老乱

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 244
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514318

感想・レビュー・書評

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  • 非常に読みやすい。介護される老人の面からも書いているのが良かった。認知症のこと、サポートのこと、参考になる点が多いのでは。誰もがなりうるし、認知症と接することも多くなるだろう、読んで良かったと思う。家族の一員、恩返し等、発想の転換は、認知症の方に関わらず、いろんな面で言えるし、大切なところですね。久坂部さんはドクターなので、ズバリと書いてくるし、現状が伝わる。硬くなくて文章うまいなあ。

  • 認知症が進行して行く男性が物語テラーの形の異質な介護小説なので興味深く読了しました。多数の人に訪れる認知症だが渦中の語り手が恐れや悩みや悔しさ等を日記に綴ることで抗ったり受容したり確認したりする体裁が取られている。医師であり作家でもある作者の伝えたいことが分かりやすく語られていますね♪ つい過日読んだばかりの「長いお別れ」と併せて凄く理解できる小説でした。そして他人事ではなく誰もが遭遇する可能性の高い終末に思いを至すひとときでした。

  • 素晴らしい本と出会いました。

    認知症患者と、その家族の数年間。
    介護をする家族の苦労は想像を絶するものとは思っていましたが、認知症を患った本人の気持ちというのを考えたことはありませんでした。
    少しずつ出来ないこと、わからなくなることが増える事実に、恐怖や不甲斐ない気持ちを持つ幸造さんを思うと、介護をする側の気持ちは二の次であるべきだと感じました。

    知之雅美夫妻が、幸造さんに対する気持ちを改めてからの終盤は涙が止まりませんでした。

    幸造さんが幸せな人生と思えて本当に良かった。

    私には両親、義両親が4人健在です。
    とても幸せなこと。
    この先いつかこんな日が来るかも知れませんが、その時は今までの感謝の気持ちを忘れることなく、自分に出来ることをしたいと思います。


  • 父親の姿と重なって、怒りながら、泣きながら読んだ。
    介護する側だけでなく、される側の気持ちや受け止め方など、逆視点での見方を知ることで、言葉のかけ方や対応の仕方、予測できない行動に対しての理解など、とても勉強になった。
    幸造さんの日記…認知症が進むにつれて、だんだんできないことが増え、否定的悲観的になるのを、とてもつらい気持ちで読んだ。誰よりも自分の事が分かっていてこんなに傷ついているのかと、周りの対応がこんなにも認知症患者を追いつめているのかと、本当に反省することばかりだ。
    幸せな一生だった…。最後にそう思ってもらえるように、私も父にできる限りのことをしたいと思った。

  • 実際に認知症の祖母を抱える家族としては読んでいてこんなにつらい本はなかった。家族の苦労もさることながら、日記に綴られる認知症患者本人の苦しみや恐怖に精神をえぐられた。少しずつ記憶が欠けて行って、周りのことが自分でできなくなっていって、周りから疎まれるような存在に自分がなってしまう…それはどんなにもどかしく、辛くて悲しいことだろうか。
    ちんぷんかんぷんなおばあちゃんに冷たく接したこともあったのを思い出し、反省した。今後は腹が立つことがあってもこの本を思い出して、優しくしようと思う。この本を読んでよかった。

  • 読み応えのある作品で、一気に読めた。

    優しかった義父が少しずつ少しずつ壊れていく。
    変化を先に気が付いた嫁やそれを受け入れがたい息子の葛藤と共に、壊れていく自分に不安や痛々しいほど頑張ろうと思っている義父。
    「老い」や痴呆症状について学べると共に 患者の葛藤が真実味を帯びて迫ってくる。

    いま 一人で住んでいる母の心の声が聞こえてきそうだ。

    そして 自分自身の老いも始まっていることに気づかされる1冊だと思う。 

    ちょっと辛いけど お勧め。

  • 身につまされる。いずれ、自分もそうなる。どちらの立場にもなる。良い小説。介護する側、される側、これは他のことにも通じる。教師と生徒。経営者と労働者。強いものと弱いもの。すべてにあてはまる小説。
    個人的には安楽死法を待ちたい。

  • 正直とっても怖かった!!
    身近に認知症の人がいないから余計に怖くて、きっといたらこんな感じなんだろうと思った。日記は本当に怖かった。
    まだ私は29歳だけど、きっと今後両親が認知症になればこういう現実が待っていると思った。
    また友人にケアマネの子がいるが、症状については仕事を一生懸命やってきた人ほどなると話してました。
    朝方までかけて一気に読みました。
    是非いろんな人に読んでほしい本です。

  • 認知症を発症した父親と家族を描く、今時のタイムリーな小説。問題点を多数提議しつつ最後は安易なハッピーエンド。後半急速に纏めに入っているのが見え見えで現実感はもひとつ。
    きっと現実はこんなもんじゃない。
    認知症に対応する家族の形は様々だ。
    この小説は一つの理想形として教科書としてはいいかもしれない。

  • メディア予約
    ものすごくよかった!
    レビー小体型認知症の老人の気持ちが、リアルに書いてあり、もちろん筆者の経験ではないだろうけど、説得力がある。
    とんでもないことばかり起こり、最後は
    うまくまとまりすぎかとも思うけど、遠いところの話ではなく、身近に起こりそうで、本当に勉強になった。
    さすが医者だと感じる。
    次回作も、期待してます。

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著者プロフィール

1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院にて外科および麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(幻冬舎)で2003年に作家デビュー。近著に『院長選挙』(幻冬舎)、『カネと共に去りぬ』(新潮社)がある。

「2018年 『祝葬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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