描いていたら、色も艶やかで、すごい模様で、するどい目付きの虎だったんじゃないかと楽しく妄想した