池上彰が聞いてわかった生命のしくみ 東工大で生命科学を学ぶ

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  • 朝日新聞出版 (2016年9月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784022514059

みんなの感想まとめ

生命の仕組みを探る対談形式の作品で、専門用語が出てくる場面もありますが、基礎知識がない方でも理解できる内容に仕上がっています。細胞の定義やDNAとRNAの違いなど、シンプルかつ明確な説明が魅力で、読者...

感想・レビュー・書評

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  • 池上さんと生命科学者の対談形式。途中専門用語でわかり難い箇所もありましたが、全般的には基礎知識のない人でも理解できる内容でした。
    細胞を知ることは人間社会を知ることに繋がっています。

  • 『WHAT IS LIFE?』で生命科学に興味を持ったので、図書館で借りてみた。
    本当は『動的平衡』が読みたかったけど、なかった。

    細胞の定義が「境界」「自己増殖」「代謝」とシンプルに書かれていたのが良かった。
    セントラルドグマは初めて聞いた。DNAとRNAって何が違うのかと思っていたけど、なんとなくわかった。
    コラーゲンのくだりは面白かった。でも、実際にコラーゲン摂取している奥様方には言わないようにしておこう。そこは理屈じゃないだろうから。

    生命の維持は動的にしか維持できない。でも動いた先に何があるか、わかっていない。
    今まで、たくさん進化をしてきたけれど、それは「たまたま生き残った」やつら。結果オーライ。

    同じところから始まって、いろいろなものの一つとして生きている「自分」は、何者で、これからどうしていくのか。
    「つながっている」なんて考え、前の自分にはなかったなぁ。

  • なるほど。そういうことだったのか、オートファジー。

  • 「この世界は、セントラルドグマという統一原理から始まる多様性に溢れた世界である」。
    一般人も興味をそそられるような身近なトピックを織り交ぜながら、生命とは何か、という問いに対し、一つ一つ順を追って、池上彰とその道の第一人者との対談形式でわかりやすく説明されていく。
    項目の順番が絶妙で、一つの説明を聞いて疑問に思ったことが、ぴったり次の章で説明されていき、すらすらと読める。文系読者にもとっつきやすいよう、概念的な理解に焦点をあてられている点もありがたい。
    「ヒトのDNAの95%は無駄な部分だが、その無駄が多様性を生んできた」といった生命のあり方は、現代の企業などの組織論にも使えるという池上彰の考え方には強く同感する。
    何十億年という長い時間をかけて構築されてきたこの自然のシステムに、私たちはもっと多くを学ぶべきである。進化や分子生物学の本を読むごとに、現代社会で生きる私たちにこそ、これら生物学の知識は必要であると思う。

  • 「生きているとはどういうことか」、「死ぬってどういうことか」と言った興味深いテーマがあり、東工大の教授が最先端の知識を交えて生物学のイロハを解説するという内容に惹かれて購入した。

    昔の生物学は博物学のような授業が行われており、暗記科目とされていたが、現代では生物とは何かという根本原理を扱った生命科学が新しく加わっているとのことだ。

    「自分とは何であるか」という問いは、昔から哲学の観点から考えられてきたが、ここ数十年で生物学の観点から考えられるようになってきた。

    細胞レベルで考えた時、
    「生きているとは」
    細胞ひいては生命の共通するである特徴境界・代謝・自己増殖が維持されているとき

    「死ぬとは」
    細胞の代謝ができなくなったとき、境界がなくなったときが細胞の死である。

    しかし、これらは細胞をどう定義するかによって答えが変わってくるので、絶対的な解ではないことには注意が必要だ。

    本書では、遺伝子、DNA、ゲノム、万能細胞、ES細胞といった最近話題の事柄についても、素人に分かりやすく説明されており、勉強になることがたくさんあった。

    それにまつわる倫理的な問題も懸念されている今日では、生物学は社会人として知っておくべき教養だと感じた。

  • 一般ピープルが日ごろ聞けない(気にも留めない)純粋な疑問を、池上さんが素人目線で疑問に思ったことをなんでも聞いてくれるので、分かりやすく科学導入の勉強になる。

  • 生物学をほとんど学んでこなかった学生に向けて生命科学を分かりやすく教えたいという想いから書かれた本。池上さんが聞き手となった対談形式になっており、初学者でも用語などに引っ掛かることなく読み進めることができた。タンパク質のリサイクルのところでは2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんがオートファジーについて解説している。

    第一章「生きているって、どういうことですか」
    第二章「細胞の中では何が起きているのですか」
    第三章「死ぬって、どういうことですか」
    第四章「地球が多様な生命であふれているのはなぜですか」
    特別対談「どうして今、生命科学を学ぶのですか」

