荒くれ漁師をたばねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命

  • 朝日新聞出版 (2017年9月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784022514738

みんなの感想まとめ

困難な状況に立ち向かう女性の力強さと、社会を変える可能性を描いた作品です。著者は、漁師たちをまとめるために奮闘するシングルマザーであり、彼女の姿勢は「恩送り」や人を大切にする心を教えてくれます。漁業と...

感想・レビュー・書評

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  • いろいろメディアで取り上げられていたので読んでみました。
    だって信じられません、こんな美しい方が漁師たちをたばねるなんて(笑)

    坪内さんって凄いとしか言いようがありません。
    たまたま女性だっただけ。女性でも男性でも関係ない。
    こんなにも先を見据えて前に突き進み続ける意気込み。
    感心し切りです。
    いろんな人に読んでもらいたい。

  • どこかの記事でちらっと読んで、記憶の片隅に山口あたりの漁業にすごい女性がいる、みたいなイメージだけ持っていたが、Kindleで見かけたので購入して読んだ。

    Kindleのおすすめなどを見ていると、「女性のリーダーシップ」のようなジャンルの扱いであるように見える。実際に、女性で、しかも地元育ちではない著者が萩大島のまき網船団の6次産業化、さらには事業多角化を導いていく様は読んでいて圧巻であり、字面以上に強い言葉で叫んでいるであろう漁師を深く理解しようとしている様子はまさしくリーダーと呼べる姿である。

    水産業という保守的な産業において、最初はインサイダーではなかったからこそ問題を客観的に認識しているように見える。日本の漁業は頭打ちであることは多くの人が認識しているようであるが、実際に改革の手を自主的に打つことは難しい。自分たちのこれまでの習慣を変えるのは誰にとってもしんどい。しかし、何かがきっかけで漁業の外にいる人が漁業に関わったとき、改革が生まれるケースがある。この萩船団丸もそうであるし、私の知っているケースではたとえば石川県の加賀にある金城水産という定置網の会社も近いケースである。

    しかし、20代前半だった女性が荒くれ者の漁師を相手に肝の座った態度で臨めたのはなぜかと考えて読むと、彼女の人生経験が関係していることがわかる。出産後の離婚によってシングルマザーになったことや、悪性リンパ腫の可能性を指摘されて余命宣告をされたこと(実際にはそうではなかったが)。死を覚悟し、守るものを持つ人間は、それより小さなことに恐れなくなるのか。死を意識して生きることの重要性は説かれる事が多いが、なかなか実際にそんな機会がないと意識することは少ない。自分はその機会なく、意識して、人生を充実させられるだろうか、という疑問を考えさせら得る。

    ここまでは、女性のリーダーシップ本としての本書に対する感想である。しかし、もう一方で、日本の水産業の改革にとっても重要な示唆を持っている本だと思う。

    まずは6次産業化の是非である。6次産業化とは、1次産業かである農林水産業が、その後の製品の加工・製造や流通・販売である高次の産業も請け負うことで、1次産業従事者の所得を増やそうとする試みである。(1+2+3次で6次)しかし、日本の漁業には産地市場を中心として仲買ネットワークが存在し、あらゆる魚種の販路を開拓する役割を担ってきた。日本の漁業が多様である理由がここにある。6次産業化はそういった仲買を文字通り中貫きする試みであるため、当然ながら加工業や卸業者の反対に合う。水揚げした魚を直接販売することは漁業者にとっては所得向上となるが、地域社会全体にとっての効果や、社会全体としての効率性に関しては疑問の余地がある、と私は思っている。しかし、漁業者が単純に漁獲を行うわけではなく、それを販売するというビジネスのマインドを持つことは重要であると感じるし、日本の仲買システムが戦後、流通ネットワークが整備されていなかった時代に生まれたものであることを考えると、取ってかわるシステムが生まれてもおかしくないとも思う。問題は、著者のような強烈なリーダーシップを持ちながら、対立するだけでなく地域の和を保つ人間の存在が不可欠であるところだ。そういった意味で、本書の主張する「日本の水産業のモデルケースになる」という点には賛成である。


    日本の水産業の根本的な問題は2点あると思っていて、一つは、日本の経済全体に対する相対的な効率性と、もう一つは資源の管理である。一次産業の技術的な進化は他の製造業やサービス業等に比べて遅いため、当然ながら経済全体が成長すれば相対的に効率がわるくなり、他の産業に競合できる賃金を払うことはできなくなる。これが根本的な地方から都市へ労働力が流れる理由である。一次産業を維持していくには、①補助金を出す ②大規模化して規模の経済を働かせる ③その他のイノベーションを起こす という方法が考えられるが①は現場取られている政策ながら財政的な問題と、③のイノベーションを起こすインセンティブを阻害するため良い政策とは言えない。海外の漁業では②と③が中心になってきているが、特に②は地域の文化や発展と相容れない要素があるため、しばしば論争の的となる。

