星の子

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1838
レビュー : 282
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514745

感想・レビュー・書評

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  • 今村夏子さんだから一筋縄ではいかないぞ、と身構えて読んでもなお驚かされる。
    あからさまにうさんくさい新興宗教にハマった両親、耐えかねて家を出た姉、様々な反応の周囲。
    ヒリヒリする世界を、主人公はただ生きていく。
    宗教団体サイドを単に悪者ともせず、周囲を迫害するだけのやはり悪者ばかりともせず、そのバランスがかえって怖い。
    今後の作品も楽しみだ。

  • ーーー大切な人が信じていることを、わたしは理解できるだろうか。一緒に信じることができるだろうか。ーーー

    帯のこの一文が、この小説をよく表現している

    主人公は小さいころ身体が弱く、父の同僚のすすめで特別な生命力を宿した水の存在を知る。この出会いから、両親は宗教にのめりこみ、それを受け入れられなかった姉の「まーちゃん」は高校で家を出るが、わたし「ちーちゃん」は家を出ることなく、中学三年生になった。

    この話のすごいところは、最後にわかる
    「ちーちゃん」が宗教に対して、親に対して、どう感じているか、それがわかるところで、流れ星をみつけて「アッ」となるちーちゃんみたいに読者も「アッ」となる
    今村夏子おそるべしだ
    3作読んですべてそういう気持ちになってきたけれど、今作は「こちらあみ子」に並ぶ名作だとおもう

    脇を固める布陣もよくて、雄三おじさんの水入れ替え事件や、しんちゃん、南先生、ひろゆき、新村くん、釜本さん、エドワードファーロング、春ちゃん、春ちゃんの彼氏、なべちゃん…

    後半にいくにつれて、泣きそうなきもちになる
    差別や偏見をする大人に対し、子どもはやさしい

    こういうことって、身近にすごくあるんじゃないか
    読んでいる自分自身がなにか試されているような気になってくる

    すごい本を読んでしまった

  • 次女の病気をきっかけに新興宗教にのめりこんでいく両親。
    ありがちなテーマだけど、宗教団体をひとつの小さな社会としてとらえ、その中と学校の中と二重の生活をおくる子供たちの奇妙な自然さと不自然さが淡々と描かれているのが薄気味悪くて今村夏子らしい。

  • 両親を不審者に間違われ、二匹、と数えられたり、と、また細部でざわざわさせられる。
    たまたま奇跡のように感じられたことで、信仰に繋がるというのは、恐ろしいけどリアル。

  • 『あひる』で芥川賞候補になった今村夏子の最新作。
    一見、ほのぼのとしていながら、背後に控える闇は深い。ちょっとホラー的というか、そういう傾向が強い作風だと思う(〝あひる〟の時も似たようなことを書いたような気がするが……)。

  • 2019.09.11読了。
    今年33冊目。

  • 「信じる」とか「ふつう」とか
    考えると難しい

  • 読んでいてとてもざわざわする後味の悪い作品。最後のシーンはどういう意味なのだろうか?色々な捉え方ができるし、人によって解釈も異なってくるのだろう。人間はとても怖く、自分が信じたものは間違いないと思い込み、自分を否定するものを攻撃することはなんて卑しいことなのかと思った。

  • 両親は水の力を信じた。それから宗教を信じた。そしてそれは子どものためだと信じ続けたのだろう。

  • 主人公の病気がきっかけで新興宗教にはまってしまった家族のお話。

    知り合いに教えてもらった水をきっかけに宗教にのめり込む両親。
    当事者でありながら、どこか俯瞰的な視点の主人公ちーちゃん。
    新興宗教=ヤバい人たち、という一般的に言われている「現代日本の感覚」の親戚やちーちゃんの友人。


    日本は宗教を嫌悪する文化があるからかもしれないが、
    人って結局なにかに縋って生きていると思う。

    この家族(とりわけちーちゃんの両親)にとってはそれが宗教だっただけなんではないかな、と思う。



    ラストシーンに関して言えば、まだちゃんと咀嚼できていない。ちゃんと読み込んで、自分なりの解釈を見つけたい。

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著者プロフィール

今村夏子(いまむら なつこ)
1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に第24回三島由紀夫賞受賞。2016年、文芸誌『たべるのがおそい』で2年ぶりの作品「あひる」を発表、同作が第155回芥川龍之介賞候補にノミネート。同作を収録した短篇集『あひる』で、第5回河合隼雄物語賞受賞。2017年、「星の子」で第157回芥川龍之介賞候補ノミネート、第39回野間文芸新人賞受賞。 2019年、「むらさきのスカートの女」が第161回芥川龍之介賞を受賞した。

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