錆びた太陽

  • 朝日新聞出版 (2017年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784022514653

みんなの感想まとめ

独特な設定と豊かな人間味が融合した作品は、SFの枠を超えた深いテーマを描いています。脱原発やロボット社会といった現代的な問題を扱いながらも、登場人物たちの心情に触れることで、読者に親しみやすさを感じさ...

感想・レビュー・書評

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  • 4.4
    面白かった。
    かなり不思議な設定でしたね。
    恩田先生の小説は夜のピクニックといい、他に無い面白い観点で書かれていますが、その割に読みやすく、情景も浮かびやすいと感じます。
    他も色々読んでみたいと思わせる一冊でした。

  • 楽しくにのびのび書いているなっていう感じ。『蜜蜂と遠雷』と違っても、こういうのも好き。コミックを読んでるみたいだけれど、砕け過ぎてない、その加減がいい。ただ、ある程度年をとってる人でないと楽しさは半減かもね。それにロボットとか原発とか未来ありえる世界を書いています。これはこれで良い、うまいように書いてるな〜ってことで満足。

  • SFでミステリー、ホラーにシリアス。卓絶で秀抜な作品。

    ロミオ的なサブカル昭和ネタぷんぷんでついてけるかと心配したけど、杞憂だった。そんくらいしなきゃ押しつぶされる重厚なテーマ。
    エンターテイメントとして昇華できる、彼女はやはり天才。


    「人間を信じ切るには、あまりにも彼らは前科が有りすぎる」

    恐ろしい終末を回避できるのもやっぱり人間だからと信じたい。

  • 脱原発、ロボット、マルピー【ゾンビ】が登場するので、SF小説なのだけど、その反面、ロボット7人の心が多少読み取れたり、徳子の雰囲気と明るさで翻弄されているのが分かるので、人間味を感じたりする。
    時折、昭和を感じさせる言葉が出て来るのも、面白い。

    すべてが単純に奇想天外ってことではなく、脱原発、ロボット社会、日本の未来を案じさせてくれている。

    『錆びた太陽』の太陽は、原発?人間?

    引っ越してすぐに読めた本なので、印象に残りやすい。

    恩田さんの本、久々だった。

  • 小ネタ満載(世代じゃないのが残念)だけど、結構シリアスな展開。

    つくづく圧倒された。
    そのあまりの世界規模での無駄遣いに。

    一度始めてしまったものを止めるということはとても難しい。
    それでも、
    どうしてやめるという選択肢を選ばなかったのか。

    そのとおりだと思う。

    もしそれが出来ていたら、
    どのくらいの人を救えただろうか?
    そう単純なことではないけれど、そう思う。


    このキャンペーンは本当にすごいな。
    本当に政府がやりそうなキャンペーンで笑えないところが、恐ろしい。

  • 表紙の折り返しにピックアップして載っていた
    〈「間に合ってます」〉
    にはクスッとしちゃうけどこんなの序ノ口でしたね

    ロボットなんだろうけど全然ロボットじゃない
    〈ボスは天を仰いだ。〉!!??
    ボスが嘘をついてることもあるし…


    序盤に『北風と太陽』が挙げられてることから、『錆びた太陽』ってもしかして国のこと政府のことを言ってるのかな??と。

    ブラックユーモアたっぷりで風刺的。
    イラストが何とも不気味で不気味で…



    『ネクロポリス』とか『ロミオとロミオは永遠に』の世界観を思い出しがち

  • これは『沈黙の春』第2号となるのだろうか。恩田さんは宮城県出身。2011年以降原発や復興に対して日本の政府や政治家のとってきた態度に疑問を投げかける。作者の社会に対しての眼光が随所に光る物語。我々は東京オリンピックに浮かれてばかりで、被災者や被災地を忘れてしまってはいないか。

  • 爽やかじゃない方の恩田陸ワールド全開。直木賞から読み出した人だと困惑しそう。

    と思ってレビュー読んだら、A面の恩田陸しか許せない人達だらけで見事に地獄図。

  • 舞台は日本のパラレルワールド。原発がテロで破壊され、汚染されきった日本、ゾンビがうろちょろする世界で、ハイクオリティなAIを搭載されたロボットが環境改善に励む。そこにいきなり国税庁の職員がやってきた…という話。

    SFとしては詰め込みすぎな気もしたが、整合性が取れてまとまっていてさすが恩田さん。と思った。が、いつも通り読み終わったら結論を忘れてしまった。すっきり終わらなくてぼやっと終わるが、読んでる間は楽しい。