  • 進化には多様性が重要。多様性は余裕から生まれる。余裕は無駄が存在する。無駄に見えるものが実は重要な役割をしていること、多々あるのかもしれません。

    タンパク質が細胞を作る
    消化酵素もDNAも。アミノ酸やビタミンは補酵素にすぎない。結局はバランス。バランスの良い食事。

    がん細胞をとっても、DNAのエラーは消えない。神経細胞だけは生まれ変わらない。
    遺伝子組み換え食品が危惧されるのは、それが遺伝子にどんな影響を与えるか不明確だから。


  • 東工大で現代史を教えている池上彰さんが、教授の岩崎博史さん田口英樹さん
    そして栄誉教授の大隅良典さんと、対談形式で生命科学を語るもの。

    すごく難しく思われそうですが、実は面白くてとてもよくわかる内容になっています。
    私は理科が超苦手で、小学生向けや漫画にしたもので学ぼうとしても挫折した人です。
    ところが池上さんの『はじめてのサイエンス』が奇跡的に面白く理解できたので
    この本も読んでみました。

    「なんでよくわかるのかなぁ?」と考えてみたら、
    池上さんは「わかりやすい例え」をだしてくれるんですね。
    いくつか例を書いておきます。

    ●「オスとメスがいるのはなぜですか」
    オスとメスに分かれて多様性を増やしていくという戦略は、
    生命全体の生存には有効である一方で、
    私たち人間は一人ひとり恋愛などで悩み、
    人生が複雑になってしまうわけですね。(池上)

    ●「細胞膜にはどんな特徴があるのですか」
    普通の物質は通さないけれども、
    ブドウ糖だけは中に入れるような穴があります(田口)
    たとえば、人間が密室の中で過ごそうとしているけれども、
    完全な密室では酸素が入ってこないから通気口を作る。
    でも、有害な微粒子が入ってくるのは避けたい。
    新鮮な空気だけを取り組むための特殊な通気口、いわばフィルターのようなものを作った、というところですか(池上)

    ●「DNA、遺伝子、ゲノム、染色体はそれぞれどう違うのですか」
    遺伝子やゲノムは生命の中の情報であり、
    DNAと染色体は物質である、
    さらに、遺伝子をまとめたものがゲノム、DNAの集まったものが染色体ということですね(池上)

    ●「生命がDNAを使うメリットは何ですか」
    まさに情報を運ぶメディアだったということですか(池上)

    ●「DNA鑑定のときにミトコンドリアを調べるのはなぜですか」
    ミトコンドリアも小部屋の一つであり、
    独自のDNAが小部屋の中にあるのですね(池上)

    ●「タンパク質は何種類あるのですか」
    人間のタンパク質2万5000種類がいつも同じ場所ではたらいているのではなく、
    必要なときに必要な場所で、必要な分だけ作られています(田口)
    人間の体をひとつの会社とすると、
    タンパク質はその社員みたいなものですね。
    適材適所に配置されているかのようです(池上)

    ●「タンパク質はレゴブロックが集まったナノマシン?」
    アミノ酸はタンパク質のパーツであり、それを細胞内で都合よく組み合わせていると。
    まるでレゴブロックのようですね。(池上)

    ●「コラーゲンを食べるとお肌がぷるぷるになるのは本当ですか」
    コラーゲンを食べても、レゴブロック一個一個にまで分解されて、
    そのままコラーゲンに再構築されるわけではないのですね。
    お肌のためにコラーゲンを食べよう、と言ってきた女性たちは、
    がっかりするかもしれませんね(池上)

    ●「タンパク質はどのようにして作られているのですか」
    大腸菌も植物も昆虫も人間も、同じ4種類の記号、同じ暗号表を使っていて
    共通の20種類のレゴブロックで体を動かしているということですか。
    よく考えると衝撃的ですね(池上)

    ●「タンパク質はどのようにして紐から立体になるのですか」
    紐が立体的に折りたたまれることで、初めてタンパク質として機能するようになるのです
    紐同士が絡み合う前に正しい形に折りたたまれる必要があります。
    その作業をサポートするのが「シャペロン」というタンパク質です。
    シャペロンというのは、もともとはヨーロッパで、
    社交界にデビューするレディが一人前になるのを助ける年上の貴婦人のことをそう呼んでいました。(田口)
    深窓の令嬢ですね。大事に育ててから社会デビューさせるわけですね(池上)

    ●「リサイクルシステムはどう使い分けされているのですか」
    細胞を一つの会社とするなら、ユビキチン・プロテアソーム系は人員の配置替えを丁寧にやっているのに対して、オートファジーは部署ごと取り壊すようなものですね。会社がつぶれそうなときに、一人ひとりどうしようか考えている暇なんてないだろう、という状況に近いと言えそうです。(池上)

