クラウドガール

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  • 朝日新聞出版 (2017年1月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022514448

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】姉妹にしか分かりえない、濃密な共感と狂おしいほどの反感。刹那にリアルを感じる美しい妹・杏と、規律正しく行動する聡明な姉の理有。二人が「共有」する家族をめぐる「秘密」とは? スピード感と才気あふれる筆致がもたらす衝撃のラスト! 初の新聞連載。

みんなの感想まとめ

姉妹の複雑な関係と家族の秘密を描いた物語は、個々の視点の違いが生む分裂や共感を通じて、私たちが抱える重荷を浮き彫りにします。姉の理有と妹の杏は、それぞれ異なる背景や価値観を持ちながらも、互いの存在に影...

感想・レビュー・書評

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  • ー 私たちは巨大なデータベースと共に生きていて、もはやそこから決定的な嘘も、決定的な真実も捉えることができない

    タイトルの「クラウド」はクラウドサービスから。
    嘘も真実もないまぜになったインターネット上の巨大なデータベースというイメージか。

    金原さんが2児の母として姉妹を描きたかったという今作。
    姉妹それぞれの視点は混じり合いつつも少しずつズレていく。
    それぞれの記憶、起こった事象への解釈の違いが分裂を引き起こし、それを乗り越えたり、時につまづいたり。
    背負ったものは重いし、背負い方は姉妹で異なるけど、前向きに進む力強さが漂っていて、救われる。

  • クラウドってデータを置いておく、あのクラウドなのねと物語の終盤で分かった。ある人をどう捉えるか、どの情報を取り入れるかで、生きている世界が全く違うものになる様が描かれていて、自分の見ている世界についてもいろいろと考えてしまった。

  • 金原さん初読み。似てない姉妹の家族を巡る秘密という情報だけで読みはじめた。誰にも親近感を覚えなかったけど、描かれてる人達が生々しく愛しかった。

  • 二時間ほどであっという間に読み終えました。

    自分がすっかり親目線になってしまい、この姉妹が愛を求めてひたすらもがいているように見えて切なかったです。
    そんなに生真面目にならずに楽しく生きてほしいし、奔放すぎず自分を大切に生きてほしいです。

  • きっかけが無ければ、蛇にピアスしか読まなかったかも。
    これは新聞連載だったのかな?
    小説だから描けた世界なのか。
    何かインスピレーションがあったのか。
    私には到底思い描けない世界になんとなく最後はリアルを感じられてしまい、印象に残りました。

  • クラウドガールってそういうことか、ってのが最後にわかる仕組み。
    あんまり見ないし新鮮。ちょっと他のも読んでみるかな。

  • 死んだ小説家の母親を軸にしてストーリーが展開していくのは興味を持ったし読みやすかった。本能的な妹と理性的な姉の2人の会話シーンは特に印象深い。これは母親に呪われた2人の人生の話だ。ミステリーが好きな人ならおすすめする。私は一回読んで満足です。

  • ずっと兄弟・姉妹に憧れてきたと同時に、同性の、特に姉妹という間柄のモデルを身近にいくつか目の当たりにした際の奇妙さが、なるほどこういうことなのかな?と、しかしやっぱり想像でしかない。

    金原ひとみの小説のタイトルはいつもなるべくしてなってる感じだが、正直クラウド(SNS的な飽和した情報とそれを取捨選択ふることと、<「きっと、雨が降ってるから涙が出るんだよ」><曇ってきた。はっとして立ち上がり、破れたカーテンの隙間から窓の外を見る。外は晴れていた。雲が出ていたのは外ではなく自分の中なのだと分かった。>という描写)のガールふたり、というなるほどしっくりだが少し寄りすぎてる感じも否めず。
    金原ひとみの文章が好きなのは、感情、特に負の感情、の説明の仕方が本当にしっくりくるからなんだな、と再確認した。人を好きになることに対する恐怖を感じる仕組みの解体、それと同時に解体してもなお不明瞭な部分があること。それらを16歳の杏、大学生の理有、彼らが扱うことばで語ってくれる。それが痛々しくじくじくと染み込んでくるのが心地よい。

    作中、姉妹どちらも自身の境遇をジェットコースターに例えたり、姉の理有は不思議の国と称していたが、後半にいくにつれてどんどん速度を増して、華麗にはぐらかされて、ぽーんと身を投げ出されて終わった。
    置いてけぼりの部分と、ひとりでに潜り込んで行く部分との乖離を楽しむことこそ、金原ひとみの作品読了の醍醐味として、暫し浸ろうと思う。