  • 人間の代わりにロボットが活躍する場も増えてくるのかもしれない。特に、このように人間にとっては過酷な環境の場合など。
    ロボットのはずなのに、なんか感情のようなものが芽生えてくるのね〜。自分に向き合うものには感情を顕にしてもらいたいと願っている、そんな気持ちがそのように思わせるのだろうか? 確かに、目の前の人に反応がないよりは、反発であっても反応されているほうが安心できるものかもしれないね。
    いやー、こんな時代がこないことを願う。

  • なんだかこんな近い未来が来そうで怖い。

  • 恩田さんの作品は好きなものが多いんだが、これはもう全然好みではなかった。
    この本のユーモアも、主要キャラ財護徳子も、全然好きじゃなくて、自分が別人なのかと思うくらい親和性を得られず楽しめずで...。
    徳子がとにかく馴染まず、「こういうタイプが苦手なんだな」などと、本編そっちのけで自分を認識したりしていた。

    恩田さんの本なので、楽しめる人には楽しめると思う。

  •  100年以上前の原発事故で立ち入り禁止区域になっている場所へ、国税庁の若い女性がやってくる。この地域はロボットたちが管理しており、突然の来訪者に戸惑う。

     明らかに福島第一原発の事故をモデルにしているが、原発事故で亡くなった人々の遺体がゾンビとしてよみがえる、という発想はどうなのか。
     ゾンビ以外にも、アシモフのロボット三原則や往年の刑事ドラマ、国税庁の役人気質など、借り物の安物アイデアのオンパレードで、作者らしさが何も感じない。ラストは予想した通りよくわからない終わり方で、久しぶりに手抜き小説を読まされた感じがした。

     やはりこの作者は、巷で流行っているネタを中途半端に取り込んだ作品ではなく、独自の世界観で描く『光の帝国』のようなSFファンタジーか、『夜のピクニック』や『チョコレートコスモス』のように時間的・空間的フレームがきっちり固まっているストーリーの方が向いていると思った。

  • 制限区域内、ヒューマノイド型ロボット、国税庁の一風変わった女性職員。

    核と日本の行方・・・考えたら、ありそうな話がテーマ。
    さすがにゾンビとかはないでしょうけど・・・。

    テーマは重いのに、ロボットと特徴あり過ぎな徳子とのやりとりがおもしろくて、先も気になり、楽しく読めました。

    願わくば、はじめてことは止められないとか、政治家は目先の事しか見てないとか、核の脅威とか、絵空事でありますように。

  • 面白いのか面白くないのか最後までよく分からない本だった。うーん、何か一つに焦点を絞って掘り下げてもらった方が良かったかな?

  • 直木賞受賞後、初の長編。
    原発を狙ったテロで、施設を爆破され、人が住めなくなった地域をロボット達が守ると言う、近未来を描いた作品。
    人工知能を持ったロボット7台が管理する汚染地域に、ある日国税庁の職員と名乗る女性がやってくることから、物語は始まる。
    ロボットのネーミングやら、徳子の口上やら、小ネタがいっぱい!最近は真面目な作品を続けて、読んでいたので、この人、こんな作品も描くんだっけ?と最初はついていけなかった。
    軽いタッチは最後まで続くものの、北朝鮮問題で核が今の日本において、全然関係ないものではないことを考えると、ただの架空の話とは受け止められない部分も…

  • 風刺性の強い世界ではあるけど、エンターテイメントとしてワクワクしながら読めるお話だったと思う。

    本とは別に、恩田陸直筆のメッセージカードが入っていた。
    メッセージ冒頭「ストレイテナーを聞いていたら、この物語の情景が浮かんだ」……恩田陸ストレイテナー聞くんだ?!青春爆走小説なのかな?と思ったらとんでもない、原発事故によって広い範囲で人間が住む事が出来なくなった日本で何十年後、何百年後の再生を目指して処理を進めるヒューマノイドと、人間の物語。

    ロボットと人間の違いや、そんな違う生き物同士の関わり合いはフィクションでも現実でも永遠に議論できるテーマであるけど、このお話は両者の距離感もリアルで「それは違うだろ」みたいな不満は全く感じなかった。

    とか色々言いつつも、全編ワクワクドキドキのエンターテイメントなので軽い気持ちで読んでもブルーにならない!!