    ●「細胞がいつもリニューアルしているって本当ですか」
    知り合いに10年ぶりで会ったとき、見た目に10年前の面影があっても、
    細胞は完全に生まれ変わっているわけですね。(池上)
    10年どころか、数か月でほぼ一新されるといわれています(田口)

    ●「生命には無駄や多様性が必要ですか」
    ゲノムの無駄なところが、実は多様性を作るのに重要であったわけですね。
    人間の会社の中でも、会社が危機になると、普段は何もしていない人が活躍するということもありますからね(池上)

  • メモ:生物学はバイオロジー、生命科学はライフサイエンス。生物学のほうがより大きな範囲。DNAを主体とした生命観。

  • 生きていると死んでいるの違いは何か?
    細胞の観点からわかりやすく説明がされておりさらさらと読めた。
    DNAは人間に必要なたんぱく質の設計図で、RNAにコピーするときのコピペミスによって多様性が生まれる。1回のDNA複製でだいたい12箇所ミスる。
    人間の細胞は、受精卵やその後しばらく(ES細胞)は手にも足にもなんにでもなれるが、分裂が進むと設計書にカーテンがかかり手なら手の細胞にしかならない。
    iPS細胞はすでに特定の細胞になった状態から、設計書のカーテンをあけて違う細胞になれる。
    高校のとき生物でならったような単語も出てきましたが、こうやってわかりやすく体系的に学ぶことでこんなにも面白い分野だったのかと思いました。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:460||I
    資料ID:95160917

    対談形式で文系の人でもわかるように書かれているので、特に高校で「生物」を履修してなくて、「生物学」や「生化学」などの科目が苦手な学生さんはぜひ一度読んでみて下さい!!
    暗記ばかりで面白くないと思っていた「生物学」に対する認識が変わり、生物学や生命科学に興味が持てるようになりますよ。
    (生体分子分析学研究室 山岸伸行先生推薦)

  • 東工大生命の岩崎、田口先生へ池上さんが聞き手のなって対談本。巻末にはノーベル医学生理学賞受賞の大隅先生とのスペシャル対談もあって得した気分になりました。

    僕の様な生命科学にズブな素人として、池上さんの素朴な疑問を問いかける対談形式な本書はとても読みやすかった。

    - 生命科学とはどんな学問?
    - 生きている、とはどういうこと?
    - ウイルスは生物?
    - オスとメスがいるのはなぜ?
    - 植物と動物はどうちがう?
    - 死ぬとはどういうこと?
    - がん細胞ができるのはなぜ?
    - 地球上に多くの種類の生物がいるのはなぜ?

    というような、
    素朴な疑問を第一線の専門家である先生に聞いている。

    またまた若干専門的な質問まで。

    - DNA、遺伝子、ゲノム、染色体はどうちがう?
    - クローン、ES細胞、IPS細胞とはなに?
    - DNAとタンパク質をつなげる「生命の統一原理」とは?
    - DNAとRNA両方あるのはなぜ?
    - 両親のゲノムから子どもの特徴は予測できる?

    このような疑問まで。

    生命科学の分野の人からしてみると、上澄みの疑問ばかりで物足りないかもしれないが、僕のような素人からしてみたら、ちょうど良い入門編な内容でした。
    これ以上、専門用語などが多く出てくると読破できなかったかも…。
    ノーベル医学生理学賞受賞により、普通のニュースやワイドショーでも生命の話題が当たり前に出てくるようになった昨今、最低限のリテラシとして読み始めるに最適な本だと思った。

    巻末の池上さんのまとめでこう書かれていました。

    ======
    私達の存在は、偶然に偶然を重ねた結果なのだということがよく分かる本になりました。進化はよく「環境に適応して生き延びてきた」という言い方をされます。<略>
    しかし実際はそうではありません。生物は突然変異を繰り返し、たまたま環境の変化に適応できる種が生き残ってきたのです。それはもう偶然としか言いようがありません。「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」を繰り返してきたのです。<中略>
    生命現象を学んでくると、進化には多様性が重要であることがわかります。その多様性は余裕から生まれます。余裕は、無駄が存在するから、無駄があるからこそ、生物は進化してきたのでしょうか
    ======

    偶然に偶然を重ねた結果、僕らがいる奇跡。
    生物化学的にはこうであってもどうしても更に高次元の存在と意図を考えてしまう。そしてワクワクするw

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著者プロフィール

池上 彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京科学大学特命教授を務め、現在5つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』(ちくまプリマー新書)、『お金で世界が見えてくる』、『日本の大課題 子どもの貧困』編者、『世界を動かした名演説』パトリック・ハーラン氏との共著(以上ちくま新書)、『なぜ僕らは働くのか――君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(監修、学研プラス)、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ』(ダイヤモンド社)、『20歳の自分に教えたい経済のきほん』(共著、SB新書)ほか、多数。

「2025年 『池上彰の経済学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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