- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022514820
作品紹介・あらすじ
非正規ループから抜け出せない就職氷河期世代。3年ごとに職場を転々とする派遣労働者。図書館や保育所で働く非正規公務員。増え続ける非正規シニア。メトロコマース、日本郵便裁判…。放置すれば日本の将来に禍根を残す!!拡大していくばかりの格差社会の先に、果たして未来はあるのか!?「朝日新聞」記事を大幅加筆。
感想・レビュー・書評
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非正規雇用者の実態が知れた。
2017年出版と比較的新しく、データも信ぴょう性に富む。
P32
ロストジェネレーションと呼ばれる、1970年〜1982年頃に社会に出た年代の者は、当時の厳しい経済状況のため、非正規として働くことを余儀なくされた世代だ。
正社員への転換も日本の雇用慣行の壁に阻まれて難しく、非正規雇用のまま年齢を重ねているという。
非正規労働者の割合は
2003年に初めて3割となった後、13年後の2016年には37.5%まで増えた。
労働者数は2,000万人を超えるという。
非正規大国 日本の現状。
働けども年齢のフィルターで正社員への道を阻まれ、非正規労働者としてありつづけなければならない苦しい実態だ。
30〜44歳までをミドル世代というが、非正規労働者を長く続けてきたその年代に共通する事項がある。
正社員としての教育を受けていないため、職場で自分の考えを述べたり、部署でアイデアを検討したりする機会がほとんど無く、コミュニケーション能力に欠ける傾向がある。
また、与えられた仕事をこなす業務が長いため主体性に乏しく、一般的な社会人としてのマナーも持ち合わせていないケースが多いという。
こうした正社員としての経験の乏しさが、正社員になる道を更に狭くしていると。
確かに。
工場での単純労働ではオフィスマナーや正規職員としての教育も受ける機会は少ないと思われる。
他にも、学校や図書館、役所などでの非正規雇用が進み、サービスの低下や正職員との賃金格差が拡大している実態も窺えた。
1度就職に失敗してしまうと、這い上がれるか否かは年齢による差異が大きいのだな。
定年後のパートですら70歳では貢献の見込みがないと見なされ面接で落ちることもあるようだし、年金が少ないのに仕事が出来ないこの矛盾、日本の社会構造はすぐには改善できないだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非正規の話になると、自己責任努力不足と言われる事が多い。1度レールの上から外れてしまうと、誰でも非正規になってしまう可能性がある。現状は正社員でも、誰にでも起こる事なんだろうな
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突然何年も出なかった交通費(ガソリン代)が出るようになった訳が
わかった気がする。
法的に問題なかったことが、これから整備されていくことを切に望む。
長期的視野を持って、改善せざるを得ない。
が、多少の強引さも持ち合わせなければ何も変わることはできない。 -
東2法経図・開架 KW/2017//K
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非正規雇用を巡るルポ記事。
好景気?に目を奪われがちだが、就職氷河期に直面した団塊ジュニア世代の現状については、もう少し政策的配慮が必要ではないだろうかと思った。