エッグマン

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 121
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514936

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】元料理人のサトジは一目惚れした女性マヨと、12年ぶりに再会。彼女は離婚を経験し、一人娘のウフと二人で静かに暮らしていた。心に傷をもつ娘、別れた父親との関係、祖母の遠い記憶、学校でのいじめ……人生の難局をサトジの卵料理が解決していく。

感想・レビュー・書評

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  • 一気読み。どの卵料理も美味しいんだろうなと想像できる。著者のお弁当本は読んだが小説は初めて。構成や言葉の選び方が上手いと思った。

  • ★2017年10月29日読了『エッグマン』辻 仁成 著 評価A

    独り身の不器用な生き方しかできない零細食品開発会社に勤める佐藤次郎ことサトジが主人公。(30代後半か40代前半?)
    13-4年前、毎晩立ち寄る飲み屋『ゆるり』で一時憧れていた女性客はいたが、その彼女とは一言も言葉を交わすこともなくそのまま月日は経っていた。最近、その彼女「マヨ」が疲れた様子で一人『ゆるり』に現れて、一本だけビールを飲んで帰るようになる。
    そしてある日、近所のスーパーで偶然出会うところからサトジとマヨの人生は新たな方向へ回り始める。

    題名のエッグマンとは、主人公サトジの思い付きのニックネーム。彼は昔、料理人として、海外でも修行していた隠れたシェフではあったが、それをひけらかすこともない。しかし、憧れのマヨさんとかかわるうち、その娘である「ウフ」(フランス語でたまご)が大好きなタマゴの料理をふるまうことになる。次々と話しの中で披露される卵料理はちょっと素敵で、何度もでてくる卵焼きの描写を読むうちに自分でも作ってみたいと思う、そんな料理小説である。それでなくとも買うかどうかを考えていた卵焼き用の四角いフライパンを明日は買いに行こうか?!(笑)

    第一話 TKGホワイトオムライス
    第二話 他人の親子丼
    第三話 奇跡のティラミス
    第四話 エッグマンの卵焼き
    第五話 二人でわけあうエッグベネディクト
    第六話 タマゴサンドの差し入れ
    第七話 サトジの涙
    最終話 ウフとマヨに捧げる

    特に第五話 二人でわけあうエッグベネディクトは秀逸だった。

  • 登場人物のそれぞれがとてもあたたかく、魅了された。
    サトジさんのメニューで卵焼きを食べてみたい。

  • 借りた時ぎりぎりで読み始めたら読み終わらず、再度予約。 面白く読んだ。 辻仁成は「冷静と情熱のあいだ」の印象からその後読んでなかったけど。最近バラエティに出ててちょっと興味出て読んでみた。料理の本は面白いねぇ。

  • 辻さんのファンタジーちっくな物語好きだなー。ファンタジーというわけじゃないんだけど、ほっこり優しい話すごく好き。一途で純粋なサトジがバツイチのマヨと、その子どもウフを、卵料理で少しずつ距離を縮め、傷ついた心を溶かす物語。
    どんな話でもハッピーエンドは嬉しいね

  • 人生も、料理も、シンプルこそが難しい。
    TKGホワイトオムライス、親子丼、ティラミス、卵焼き、エッグベネディクトetc.
    風変わりな元料理人の作る一品が、食欲とこころを満たしていく。
    すべての人々に幸せを届ける至福の料理小説

    元料理人のサトジが居酒屋で一目惚れした女性と、14年ぶりに再会する。
    彼女の名はマヨ。
    いまは離婚を経験し、一人娘のウフと二人で静かに暮らしていた。
    別れの理由は夫の横暴なふるまい。
    そのことがウフのこころの傷にもなっている。
    決して豊かとはいえない母娘の暮らしだが、ともに卵が好物で……。
    離れて暮らす父親とウフの関係、マヨの祖母が語るイタリア男性との初恋、
    ウフをおそう学校でのいじめ、老紳士のニューヨークでの思い出……。
    サトジの作る卵料理が、マヨとウフに幸せの笑みをもたらしていく。

  • 読メでどなたかのレビューを見て図書館へ。
    辻仁成という作家は知っているが、作品を読んだことがあるかどうかは定かではない。
    1~2冊は読んだような気もするのだが記憶は曖昧である。
    ただイメージとしてはなんともシャレた鼻につくような作品を書いてるんじゃないかと勝手に思い込んでいた。
    なぜだかはわからん(笑)
    しかし読んでみて全然そんなことはなかった。
    スゲえ面白い。
    読みやすくてどんどん読めちゃう。
    なんとも優しい世界。
    いい人しか出てこないし、心地よいなあ。
    非常によい作品でした。

  • ほっこりした内容だった。不器用なサトジが長年想い続けたマヨと仲良くなれる過程は、もどかしく思うマヨの気持ちに共感した。
    エッグマンの作るたまご料理、私も食べて見たいなぁ。

  • 辻仁成氏の著書は、初です。
    オノ・ナツメさんが表紙を書いていなかったら、手に取っていなかったかもしれません。
    不器用なサトジと、シングルマザーのマヨ(その存在を知った時はまだ既婚者だった)の、長い、長い時間をかけた愛情物語。
    マヨの娘で、フランス語で卵を意味する「ウフ」と言う名前の少女は、名前の通りの卵料理好き。
    サトジの作る卵料理で距離を縮めていく三人。
    美味しそうな卵料理の数々、行きつけの居酒屋「ゆるり」の常連客とのやりとり。
    現実にはありえなさそうな物語ですが、だからこそ、面白く、楽しんで読めました。
    それにしても、お腹が空いてくる小説です。

  • なんといっても美味しそうな卵料理の数々が食欲をそそります。食べたくなって、つい卵料理を作ったりもしてしまいます(もちろん主人公とは腕に差があり過ぎますが)ささやかなきっかけで、不器用なサトジの日常がどんどん賑やかになっていく。誰かと一生懸命関わる事が、人生に彩りを与えるんだと思わせてくれる魅力的なお話でした。

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著者プロフィール

辻 仁成(つじ ひとなり/つじ じんせい)
1959年生まれ、東京都出身。ミュージシャン、映画監督、小説家。1985年にロックバンドの「ECHOES(エコーズ)」ボーカリストとして活躍。2003年に渡仏し、拠点をフランスに置いて創作活動を続けている。
1989年『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞し作家デビュー。1997年『海峡の光』で第116回芥川賞を受賞。1999年、『白仏』のフランス語翻訳版で、フランス五大文学賞の一つフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。
ほかの代表作として、映画化された『冷静と情熱のあいだ Blu』『サヨナライツカ』をはじめ、『右岸』『ダリア』『父 Mon Pere』など。

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