私をくいとめて

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 644
レビュー : 125
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514455

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】黒田みつ子、もうすぐ33歳。男性にも家庭にも縁遠く、一人で生きていくことに、なんの抵抗もないと思っている。ただ時々、迷ってしまうことも。そんな時は、もう一人の自分「A」に脳内で相談をするのだが……。著者初の新聞連載小説。

感想・レビュー・書評

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  • 黒田みつ子。もうすぐ33歳。
    「おひとりさま」を満喫している。
    楽しんでいるというか、誰にも邪魔されない生活が楽ちん。
    一人で生きていくことに、何の抵抗もなさそうにみえますが、
    ただ時々、もう一人の自分「A」に脳内で相談している…。

    脳内にいるもう人の自分と会話してるっていったら、
    ヤバイ!多重人格…って思ってしまいそうですが、
    自分の投げかけた問いに冷静に答えてくれる自分の中の自分の様なイメージです。
    自問自答は誰しもがいつもやってる事だけどみつ子のAは他の人みたいだった。
    Aが男性だと判明した時にはスッゴク驚いた~(笑)
    みつ子とAの会話?がとっても楽しいし、
    うんうん、そうだよねって共感出来るから凄くサラサラと読めました。
    みつ子もそうだけど、登場人物達も身近に居そうな人ばかりで
    親しみも凄く感じました。
    そして、文体…文章もとっても好きです。読み易い!

    それなのに、読後暫くして何故かとっても孤独感が増してしまいました(*T^T)
    だから★3つにしちゃった

  • 綿矢さんの小説はわりと読んできたけどその中で好きな感じの作品でした。
    OLさんの三十代の女性の頭の中にはおしゃべり相手のA
    がいる。
    なんだか上品でよかったです。

  • おひとりさまの心。
    脳内の、自分であって自分ではない誰かと会話すること。
    自分以外の誰かと向き合う難しさ。
    ほんのちょっとしたことですれ違い、どうしたらよいかわからない絶望感。
    わかる。わかりすぎる。
    共感できる小説からは、何かを教えてもらえる。

  • もうすぐ33歳のOLのみつこ、片思い以外恋愛経験もなく、生涯「おひとりさま」を自覚しつつある。
    一人で生きていくことに、抵抗がないようで、でも、もう一人の自分「A」に脳内で相談する日々を送っている。

    「おひとりさま」に慣れようと、一人焼肉行ったり色々挑戦のは面白かったが、ラストは結構意外だった。

    (図書館)

  • 私には私がついている。だから、孤独でもだいじょうぶ。
    孤独だけど、ひとりじゃない。
    だって私がいる。
    その感覚を主人公を通して体感して、とても心強く思えた。
    私ってこんなに私にとって頼りになる存在だったのかと、目から鱗である。

    私をくいとめて、って感覚はとてもわかる。
    どうにかしたいし我ながらどうにかした方がいいのはわかっているが自分ひとりの力ではどうにもできない感じ。
    立ち上がれなくて混乱してしまう感覚。
    でも、Aと主人公のお陰で
    内側の自分に背中を押されながら、自分の背中を押しながら、怖いけど、外を見て、外へ出て、生きていけそうな感じがした。
    きっとだいじょうぶ。

    等身大でかっこわるくて、でもそれを認めてくれる受け止めてくれる、仲間のような、まさにAのような小説だった。
    ありがとう、がんばります。

    ・読みながら年齢に思った以上に囚われている自分に気付く。女の子っぽいこと、情けないこと、共感しても「でもいい歳だし」「そんなこと思っちゃいけない」って自分を縛っていた。何歳なんだからこうでなければいけないのだと。でも、年齢以前に自分という一人の人間であって、何歳の女性◯◯さん、職歴◯◯、という括りが優先されてはいけない。軌道修正したいな。
    ・自分の感性で、周囲の人のことを こういうところが好き、ときちんと感じる主人公に魅力を感じる。恋愛関係となるとまだまだビギナー感があるが、普段は他人の価値観との間に綺麗に線を引いて堂々としていて素敵だ。
    ・飛行機の件はやや冗長でついていけなかったが、Aとの良い思い出にはなった。イタリア旅行の話も必要だったか?と疑問は残るが「世界は広い」と この物語の途中で思い出せることに価値はあるのかも。

  • 小学生の頃初めてこの人の本を読んだけど、綿矢りさも私も大人になったんだ〜という感じ

  • 根本的に必要な物はこの世の中そうはないという下りは良かったな。
    1人に慣れると他人との距離感が掴めなくなる。でもずっと1人はなんか哀しい。どうする?頭の中で考える。
    そんな話。

  • あまりにも自分と重なりすぎたのか、何の発見もなかった…。

  • 生涯「おひとりさま」を自覚しつつある地味なアラサー女性みつ子。
    脳内でいつも会話をし孤独をまぎらわせてくれるのは、もう一人の自分であるA。
    特に恋愛において、消極的なみつ子のお尻をいつもたたいて励ましてアドバイスをくれるかけがえのない存在だ。
    もう一人の存在と会話、なんていうと統合失調症?みたいに思われがちだけど、まぁ実際脳内なら誰しもそういう経験あるかもしれない。
    小説を通してみつ子の成長がひしひしと感じられます。
    良くも悪くもふつうだった。ふつうのハッピーエンド。
    綿矢りさはもうこういう路線でしか書かないのかなぁ。がつんと殴られて心をわしづかみにされて震わされる、かつての綿矢りさのそういう瑞々しい獰猛さが好きだった。

  • 自分の中にいるもう一人の自分が、時に離反し、時におもねってくる。同じ自分なのに違った世界を作っている。おひとりさまの総本山として他人の目も気にせず平然としていたのに少しずつ崩れてくる。いい悪いは別としていつの間にか本当の意味での一人を獲得し、他者を獲得していく。なんでもない純粋に楽しい日常生活がそこにはある。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2001年『インストール』で文藝賞を受賞して作家デビュー。04年『蹴りたい背中』で芥川賞、12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞。ほかの作品に『夢を与える』『勝手にふるえてろ』『ひらいて』『しょうがの味は熱い』『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』などがある。

「2018年 『100万分の1回のねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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