漂うままに島に着き

  • 朝日新聞出版 (2016年8月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784022514035

みんなの感想まとめ

新天地での生活をテーマにしたこの作品は、移住のリアルな実態をサバサバとした語り口で描いています。著者は、田舎暮らしの理想と現実のギャップを正直に伝え、単なる地方礼賛ではなく、移住を考える人々にとっての...

感想・レビュー・書評

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  • 「捨てる女」が面白かったので、読んでみた。
    こんな風に思い切って新天地で生活してみたいと思うが、側から見て思うほど、楽しいことばかりではないのだろう。内澤さんは、その辺も踏まえて引っ越されたが、地方に行けば天国!のような単純な地方礼賛はそこに住む人たちにも失礼な気がする。

  • 内澤さんらしく、サバサバと語られる移住の顛末。間違っても「田舎暮らし礼賛」なんてことにはならず、リアルな実態が詳しく綴られているので、実際に田舎で暮らそうかなと思っている人にはとても参考になるのではないか。

    しかしまあ、内澤さんって「都会の人」なんだなあとつくづく思う。自分自身は、地方の片田舎で生まれ育ち、今も都市近郊ではあるけれどやはり紛れもない田舎に住んでいるので、著者のお祖母さんやお母さんの「田舎への憎悪」の方が、どっちかというとよくわかる。

  • とても素敵な本でした。
    著者の内澤さんが、自分の気持ちに真摯に向き合い、リスクも考慮したうえで未知の世界に踏み出して行く様子にワクワクさせられました。
    個人的には田舎に住みたいとは思いませんが、独身中年女性の1人として共感できることは山のようにありました。

  • 読み終わったわけではなく途中で離脱…
    他の作品でも見たけどどこかに自分が美人だという記述がありそこで止まってしまう
    私も次の人生では美人を経験してみたいなぁ(*´ω`*)
    個人的に「捨てる女」が1番読みやすく大好き♪

  • 2021/10/12

  • 内澤さんの本は3冊目か。
    『身体のいいなり』『捨てる女』の時期にもリンクする。
    東京を離れ、小豆島の空き家に移り住み、そこでの生活などをつづった本。
    文章を読んでいるとバイタリティーあふれる感じではないのだけど
    行動している内容はレベルが違うというか。
    夢物語としての田舎住まいではなく、
    考えながらひとつひとつ進んできた過程が、
    移住を考えている人にとってはどれも貴重な情報だろう。
    島専門のコンテナ引越業者のオジサンがカッコよかったなあ。
    「食べ助け」という言葉もはじめて知った。
    作ったものを無駄にしないためにお互いもらいあう。納得。
    不便な中で、丁寧に、自分のくらしを作っていくために、
    こだわりすぎると時間はいくらあっても足りず、
    仕事をする時間がなくなれば現金収入が減り、
    暮らすどころではなくなる。
    その塩梅は人それぞれだけど、
    なんにしてもエネルギーのいる日々だと思う。
    ゆるいつながりの中で、いい距離感をもって、周りとの関係が続いていくなら
    こういう暮らし方も楽しいのだろうなー。

  • 僕が知っているだけでも、世界中の屠畜現場を取材して回り、豚を3匹肥育し出荷し、乳がんを手術し、断捨理して、そして離島に移り住むという状況です。どうもここしばらく(2年位)はストーカーと戦っていたようです。盛り沢山な人生ですね。

    狭い所に住むのが耐えられなくなり、断捨理し、離婚し、引っ越してそれでも満足できずとうとう小豆島へ移住するという本です。小豆島と言えばオリーブ位しか知りませんが、なんとなく明るそうでいい場所なんじゃないかなと。この本読むとそのざっくりとした印象は間違っていないようです。
    有名な島で観光地でもあるし、移住も盛んなので住民が慣れているのが大きい。田舎暮らしで心配なのは兎にも角にも地域住民が温かく受け入れてくれるかですから。村八分になってゴミ捨てられなくなったり道通れなくなったりした話聞きますから、もし自分が移住者になるとしたら戦々恐々です。
    内澤さんもそれを心配していましたが、とてもハートフルに受け入れてくれているし、そもそも移住者が多いのでコミュニティーが既にあるのはとても心強いです。
    内澤さん猟師の免許も取ったようで、どこまで行くんですかと聞いてみたい。車の運転ろくすっぽ出来ないのに猟銃は撃てるとはかっこいいです。
    ちなみに車の運転ろくすっぽというのはどれくらいかというと、どれがアクセルでブレーキか忘れているというレベルです。年取らなくても免許返納レベルです。

