老乱

著者 : 久坂部羊
  • 朝日新聞出版 (2016年11月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514318

老乱の感想・レビュー・書評

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  • 非常に読みやすい。介護される老人の面からも書いているのが良かった。認知症のこと、サポートのこと、参考になる点が多いのでは。誰もがなりうるし、認知症と接することも多くなるだろう、読んで良かったと思う。家族の一員、恩返し等、発想の転換は、認知症の方に関わらず、いろんな面で言えるし、大切なところですね。久坂部さんはドクターなので、ズバリと書いてくるし、現状が伝わる。硬くなくて文章うまいなあ。

  • 認知症を発症した父親と家族を描く、今時のタイムリーな小説。問題点を多数提議しつつ最後は安易なハッピーエンド。後半急速に纏めに入っているのが見え見えで現実感はもひとつ。
    きっと現実はこんなもんじゃない。
    認知症に対応する家族の形は様々だ。
    この小説は一つの理想形として教科書としてはいいかもしれない。

  • メディア予約
    ものすごくよかった!
    レビー小体型認知症の老人の気持ちが、リアルに書いてあり、もちろん筆者の経験ではないだろうけど、説得力がある。
    とんでもないことばかり起こり、最後は
    うまくまとまりすぎかとも思うけど、遠いところの話ではなく、身近に起こりそうで、本当に勉強になった。
    さすが医者だと感じる。
    次回作も、期待してます。

  • 読み応えのある作品で、一気に読めた。

    優しかった義父が少しずつ少しずつ壊れていく。
    変化を先に気が付いた嫁やそれを受け入れがたい息子の葛藤と共に、壊れていく自分に不安や痛々しいほど頑張ろうと思っている義父。
    「老い」や痴呆症状について学べると共に 患者の葛藤が真実味を帯びて迫ってくる。

    いま 一人で住んでいる母の心の声が聞こえてきそうだ。

    そして 自分自身の老いも始まっていることに気づかされる1冊だと思う。 

    ちょっと辛いけど お勧め。

  • 身につまされる。いずれ、自分もそうなる。どちらの立場にもなる。良い小説。介護する側、される側、これは他のことにも通じる。教師と生徒。経営者と労働者。強いものと弱いもの。すべてにあてはまる小説。
    個人的には安楽死法を待ちたい。

  • 介護がうまくいかない最大の原因は、ご家族が認知症を治したいと思うことなんです


    言われたことは忘れていらっしゃるんじゃないでしょうか。認知症の人は具体的な内容は忘れやすいけど、そのときの感情、つまり悔しい思いだけは残っているんです。

    相手に求めたり批判的な気持ちになるのは、自分の都合に執着しているせいです。それでは優しい介護はなかなかできません。相手の都合を受け入れることが大事です。自分を抑えて相手の状況に従う。そうすれば軋轢が少なくなって、穏やかな介護になるでしょう。

    起こってもいないことを考え出すと、不安はどんどん膨らみます。起こったらどうしようと考えるより、怒らないようにする方法を考えましょう

    自分たちが若い頃、おじいちゃんにはずいぶん親切にしてもらったんです。いろいろな面で助けてもらったし、支えにもなってもらいました。だから、今は、その恩返しなんですと

    むしろ、介護でお返しができてありがたいとおっしゃっていました。お舅さんからすれば、いくら重い認知症でも、自分が感謝されていることはわかるでしょう。であれば、今の状態を壊さないようにしたいという本能が働く。お嫁さんを困らせる行動も自ずと減るというわけです

    幻覚は否定してはいけない。

  • 正直とっても怖かった!!
    身近に認知症の人がいないから余計に怖くて、きっといたらこんな感じなんだろうと思った。日記は本当に怖かった。
    まだ私は29歳だけど、きっと今後両親が認知症になればこういう現実が待っていると思った。
    また友人にケアマネの子がいるが、症状については仕事を一生懸命やってきた人ほどなると話してました。
    朝方までかけて一気に読みました。
    是非いろんな人に読んでほしい本です。

  • 年老いた親を持つ人に是非読んでほしい本。介護の大変さを書いた作家さんの作品って多いけど、これは認知症が進行していく老人の心の中も書かれていて、そして介護する人の本音も見えてくる、いい本だった。
    優しくしたくてもヘルパーさんのようにわりきって接することができない現状。ホントに考えさせられる本だった。

  • +++
    在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。
    老い衰える不安をかかえる老人、
    介護の負担でつぶれそうな家族、
    二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?
    現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。

    医師、家族、認知症の本人の
    それぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、
    最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。

    著者は再発したがん患者と万策尽きた医師との深い葛藤をえがいた『悪医』で日本医療小説大賞を受賞している。
    +++

    介護する立場で書かれたものは多く出回っているように思うが、介護される側の胸の裡の苦悩までリアルに描き出したものは珍しい気がする。歳を重ね、少しずつ自身でも老いを感じ始め、覚束なさや不甲斐なさ、情けなさを実感している舅と、別居してはいるが、ときどき舅の様子を見に通う嫁が、その都度感じる異変と先行きの不安、自分たちの生活が脅かされるかもしれないという漠然とした恐怖心、目の当たりにしていない夫の反応に対するもどかしさなどが、とても丁寧に描かれていて、現場をリアルに想像させられる。医療や福祉の現場の実態にも筆は及び、ほんの一端ではあろうが、その頼りなさが浮き彫りにされている。実態は、本作に描かれている以上に心身ともに苦労の多いことと思うが、老いていく者自身の覚悟と、それを支える者たちの覚悟を思い知らされる一冊でもある。

  • 以前、荻原浩氏の「明日の記憶」を読んだ時を髣髴とさせる恐怖に襲われた。
    あちらは若年性アルツハイマーだったが、この小説で扱われているのはガッチリ後期高齢者の認知症。
    日本社会全体が今まさに、異常とも言えるペースで超高齢化へ向かって走り出している最中、そしてこの世に生きるすべての人々にとって我が事になり得るシリアスなテーマが、恐るべきリアルさを伴って読者の全身に突き刺さってくる。
    数秒前に考えていたことが忘却の彼方に去ってしまうことも度々実感し、落ち込む昨今、そんな自分の日常を振り返ってみても、あれ、幸造と一緒じゃないか…、と幾度も背筋が冷える。
    誰しもが直面する可能性がある事態だけに、医師でもある著者が特に本書の後半で著している、認知症の老人への接し方は常に意識しておく必要があるものだと感じる。
    今は元気な私の親に対しての振る舞い、受け答えについても否応なく考えさせられた。
    ストーリーは愚直なまでのド直球で、小説としての技巧は荒いが、介護される側、する側それぞれの心理描写がとても微細で、なぜ著者は当事者の心の内をこれほど具体的に書けるのか? という、あたかも臨死体験を綴った文章を読んでいるのにも似た心境になった。
    本当に様々なヒントが詰まっていると思う。

    人間は、本来の寿命よりも少々長く生き過ぎるようになってしまったのかもしれない。

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