- 朝日新聞出版 (2017年8月7日発売)
本棚登録 : 492人
感想 : 81件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022514837
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】目をこらすと今も見える、あなたの隣の幽霊……鬱蒼とした原宿の館に出没する女の子、戦時中活躍したミシン、ぼけたおじいちゃんの繰り返す謎の言葉、廃墟と化した台湾人留学生寮。温かいユーモアに包まれ、涙がこぼれる七つの幽霊連作集。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
人や物に宿る思いを優しく描いた短編集で、幽霊の存在を通じて過去の痛みや愛を伝えています。戦争で傷ついた人々の物語が中心で、怖さよりも切なさや温かさが感じられます。各話には独特の視点があり、例えば「キャ...
感想・レビュー・書評
-
ハロウィンだからとかじゃないけど、たまたま好きな作家の短編集を読み出したら幽霊がテーマでした。
しかも、戦争で傷ついた人たちに焦点を当てている。
幽霊と言っても震えあがるほど怖くない。
しみじみ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゴーストと言っても全然怖くない。思わず涙が溢れることはなかったけど、優しくて切ない7つの不思議な物語でした。
人や物にも思いがあって、それを伝えられる時にきちんと伝えよう、また聞いてあげよう、死んでしまったらもう何もできないのだから。
ゴーストはみんなのまわりにたくさんいる。彼らの事を思い出してあげて欲しいということかなぁ。難しい。
「キャンプ」の話が一番心に残った。マツモト夫人の痛みがひしひしと伝わってくる。辛くて苦しい。
「第一話 原宿の家」結局幽霊か幽霊じゃないのか不思議な話。
「第二話 ミシンの履歴」誇り高いミシンの歴史。
「第三話 きららの紙飛行機」育児放棄されている女の子の前に現れた優しい男の幽霊。
「第四話 亡霊たち」高齢のおじいちゃんに訪ねてくるのは幽霊?最後便箋に書かれていた言葉が哀しい。
「第五話 キャンプ」苦労した人たちが辿り着いたキャンプでは。
「第六話 廃墟」廃墟に惹かれるのはどうしてか。
「第七話 ゴーストライター」ゴーストとは?この物語で伝えたかったのはこれかな。 -
幽霊にまつわる短編集。
幽霊っていうと、落武者みたいなイメージだけど、本書では戦中・戦後の過酷な時代を生きた人の幽霊が多い。
戦争に出兵したおじいちゃんの「僚友」の話。
孫である主人公が、おじいちゃんの戦時の足跡をたどるように文献を読んだりするところ、わかるわぁと思いながら読みました。 -
少し奇妙で、謎のまま終わってしまったお話もあり、個人的にはインパクトが弱く感じ、あまり話に入っていけなかった。
でも、第5話の「キャンプ」は、話が進むに連れて状況が分かってきて、最後の1行はぐっときて、涙がこぼれそうになりました。
そして、最終章以外のすべてのお話に戦争が絡んでいて、作者の社会や政治の動きに無関心な人が多い事に危惧されている気持ちがすごく伝わってきました。 -
思っていた雰囲気と違ったためか、とても読みにくかった。
(私の家では何も起こらない、風かと思っていた)
女の子とミシンの話は読みやすかったものの、その後から進まず。
不思議な読後感はあったものの、涙があふれるほど感動することができず、私の無知さなのかなぁと思ってしまった。
幽霊連作短編とあったため、
個々で出てきた話が絡み合って一つの何かになっているのかと思ったら幽霊が出てくるという意味で連作で話自体に繋がりはありませんでした。
幽霊というよりも戦争の話が色濃かったように感じる。 -
幽霊にまつわる7つの短編をおさめた1冊。どこかで紹介されていたので手に取ってみたのだが、思っていた以上に良い作品集だった。捨て作なし、どの掌編も味わい深くて余韻がよい!