  •  9年前から続けてきて、だいぶ最終段階が見えてきた断捨離。断捨離してどうなりたいのか、どうしたいから断捨離するのか、どうして身軽でいたいのか。ぼんやり考えている。
     どこかに根をおろすとか、考えられない。まだどこで生きていくのか決まってない。かと言ってどこに行きたいのかは分からない。ただ漠然と、ここではないどこかへ、今いるとこじゃない環境へ行きたい気持ちが深々と積もっている。岐路に立っているのは間違いないんだけど、自分の前に道はあるんだろうけど、どれひとつ見えていない。うえー息苦しい。
     てなところで年明けに読んだ著者の「捨てる女」。立場も住んでる場所も違うけど、捨てたい、解放されたいという気持ちは同じだった。著者は結局島へ移住したと知り、捨てた女の顛末が知りたくて本書を手に取った。著者が移住された少し後に偶然私も小豆島をひとり旅していた。小豆島が吉方どストライクだとan・anで読んで、普段ならやらないことだけど、3泊4日(はしないとだめ、とan・anが言っていた)、いきなり旅立った。当時は過労で倒れた後の職場復帰後で、以前の自分に戻れなくて前が見えなかった。短い時間だったけど、穏やかな海とゆったりした景色に癒された。でもそのあとも不調は続き、捨て続けて今に至る。
     「近いうちに脱出するという確証なくして生きていくのが、辛い」「それでも前に進みたい。未知の島に身を置いて、未知の自然、未知の人間関係を味わってみたい」。読んでいて刺さった言葉。ずっとこの会社に、この地にいるんだと思うと、つらい。家を建てたり身を固めたりしている人を見て、なぜか自分にはそんな願望がないな、と思う。故郷を持たないからだろうか。どこかへ行きたい。ここで自分の人生(特に職業)終わるの? と思うとピンとこない。たまに無性に息が苦しくなって遠くへ逃げたくなる。新鮮な空気を思い切り吸いたくなる。そんな気分をライブ遠征とかの小旅行で紛らわしては日常に帰る繰り返しもそろそろ終わりにするべきかもしれない。むくむくと、漂いたい願望が湧いてきた。
     あとがきを読んで、その後何やら事件があったと知り、ネットで検索してびっくり。これは次の本も読まねば。女ひとり自由に生きるというのも大変なんだなあ。やれやれ。

  • ううむ、私も島に移住したくなっちゃうなぁ。

  • 変わらず文章は好きだが「世界屠畜紀行」を読んでしまうと、以上のものを望むのは酷なんでしょうね。小豆島に暮らすまでと暮らしの日々がいつもの内澤タッチで描かれています。週刊文春に連載されてますがストーカーとの顛末大変だったんですね。こういう心配のない色々な環境で、変わらず好奇心旺盛な視点での作品楽しみにしています。同い年なので人一倍応援しております。

  • 筆者の行動力は尊敬に値するし、文筆家としての観察眼もユニークです。
    読後感が少ししんどいのは何故だろう。

  • 小豆島への移住の顛末。それまでの家履歴や、移住に向けてあれこれ思案する過程がおもしろい。

    <あとがきより>
    この原稿を書いている2016年6月の時点で、転居を決めた。ヤギ2匹を連れて島を出てゆく。フェリーに乗り込む自分を想像した時に、涙が止まらなくなった。島で出会った人たちと、ずっと一緒にいたいという気持ちが勝った。
    3年前の今頃、航空券の手配をしていた。あの頃に戻れるならば、自分に何を言うだろう。考えてみたけれど、何もない。住んでみなければわからないことばかりなのだから。ダメならそこで考えて、住みやすくなるようぶつかってみるか、尻をからげて出ていくか。その二択しかない。