  • 自分が見ている世界が、どうやら他の人にはまったく違う様に見えているらしいと気づいたのは
    いつの頃だったか・・・
    世の中に正しいことは一つで
    白いものは白いし黒いものは黒い。
    そんなシンプルな世界は、それと同時に
    あっけなく崩壊してしまった。
    同じものを見たって、ある人は美しいといい
    ある人は残酷だという。
    それはたとえ仲良く育った姉妹であっても同じこと。
    同じ母親に育てられながら、全く違う母の姿を見ていた姉妹は母の死因すら共有できず憎しみと混乱に陥ってしまう。
    だけど、人はどうしたって自分の見たいものだけを見て信じたいものしか信じられないようにできている。
    自分の取捨選択だけを頼りに生きていこうとする姉妹の姿は、逞しさという一点でそっくりだと思った。

  • 作家のユリカはまるで私だった。
    娘たちの笑顔や愛に影響されずそれらが幸せを左右することもない。
    家族に心配されると死にたくなる。
    一緒に生活していても同じものを食べていても、いつもどこか遠くの方を見てて、ちがうものに耳を澄ませている。そういう母親。
    あぁ私の娘もこういう風に育つのかなと思いました。
    真面目で保守的で、母に好かれようとして母のことを真似て母の顔色を伺って母の愛を必死に求める理有は長女。
    奔放で自由で与えられるものだけをひたすら享受するわりに、とても繊細で人間の連続性を信じられない杏は次女。
    どうして今このタイミングでこの小説を読んでしまったのかなぁ。
    願わくば娘たちをきちんと愛したいと思った。さみしい思いをさせたくないと思った。
    それと同時に私もユリカみたいにしか生きられないんだ、って目の前の靄が晴れるように諦めることもできそうな気がした。
    希望のあるラストにはだから本当に救われた。母親がどう死んでも娘たちの人生はまったく別もので、これからもまだまだつづく。
    いつかまた必ず読み返すはず。

  • ふむ

  • タイトルの意味を測りかねたまま読み始めたが、作中でその定義が明示されることはない。ただし、読者に想像の余地を残すような書き方はされている。

    「クラウド」といえば、一般にはインターネットを介してサービスを利用する仕組みを指す。ユーザーはソフトウェアやデータを自ら所有せずとも、サーバー上の機能にアクセスできる。そう考えると、本作における「クラウド」は、現実に対する“バーチャル”の比喩として捉えることができるのではないか。

    物語に登場するのは、刹那的で直感的に行動する妹・杏と、聡明で堅実な姉・理有。この姉妹は、実は小説家であった母親の内面の分身とも言える存在である。彼女たちはいずれも、現実をどこか仮構のものとして受け止めながら生きているように見える。

    そうした感覚を踏まえれば、「クラウドガール」というタイトルも、現実に足場を持たず、どこか宙に浮いたように生きる存在を指しているのかもしれない。

    もっとも、こうした世界観は私にはいささか馴染みにくい。金原ひとみの描く人物や感性は理解できる部分もあるが、どこか自分とは異なる場所にあると感じてしまうのである。

  • 自由な妹としっかり者の姉が仲良くしているように思えるけど、徐々にどちらも人間味が増してくる。
    不仲が互いの本音を引き出している感じ。

  • 作家の母は、姉妹の面倒を放棄、作品を書くだけの生活
    自由奔放な高校生の妹と、正統派の姉との関わり
    其々の恋人との関係➕母の通ってた美容院の店長と妹との不倫
    価値観、世界観が見事に異世界の物語で刺激的

  • 主人公二人の内面の思考や感情が、共感から来るものではないのに、形や色、匂いもそのままに、澱も含めて自分の中にサラサラと入ってくる。その感覚が驚くほど心地よい。読んでいる間、ずっとその感覚に支配されていて、楽しい。こんな文章を書けるなんて、ほんとすごいしか言えない。

