- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022514448
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】姉妹にしか分かりえない、濃密な共感と狂おしいほどの反感。刹那にリアルを感じる美しい妹・杏と、規律正しく行動する聡明な姉の理有。二人が「共有」する家族をめぐる「秘密」とは? スピード感と才気あふれる筆致がもたらす衝撃のラスト! 初の新聞連載。
感想・レビュー・書評
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金原さん初読み。似てない姉妹の家族を巡る秘密という情報だけで読みはじめた。誰にも親近感を覚えなかったけど、描かれてる人達が生々しく愛しかった。
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きっかけが無ければ、蛇にピアスしか読まなかったかも。
これは新聞連載だったのかな?
小説だから描けた世界なのか。
何かインスピレーションがあったのか。
私には到底思い描けない世界になんとなく最後はリアルを感じられてしまい、印象に残りました。 -
クラウドガールってそういうことか、ってのが最後にわかる仕組み。
あんまり見ないし新鮮。ちょっと他のも読んでみるかな。 -
死んだ小説家の母親を軸にしてストーリーが展開していくのは興味を持ったし読みやすかった。本能的な妹と理性的な姉の2人の会話シーンは特に印象深い。これは母親に呪われた2人の人生の話だ。ミステリーが好きな人ならおすすめする。私は一回読んで満足です。
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自分が見ている世界が、どうやら他の人にはまったく違う様に見えているらしいと気づいたのは
いつの頃だったか・・・
世の中に正しいことは一つで
白いものは白いし黒いものは黒い。
そんなシンプルな世界は、それと同時に
あっけなく崩壊してしまった。
同じものを見たって、ある人は美しいといい
ある人は残酷だという。
それはたとえ仲良く育った姉妹であっても同じこと。
同じ母親に育てられながら、全く違う母の姿を見ていた姉妹は母の死因すら共有できず憎しみと混乱に陥ってしまう。
だけど、人はどうしたって自分の見たいものだけを見て信じたいものしか信じられないようにできている。
自分の取捨選択だけを頼りに生きていこうとする姉妹の姿は、逞しさという一点でそっくりだと思った。 -
作家のユリカはまるで私だった。
娘たちの笑顔や愛に影響されずそれらが幸せを左右することもない。
家族に心配されると死にたくなる。
一緒に生活していても同じものを食べていても、いつもどこか遠くの方を見てて、ちがうものに耳を澄ませている。そういう母親。
あぁ私の娘もこういう風に育つのかなと思いました。
真面目で保守的で、母に好かれようとして母のことを真似て母の顔色を伺って母の愛を必死に求める理有は長女。
奔放で自由で与えられるものだけをひたすら享受するわりに、とても繊細で人間の連続性を信じられない杏は次女。
どうして今このタイミングでこの小説を読んでしまったのかなぁ。
願わくば娘たちをきちんと愛したいと思った。さみしい思いをさせたくないと思った。
それと同時に私もユリカみたいにしか生きられないんだ、って目の前の靄が晴れるように諦めることもできそうな気がした。
希望のあるラストにはだから本当に救われた。母親がどう死んでも娘たちの人生はまったく別もので、これからもまだまだつづく。
いつかまた必ず読み返すはず。 -
タバコ吸いたい
ってな事で、金原ひとみの『クラウドガール』
何度目なんか忘れた禁煙始めました
最長は2年半止めてたけど…。
意志が硬いんよなわし…。
自分には頗る優しくて吸っちゃうけど
あ〜、呑んだ後はタバコ吸いたくなる。
2週間吸わんかったら呑んでも、そこまで吸いたく無くなるんじゃけどね。
タバコ吸うのを筋トレに変えよかと思ってます。
一昨日、ダイソーで見つけたキャンプマット(500円)がヨガマットとしても使えそうで買ったんよ。
筋トレアプリもダウンロードして準備バッチリ
もう、満足!
三日坊主は偉いよね、わしは買って坊主
筋トレって気持ちええよね(やってないのに)
夏までにはバキバキになってるじゃろな
心の折れる音が
って事で、クラウドガールは真面目な姉ちゃん理有とフワフワした妹の杏お話。
妹は高校なのに酒は呑むはタバコは吸うわで、読んでるとタバコ吸いたくなるわな(吸わんかったけど)
それぞれの彼氏、それぞれの思う母親。
兄弟、姉妹ってなんでこんなに似ないもんじゃろね
うちもそうでお兄ちゃん、お姉ちゃんはわしに似てなくて、大人しくて真面目な感じで余り社交性は無いな。
わしは人見知りで、口下手で、照れ屋で、エロくて、シャイなあんちくしょうかな
という事で、姉妹のそれぞれの育っていく環境、親から受ける愛情、面倒を見る姉、甘える妹、一緒に暮らす環境であっても受ける感情、発する思いは一人一人違うからみんな違う。
同じ考え、行動が同じな兄弟、姉妹が居ったら、やっぱりちょっと気持ち悪いかな
ラストはどちらが正気なのか…
2022年21冊目 -
・親を亡くした悲劇の家庭をミステリアスなタッチで描いている。姉妹のキャラクターは際立っていて、あどけなさの演出が巧い。母視点の作品からの脱却という作者の意志が、母親の死という象徴的な出来事から伺えた気がする。