ゼロ・アワー

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.59
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本棚登録 : 136
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514547

作品紹介・あらすじ

タンゴにしか興味がない孤独な殺し屋。
その男に両親と弟を殺され、一人生き残った少女、ヒロミ。
ブエノスアイレスに住む唯一の肉親である日系二世の祖父に引き取られた少女は、家族の復讐を果たすため、人の殺し方とタンゴの踊り方を覚えてゆく。
「あの男を殺して、人生の一部を取り戻す」。それだけが彼女の生きる目的となった。
やがて彼女はと名乗る凄腕の美しい殺し屋に成長する。
アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた血塗られた復讐劇はどこへ向かうのか?

全編にちりばめられたタンゴという音楽とシェイクスピア作品への深いオマージュ、破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。
ピアソラの「タンゴ・ゼロ・アワー」を暗殺者のための音楽として崇める殺し屋ハムレット。
タンゴのステップを踏むように踊りながら殺す、いかれた女殺し屋ロミオ。
東京とブエノスアイレスを舞台に、ロミオとハムレットの壮絶な闘いが幕を開ける――。
読みはじめたら止まらない、圧巻のノンストップ・ジェットコースター小説!
美しく、激しく、そして息苦しいほどの切なさが胸を打つ、傑作ノワール長篇、誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 4.5
    ウーゴ・ディアスの奏でるハーモニカに包まれタンゴを踊る夫婦。その幸福の時を貫く銃弾。
    さらに標的となった二人の幼子。しかし、長女の広海はバレエの合宿で不在の為難を逃れる。
    殺し屋の名はハムレット。
    タンゴをこよなく愛するその男は、一枚のレコードと共に一家の飼い猫・アストルを連れ去る。
    一人残された広海は、絶縁状態にあった祖父・龍三に引き取られアルゼンチンへ。ある時、過去に龍三も凄腕のヒットマンであった事を知り復讐の為にそのスキルを引き継ぐ事を望む。
    やがて復讐の相手が判明するが、愛する家族の殺しを依頼したのは・・・。

    果てしなく続く復讐の連鎖

    ハムレットへの接近の為組織に身を投じ、龍三との約束を破りヒットマンとなった広海は少しずつ・・確実に壊れて行く。

    そしてついにその時が。

    それぞれが胸に掲げる「正義」。

  • 凄腕の殺し屋に家族を殺された少女が、自ら殺し屋になってかたきを討とうと奮闘するのだが・・・全編通じてシェイクスピアとかタンゴがキーになってチョイチョイでてきたり、他と違う感があって、途中まですごく良かったんだけれど・・・後半は都合良すぎ展開で個人的には若干失速・・・。

  • ★★★☆☆

  • シドニー・シェルダン?
    とか思ってしまった。
    おもしろいんだけど、あらすじ読んでるみたい。

  • 中山さんの作品を読んだのはこれで2作目ですが、たぶん作者さんの中では異色の作品なのではないでしょうか?百合要素一切なし、殺し屋ハムレットに父母と弟を殺された少女・広海の復讐譚で、冒頭からスリリングな話が展開して面白かった。『ダンスは優雅に、復讐は残酷に』タンゴとシェイクスピアに彩られているのが、中山流といったところ。復讐の連鎖には虚しさしか感じない。失ったものも多いし、もっと別の人生だって歩めたんじゃないかと思うと復讐に囚われた広海が哀しい。女性刑事の沢渡がもっと絡むかと思ったけど、案外だった。猫のアストルの存在感が半端ない。

  • 音楽とハードボイルドの見事な調和。
    ゼロ・アワーとは、言わずと知れたアストル・ピアソラの”タンゴ:ゼロ・アワー”

    美しく、優雅に殺人は組み合わされ、復讐は果たされる。
    ピアソラの演奏のように加齢に、そして読者は小説の中を一気に駆け抜けていく。

    すべてが終わった後の、ほっとした余韻。
    面白かった。

  • 一気に読了。

    中山可穂さんの作品は初めてで、
    帯を読んだ感じからなんとなく難しそうな内容なのかなと勝手に想像していたのですが、いやはや読みやすかった‼︎

    描き方が色々と丁寧で最後まで飽きずに読めました。

    やはり小説って読んでみないとわかりませんね。

  • "尖沙咀"にカナを振らないハードボイルドにシビレた...というのは冗談にしても、読後にピアソラを買ってしまったくらいなのでしっかり楽しめたことは確か。
    著者のこの系統の作品、もっと読みたい。(そういえば『ケッヘル』も好きだった。)

  • 家族を殺され復讐するために、殺し屋に。好きなパターンだ。 2017.5.25

  • 救いがあるようで、ないようで…
    でも、夢中になって惹き込まれる世界。
    登場人物が魅力的で、感情描写が秀逸。

    殺し屋たちが主役なので残酷な場面も多々あり、ハラハラしましたが続きが気になって一気に読み終えた。
    登場人物の誰に感情移入するかで、読後感というか結末に対して抱く感情が変わってくるなぁと思う。
    (ちなみにわたしは気づいたらハムレット寄りだった)

    ✩読んだきっかけ
    北村浩子さんのFMヨコハマで放送していた番組「books A to Z」で紹介されていたので。
    暗黒小説というジャンル、中山可穂さんという作家さん、初めて知ることが出来ました。

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プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学教育学部英文科卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞を、01年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。その他の作品に『感情教育』『マラケシュ心中』『ケッヘル』『サイゴン・タンゴ・カフェ』『悲歌』『愛の国』など

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