  • 姉妹でそれぞれにイライラしている様がいいです。ストーリーと内向的葛藤とのボリュームが丁度いい。
    刺激的なエスニックカレーよのような美味しさ。

  • タバコ吸いたい
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、金原ひとみの『クラウドガール』⁡
    ⁡⁡
    ⁡何度目なんか忘れた禁煙始めました
    ⁡⁡
    ⁡最長は2年半止めてたけど…。⁡
    ⁡⁡
    ⁡意志が硬いんよなわし…。⁡
    ⁡⁡
    自分には頗る優しくて吸っちゃうけど
    ⁡⁡
    ⁡あ〜、呑んだ後はタバコ吸いたくなる。⁡
    ⁡⁡
    2週間吸わんかったら呑んでも、そこまで吸いたく無くなるんじゃけどね。⁡
    ⁡⁡
    ⁡タバコ吸うのを筋トレに変えよかと思ってます。⁡
    ⁡⁡
    ⁡一昨日、ダイソーで見つけたキャンプマット(500円)がヨガマットとしても使えそうで買ったんよ。⁡
    ⁡⁡
    ⁡筋トレアプリもダウンロードして準備バッチリ
    ⁡⁡
    ⁡もう、満足!
    ⁡⁡
    ⁡三日坊主は偉いよね、わしは買って坊主
    ⁡⁡
    ⁡筋トレって気持ちええよね(やってないのに)⁡
    ⁡⁡
    ⁡夏までにはバキバキになってるじゃろな⁡
    ⁡⁡
    ⁡心の折れる音が
    ⁡⁡
    ⁡って事で、クラウドガールは真面目な姉ちゃん理有とフワフワした妹の杏お話。⁡
    ⁡⁡
    妹は高校なのに酒は呑むはタバコは吸うわで、読んでるとタバコ吸いたくなるわな(吸わんかったけど)⁡
    ⁡⁡
    ⁡それぞれの彼氏、それぞれの思う母親。⁡
    ⁡⁡
    ⁡兄弟、姉妹ってなんでこんなに似ないもんじゃろね

    ⁡うちもそうでお兄ちゃん、お姉ちゃんはわしに似てなくて、大人しくて真面目な感じで余り社交性は無いな。⁡
    ⁡⁡
    ⁡わしは人見知りで、口下手で、照れ屋で、エロくて、シャイなあんちくしょうかな
    ⁡⁡
    という事で、姉妹のそれぞれの育っていく環境、親から受ける愛情、面倒を見る姉、甘える妹、一緒に暮らす環境であっても受ける感情、発する思いは一人一人違うからみんな違う。⁡
    ⁡⁡
    ⁡同じ考え、行動が同じな兄弟、姉妹が居ったら、やっぱりちょっと気持ち悪いかな
    ⁡⁡
    ⁡ラストはどちらが正気なのか…
    ⁡⁡
    2022年21冊目

  • ・親を亡くした悲劇の家庭をミステリアスなタッチで描いている。姉妹のキャラクターは際立っていて、あどけなさの演出が巧い。母視点の作品からの脱却という作者の意志が、母親の死という象徴的な出来事から伺えた気がする。

  • 同じものを共有してたと思っていた姉妹二人の関係が、どんどん動いていく。

    母親の死因なんて、認識がずれるはずがないと思えるけど、
    でもたしかに、こうなったら客観的になにが本当のことなのか確かめるすべはない。
    そもそも何が本当のことだったのかなんて確かめる必要もないのかもしれない。

    それぞれの頭の中にある情報が、それぞれにとっての事実ということだけで。
    本当のことからはどんどん離れていく。

    たしかに、そういうことってある。

    理有が母親の最後の作品を読み終わったあとに、もう母親からの新しい情報を得ることはないのだと、これからは自分の頭の中で構築されていく母でしかないのだと、それは本当の母親とはどんどん離れていくのだと、そう思う場面が切ない。

    そのときクラウドガールってそういうことなのかと気づく。
    面白かったです。金原ひとみの作品久しぶりだったけど面白いなー。

  • 読みやすい。
    クラウドガールとゆうタイトルが何か機械的で、思い出をデータとして保存する空っぽな人間を連想させた。

    人となりも思い出も人によって違っていいのだと肯定されている様な、でも違うからこそ他人の事は理解出来ないと言われている様に感じた。

    最後まで読んでもスッキリする事はなかったけど読む側が好きに捉えてもいいのかな?と思う。
    結局金原ひとみの頭の中を私が理解する事も出来ないし。

    月とすっぽんの表現がなんとなく安っぽく感じられた所が前半の印象に残った。昔の作品に多かった過剰な心に刺さるフレーズがなかったのは残念。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。他の著書に『AMEBIC』、『オートフィクション』、『fishy』、『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『デクリネゾン』、『腹を空かせた勇者ども』、『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKA -ヤブノナカ-』など。

「2025年 『マザーアウトロウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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