    その意味で、萩船団丸のケースは③に当てはまるだろう。しかし、前述したようにすでに存在する加工や流通と競合し、最終的には垂直統合が最適解と考えられるならば、ある意味で②の大規模化であると解釈することができる。いずれにせよ漁業という産業の根本的な問題点である他産業に対する相対的な不利さを理解しないと解決にはならない。萩船団丸に期待できるのはこのポイントだと思う。

    一方で、資源管理は一船団だけでは難しい。とくに船団丸がターゲットとするようなサバやアジといった浮魚は行動範囲も広く、多くの地域に渡って漁業者・漁協・船団とシェアされていると考えられる。さらには日本海での操業であることを考えると韓国・中国といった外国ともシェアされている。この点に関しては、水産庁を始めとする政府の役割である。
    あまり資源については本書で触れられていないのが気になったが、「昔より魚が取れなくなった」という記述が度々あり、認識はされているように思う。日本のモデルケースである船団として資源管理の重要性を政府に対して主張していってほしいと思う。

    最後の章で、株式会社を設立し、事業を多角化して鮮魚販売・旅行・環境・コンサルという事業部を立ち上げたとある。漁業に対する就業の問題として、季節性があることと、年によって環境変動や市場の条件によって収入にリスクがあることが挙げられる。持続的な漁業にとっては、副業でこの問題に対処するのではなく、漁業の拡大範囲でこの問題を解決したい。多魚種漁業は一つの方法ではあるが、漁業に関連した事業で漁師を授業員として雇用し、安定した所得を与えるのは非常にイノベーティブなアイデアだと思う。

  • 『町工場の娘』に続き、社会で奮闘する女性の本を読んでみた。シングルマザーながらも、漁師、一次産業の危機、6次化等、難問に立ち向かう。恩返しではなく恩送り、目の前の人を大切にする、といった姿勢、心に留めておきたいですね。それにしても強い人だな、夢へと前に進む人は見ていて、こちらも触発される。

  • ビジョン、行動力、そしてコミュニケーション力などなどとても、大学中退でそれほどビジネス経験もない、ましてや大学は外語大で経営をアカデミックに学んだわけでもない、ただ、日本の水産業と食文化を50年後にも残すというミッションを持った若い女性がやり遂げたつつある事実の記録。本人だけでなく、その相手方の記述もあってひとりよがりの本ではない点も良い。すばらしいし、今後も注目の人物だ。数十年後に日経連の会長をしていても驚かない。

  • 荒くれ漁師をたばねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命。坪内知佳先生の著書。閉鎖的な社会や日本の閉鎖的な組織を変えられるのはド素人なのかも。日本の閉鎖的な社会や閉鎖的な組織を変えられるのはド素人の女性だけなのかも。坪内知佳先生が起こした業界革命はそう思わせるのに十分な内容。坪内知佳先生のような行動力とエネルギーにあふれた女性がたくさん生まれれば日本の閉鎖的な社会や閉鎖的な組織はどんどん変わっていくのかも。

  • 日本の漁業を変えるという使命感からの起業の事例を知ることができる。

  • 素人シングルマザーが、漁業を変える。
    一気読みしてしまった、彼女の情熱と行動力と未来への想いの強さ。
    言い訳している間にやれることやれ!と背中をばーんと押された気分。
    いつか、萩大島のお魚食べたいな。
    力をくれる本でした。

  • なかなかこんな突破力を持ったビジネスマンはいないと思う。全く知識も経験もない業界に飛び込んで、ここまで新しいことをやり抜くと いう、その姿勢はとても勉強になりました。
    自分はこれほどの反対や抵抗があったら、とても自分の意思を貫くことはできないだろうと思うので、本当に凄い人だなと感心しました。
    加えて、日本の漁業が置かれている厳しい現状と構造的な課題についても学ぶことができました。
    著者の会社がますます日本の漁業を復興させてくれることを願っています。

  • ドラマの原作である「ファーストペンギン」と併せて読むと、日本の漁業を取り巻く環境と坪内さんの奮闘ぶりが分かるのではないか。

    関係者の言葉からも、今後の漁業に対する危機感と彼女ならなんとかしてくれるんじゃないかという期待が伝わってきて、胸が熱くなった。

  • 2022秋ドラマ「ファーストペンギン!」のモデルとなった方の著書です。

    所蔵情報:
    品川図書館 661.7/Ts15

  • 起業エピソードだけでなく、日本の漁業における問題点、漁協の既得権益などにも触れられていて読み応えがあるし、心に火をつけられる。

  • 直近アンビリーバボーで放映された坪内さんの本です!漁師相手に難関をどんどん解決していくところに感銘を受けます!