中でも好きな作品は…となると、読者の好みによって分かれるんだろう。俺はしいて上げたら「きららの紙飛行機」「ゴーストライター」かな。
それにしても、中島京子という作家をマークしてなかった自分の不見識さがもう!こんだけエエ短編を書くのだから他の作品も期待大!過去作追いかけることにしよう。読みたい本がまた増えるぞ(笑 -
うーん、普通。良くも悪くもない。
幽霊にまつわる話について短編が7話。
「きららの紙飛行機」と「亡霊たち」が好き。 -
7つの短編を収録。一編ずつ独立した話だけれど、タイトルの通り、どのお話にもゴーストというか幽霊というか、この世にはもう存在していないものが共通して出てきます。不思議で悲しいけれど、全然怖くはありません。祖父に会いに来ていた「リョウユー」のことを想う孫娘の話と、少女きららと少年の霊の話が好きでした。キャンプのお話も印象に残りました。
-
「幽霊」がテーマの7つの短編集、どの作品も戦中・戦後の雰囲気を色濃く感じ、直木賞作品の「小さいおうち」を思い出した。個人的には「小さいおうち」のスピンオフのような印象を抱いた。
中でも好きな作品は、戦争を生き延びたミシンの歩みを綴った「ミシンの履歴」、育児放棄された女の子と戦争孤児の霊の出会いを描いた「きららの紙飛行機」、難民キャンプでの女性の回想に胸が締め付けられる「キャンプ」(ここで語られるハンスとマルガレーテとはあの名作の…!)、曽祖父の「リョーユー」という謎の言葉に隠された意味を探る「亡霊たち」。
全体的に物悲しいけれど、決して湿っぽくはなく、ちょっと無気味だけれど、どこかあたたかく…中島さん作品特有の、読後の余韻だ。様々な感情が渦巻いてうまく言葉にはできないが、「ゴースト」という存在が現在と過去を繋ぎ、忘れてはいけないことを私たちに伝えてくれているのだなと感じる。
巻末の参考文献が興味深かった。「忘れてはいけないこと」をしっかり心に刻み直したいと思い、いずれそこに挙がった作品も読んでみたい。 -
-
ゴースト、幽霊に関する短編。
第一話の『新宿の家』が好き。
こんなにうっとりしたのなら、相手がゴーストであってもいいじゃない。都会の中で時間が止まったような場所ってそれだけで味があっていいもんだな。 -
【収録作品】原宿の家/ミシンの履歴/きららの紙飛行機/亡霊たち/キャンプ/廃墟/ゴーストライター
-
短編7作。
切ない哀しみ。
立ち行かない歯がゆさと、悔恨。
ふとした温かみが胸を抉る。
戦争は何も生まない。 -
幽霊ってどうにかして伝えたい思いがある人と、どこかで知りたいと思っている人が奇跡的に出会って生まれる概念なのかもしれない。
-
電車のりっぱなしの日、車中で1日かけて読んだ
戦時下での一人一人の過酷な人生がゴーストとなってあらわれ語られる
温かい語り口で悲しい -
短編小説を読んでるかのような各章ごとに主人公が変わっていき面白さはあった。
昔のことを振り返りながら各時代の情景が思い出されるので興味深いところもある。
一つのストーリーのインパクトにかける。 -
言葉や周りの風景、道具にゴーストの影らしきを思わせる雰囲気がある短編集。個人的に 亡霊たち が好きだ。戦争に行ったおじいさんが惚けて何度も、リョウユウを来たと繰り返す。仲のいい孫娘が探ろうとするが真実が分からないままおじいさんは亡くなる。奥が深い素敵な作品だと思った。
-
初めての中島京子さん。
小川洋子さんの小説に出会った時の感覚を思い出した。
人や場所や物には必ず歴史がある。
誰にも語られなかった言葉や想い。
その人が、その物が、その場所が目に見える形で無くなってしまったとしても、誰かの心の中に生き続ける。
その誰かさえ無くなってしまったとしても、もう目に見えないけれどこの世界を形作っているんだと思う。
怖くない幽霊の物語。
幽霊というよりそれは、ゴースト、と読んだ方がしっくりくる。
切なくもあり、読後は心が仄かに温かくなった。
他の作品も読もうと思う。 -
題名からホラー系の小説かと思っていたら違った。
幽霊譚というよりも、不思議な雰囲気の短編集。
個人的には「ミシンの履歴」がとても良かった。
著者プロフィール
中島京子の作品