  •  排外的になる余裕は、たぶん地方にはもう無いのだろうと感じる。受け入れることが、地方を救う手立てとしては、ほぼ唯一の道か。

  • すごく面白いし、憧れるが何か根本的なところで理解できない部分がある。男女の違いか。

  • 非常に読みやすかった。

  • 1967年生まれ、イラストルポライター、内澤旬子さん、乳癌治療の後、本も夫も東京も捨て、香川県小豆島に辿り着いた顛末記です。「漂うままに島に着き」、2016.8発行です。ヤギのカヨとタメ、2頭との暮らしです。バックパッカー経験者ですから五右衛門風呂や汲み取り式トイレはお手の物でしょう(^-^) 東京でなければ手に入らないもの、それは「医療」だそうです。それにしても行動力のある方だと思います!

  • 小豆島への移住話が、いつもの内澤さん的オープンな内容で語られている。けっこう悩まれつつ移住されたようで、でも運転に不安な下りなど、共感。小豆島は女子旅に人気なことで知っており、はやり実際移住者も多い様子。でも出て行く人も多いようで。その辺内澤さんは驚いたようだけど、理解できるなぁ。東京に疑問をもちながらも、旅じゃなくて…と思っている方、まず読んでみたら何かの刺激になるかも。

  • 瀬戸内海だしそこそこ大きな島だしもっと簡単なのかと思ったらけっこう大変そうだった。

  • いつも大変なことにチャレンジする割には冷静に淡々と描き、それでいて面白い本になっているのだから、内澤旬子は大したものだと思う。

    小豆島と言えばまず『二十四の瞳』、あとは『八日目の蝉』を思い出すのだが、そういう小説や映画を見て思いいれがあったというわけではなく、小豆島に移り住むというのが、なんとなく不思議。

    いつも通り面白い本ではあったのだが、(狩猟生活に関しては別の本で書くとあるが)ヤギのカヨちゃんのことなどはもっと知りたかったなあ。
    それから、癌の再発があったとしても、折り合いをつけながら(つまり、もう大手術や、大変な治療は行わず)、死ぬなら死のうという決心は47歳としてはすごいと思うのだが、そのへんの覚悟に至る心情なども書いてあればなあ、とも思った。基本的にクールな(優しくはあるけれど、情に流されるのを警戒する)人なので、そういうことは書きたくないのかもしれないが。

    あと、30、40代の独身女性が、地方を漂流しているというのも、書いてある通りそこそこの人数が(日本中に)いると考えると、日本という国の暗部を見る思いがする。独身で、実家が資産家でもなく、安定した(給与の高い)仕事に就けない女が非正規の仕事をしつつ、地方を転々としているとしたら、それは国としても対応を考えなければならないことだと思う。

    それにしても、台風が来たりする中、家のメンテナンスをしつつ、ヤギを飼い、畑仕事も、狩猟も行い、ご近所づきあいにも参加し、海でカメノテやひじきをとったりするだけでも、かなり忙しいのではないかと思う。その上本を読んだり、書いたり、描いたりするって、いくら家族の世話はないとはいえ、結構たいへんではないかなあ。のんびり、とは言えないと思う。
    できる範囲で農業をやり、のんびりと自然を満喫し、それで食べていければいいけれど、そういう生活は、貯えが相当ない限り無理なんだという現実もよくわかった。移住を考える人の参考にもなる本だと思う。

  • 乳癌を患って(身体のいいなり)、本も原画も夫も捨てて(捨てる女)、狭い東京暮らしに嫌気がさして、スカッと風の通る広い家を目指して小豆島へ渡った著者の、移住までと移住してからのエッセイ。
    しがらみもなにもかも捨て置いて、こんなふうに思いきれたら気持ちいいだろうなと思うけど、そこはやはり普通の会社勤めだとハードルは高いな、と。
    読みながら、西加奈子さんのうつくしい人の舞台も瀬戸内海の離島だったな、と思い出し、再読したくなった。

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著者プロフィール

ルポライター・イラストレーター

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内澤旬子の作品

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