  • 私はいま、頑張ることができているだろうか。
    そう自分に問いかけたくなった作品。
    人間関係に主軸を置いているので読みやすい。

  • 読書会の課題図書として読みました。時系列がバラバラな編集なのは、なんらかの意図があってのことだろうか・・・

  • シングルマザーだった人が、萩大島の船団の漁師を束ねて産直の鮮魚直接販売業を経営するに至った話。主に人間関係に力点をおいて書いていて、経営のことは軽くしか触れていない。サラッと読める。

  • 【まず目の前の人を大切にする】

    「小娘のくせに生意気なんじゃ」、「お前、俺らを潰す気か‼︎」、「もうお前はいらん。出ていけ」。よそから来た一人の女性が毎日のように荒くれ漁師たちと喧嘩している。
    その女性は、萩大島船団丸代表、坪内知佳である。縁あり、小さな島の漁師たちと出会い水産業の現実を目の当たりにする。もともとコンサルタントをしていた彼女に漁師たちが頭を下げて社長になって問題を解決してくれと丸投げされ24歳という若さで代表になる。私は今20歳だが、坪内さんではなく私が萩の漁師たちとこの話をしたら代表にはなっていないだろう。全くの無知な人間に対して丸投げされても不可能である。しかし、坪内さんはむしろやる気に満ち溢れて、指揮をとったのである。その理由としては坪内さんには勝算が見えていたのだ。
    成功の鍵は大6次産業の有効化である。生産だけでなく製造、加工、流通、販売まで全てを行うということだ。新鮮な魚をお客様と連絡を取り合いその日にBoxにして提供するというやり方である。ここまでの間に、代表の考えと漁師たちの考えにすれ違いができ、数え切れないほどの喧嘩をしてお互いの意見を言い合って団結力を増していく。既存の漁業に革命を起こしてしまったのである。
    167ページに「まず、目の前の人を大切にする」という文がある。大切にすれば、お客さんに出す魚を蹴ることなんてしない、子供が食べると思えばその上でタバコなども吸うことはできない。人の気持ちになって考えれば自分が今相手に対して何をやらなければいけないかが明確になる。自分自身も一人では生きていくことはできない。必ず誰かがいて、サポートをしているから今の自分がいる。友達、家族、先生やこれから出会う方々は私にとって非常に大切な人である。まずは目の前の人を大切にして感謝を忘れなければそこに団結力が生まれ、本当に困った時に1番の支えになってもらえる。私はこれから、相手の気持ちを一度自分に置き換えてみて何をすべきなのかを考えて行動できるようにしていく。
    坪内知佳さんの本を読むことで力をもらうことができる。死にものぐるいで集めた顧客リストや、団長との度重なる喧嘩、漁師たちの脱退など耐え切れないほどの困難を乗り越えることができるのは、強い信念を心に持っていたからだと私は感じる。この本を読んで、信念を貫くことの素晴らしさを感じてもらいたい。

  • 漁業の6次産業化に取り組むシングルマザーの奮闘記。日本の漁業を安定した職業として、おいしい魚を消費者に届け喜んでもらうことに命を懸けている若き女性の経験談である。荒くれ漁師との意見衝突は日常茶飯事だが、ぶれることなく自らの夢を共有し、仲間を引き込む力にあふれた立派な経営者となった成長談でもある。

  • 面白い 読みやすく一気読み 読めば必ず元気になる

  • バラエティドラマで著者の坪内さんが取り上げられていて
    週末にいった本屋にこの本があったので即買いしました。

    漁業のことも知らない、島のこともしらない
    シングルマザーが、荒くれの漁師たちとかなりぶつかりながらも
    自分のアイデアや仲間を信じ、
    一次産業の漁業を6次産業に転換し、利益を上げられる組織に変えていく姿は痛快です。
    とっても勇気のもらえる1冊です。

  • 頑張ってないのが恥ずかしくなる内容です。

    人間、その気になって行動しなくては何も変えられないし変わらない。

    自分ももっと頑張ろうという気持ちになりました。


    坪内さんは吉田松陰の言葉をいくつか引用されてましたが、この本を読んで私の心に残ったフレーズをあげておきます。


    ・歩くから棒に当たる。走るから転ぶ。擦りむいていたいのも、骨折するのもそれだけ早く走れている証拠。

    ・至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり。
    誠を尽くして動かなかった者は未だかつていない。

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著者プロフィール

坪内知佳(つぼうち・ちか)

1986年、福井県生まれ。株式会社GHIBLI代表取締役として「船団丸」ブランドを展開する。名古屋外国語大学を中退後、山口県萩市に移住。翻訳事務所を立ち上げ、同時に企業を対象にしたコンサルティング業務を開始。2011年に任意会社「萩大島船団丸」代表に就任。農林水産省から6次産業化の認定を受け、漁獲した魚を直接消費者に届ける自家出荷をスタート。漁業関係者の注目を集める。
2014年に「萩大島船団丸」を株式会社化しGHIBLIを立ち上げ。翌年から事業の全国展開を開始し、各地に「船団丸」ブランドが拡大している。
2016年にはフォーブスが、特筆すべき活躍をしたアジアの30歳未満の30人を紹介する「30 UNDER 30 Asia」に選出。日経ビジネスにおいても、2017年、日本に最も影響を与える「次代を創る100人」に選ばれた。
テレビ番組への出演も多く、2022年10月スタートの日本テレビ系ドラマ『ファーストペンギン!』主人公のモデルでもある。



「2022年 『ファーストペンギン シングルマザーと漁師たちが挑んだ船団丸の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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