  • 近い将来こんな未来が来るのかもしれない。と少しぞっとする。

  • 「直木賞受賞後長編第一作」などと帯ではなく表紙に直に印刷されれば否が応でも期待は膨らむ…しかしこの作品はいったいなんなんだ。
    ゴリさんデンカ、一番星にワイルド7、そして挙げ句の果てにゾンビまで登場、駆け出しの若造がおふざけでやってるならともかく50過ぎの直木賞作家がやることじゃない。
    その軽薄さに嫌気がさしながらとにかくと読み進めるものの内容もまたペラッペラ、錆びているのは太陽じゃなくあなたのペンでしょ!と思ってしまった次第。
    マルチプレイヤーの描くディストピア小説とか評されているようだが私にはさっぱりわかりませんでした


  • 図書館で借りたのだが、予約数の割に早く順番が回ってきて、読んで納得。
    先の展開が全く読めない為、ページをめくる手がとまらない。
    ストレイテナー聴くのか。。引出の多さ。。

    恩田氏と同性代の人ならより楽しめるのだろうな、という小ネタ満載。
    また、3.11を思い出させる。

    合歓の花、というのを検索したが、確かに凄く綺麗な桃源郷にありそうな樹、という印象を受ける。

    とにかく、国税庁の女性もぶっ飛んでいるし、猫も環境もぶっ飛んでいるし、
    同じ顔の7人がシンクロしているシーンなんて是非ともアニメーションで観たい。

    『夜のピクニック』みたいな感じが恩田氏、と思っている人に読ませてみたい。

    • solala06さん
      ああ~~、確かに映像化したら面白そうですよね!
      ちょっとリアルな実写は難しそうな世界観ですので、ぜひアニメ映画化を…(笑)

      なんとな...
      ああ~~、確かに映像化したら面白そうですよね!
      ちょっとリアルな実写は難しそうな世界観ですので、ぜひアニメ映画化を…(笑)

      なんとなくの言い回しももしかしたらトリックがあるのではないか…!!?と、疑って読んでしまいますよね…、分かります…!!
      恩田先生作品によって鍛えられたミステリ反射神経と言いますか、なんと言いますか…笑

      ああ~~~~~~女性口調の効果!!なるほど!!
      先生の書かれる女性の話し方はなんとなく品があるといいますか…、いわゆるイマドキな話し方でない気がしますので…
      結果場の空気が独特になる、と…なるほどですf0314087さん…!

      書籍以外での先生の好みとか、気になりますよね~~!!
      メディア露出多くなったので、先生の特集とかでチラッと映してくれないかしら…ダメですかね…。

      はい、世界観といいますか、一昔前のネタみたいのがちょいちょい挟まってくるのとか…、私はそんなふうに感じましたね。学園モノ?みたいでもあり、『上と外』っぽいところもありながら、でも『ねじの回転』とか『ネバーランド』ぽいとこあり・・・、ううん、ちょっとだけいつもの恩田作品に比べると異色な気もするのですが、やっぱりいつもの恩田先生だな~~みたいな気もするし…。
      すみません、上手く言えませんね…。
      2017/12/09
    • solala06さん
      こちらこそ、せっかくf0314087さんがご感想教えてくださいますのに、マイペースなお返事になってしまっていて申し訳ありません…。

      恩...
      こちらこそ、せっかくf0314087さんがご感想教えてくださいますのに、マイペースなお返事になってしまっていて申し訳ありません…。

      恩田先生の素のしゃべり方が、意外にもあんな感じなのですかね…!!?(興味津々)
      恩田節の知的会話パート、めっっちゃ好きなので…分かります…!!

      本好きとしては、他の人たちの読書遍歴って気になりますよね…笑
      恩田先生があまり積極的には顔出しされないので…、そこがまたミステリアスで素敵なのですが…、小出しでいいので、特集してほしいものですね…!

      そうなんですよね、恩田作品のオチと言いますか、物語を集結させるやり方がいくつかパターンがあるんですよね。
      …完全に恩田作品ファンにしか分からない感覚な気がしますが…笑


      それは文春文庫版の『夏の名残りの薔薇』の表紙ですね!
      "黒地にアップで映った対象物"っていう構図が、似てますよねー!!
      世界観は全然違うのですが、両作品ともどこかずっとほの暗い風景が続いているようなイメージがあるので…少し似ているかもしれませんね。
      それに、文庫版『夏の~~』と『夜の底~~』上下巻、『終わりなき~~』は全て大久保明子さんという装丁家の方がデザインを手掛けているので…意識されたのかもしれません…!!

      単行本版の『夏の~~』は、文藝春秋本格ミステリ・マスターズシリーズとして刊行されたので、シリーズ全てが京極夏彦 with Fisco装丁のおそろいの洋書っぽい雰囲気で、淡い色彩に一輪の花が茎まで映った構図で…どこか色っぽくて、私はこちらも好みです・・・!

      分かります、本の表紙すきなので…ついつい表紙が映るバージョンの本棚でずっと設定してしまっています…!
      2017/12/22
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著者プロフィール

恩田 陸(おんだ・りく):1964年、宮城県出身。小説家。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞、06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。ほかの著書に『spring』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』『夜果つるところ』『夜明けの花園』『珈琲怪談』『酒亭DARKNESS』、エッセイ集『土曜日は灰色の馬』『日曜日は青い蜥蜴』『月曜日は水玉の犬』など多数。

「2025年 『spring another season』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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