エッグマン

  • 朝日新聞出版 (2017年10月6日発売)
3.82
  • (13)
  • (34)
  • (24)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 275
感想 : 36
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022514936

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】元料理人のサトジは一目惚れした女性マヨと、12年ぶりに再会。彼女は離婚を経験し、一人娘のウフと二人で静かに暮らしていた。心に傷をもつ娘、別れた父親との関係、祖母の遠い記憶、学校でのいじめ……人生の難局をサトジの卵料理が解決していく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 元コックと母子家庭と居酒屋と卵料理のお話。
    作中出てくる卵料理やその料理を作るエッグマンの心意気が素敵。
    レシピをメモしながら楽しく読めました。

  • 無口で不器用なサトジが、行きつけの居酒屋で出会った人妻に恋をし、彼女が出産、離婚した後も一途に思い続け、料理を通して心を通わせていく温かく素敵なストーリーでした。出てくる卵料理の数々が美味しそうで、私もエッグマンがいるお店に通いたい!エッグマンの料理は何を食べても美味しいんだろうな…

  • こういうあったかくてホッとしてお腹空く話を読みたかった。一気に読んだ。

    人生が関わる物語って世知辛くて救われにくい話が多くて落ち込むけど、エッグマンは自分のできるやり方で自分の精一杯と身近な人たちの協力でなんとか解決して、穏やかな幸せに着地出来るから読んでて安心する。特別な人や凄過ぎる能力じゃなく自分が出来る精一杯を尽して辿り着けるのが良いな。

    あと終始穏やかで謙遜しっぱしだけど自分を卑下したり否定したりし過ぎない、こういう主人公あんまり出会ったことないから新鮮だし好きだな。

    冒頭は穏やかで地味で控えめ過ぎる男が馴染みの居酒屋で何年も女性(既婚)を見つめるっていうもんだからコイツ大丈夫か?と思ったけど、歩み寄り方が優しくてでも頼りないわけじゃない。料理の腕は一流で知識もついてくる(全部卵料理!)。ウフちゃんと母の友人やイイ人候補でなくエッグマンとして一対一で向き合うのが特に好き。

    それに料理で問題そのものを解決するんじゃなく、あくまで励ます為に振る舞われているのも良い。音楽が記憶を思い出させたりするけど料理もきっとそうだなと思わせてくれる。ずーっと優しい話だった。すごくよかった、今読んでよかった。

  • 一気読み。どの卵料理も美味しいんだろうなと想像できる。著者のお弁当本は読んだが小説は初めて。構成や言葉の選び方が上手いと思った。

  • ★2017年10月29日読了『エッグマン』辻 仁成 著 評価A

    独り身の不器用な生き方しかできない零細食品開発会社に勤める佐藤次郎ことサトジが主人公。(30代後半か40代前半?)
    13-4年前、毎晩立ち寄る飲み屋『ゆるり』で一時憧れていた女性客はいたが、その彼女とは一言も言葉を交わすこともなくそのまま月日は経っていた。最近、その彼女「マヨ」が疲れた様子で一人『ゆるり』に現れて、一本だけビールを飲んで帰るようになる。
    そしてある日、近所のスーパーで偶然出会うところからサトジとマヨの人生は新たな方向へ回り始める。

    題名のエッグマンとは、主人公サトジの思い付きのニックネーム。彼は昔、料理人として、海外でも修行していた隠れたシェフではあったが、それをひけらかすこともない。しかし、憧れのマヨさんとかかわるうち、その娘である「ウフ」(フランス語でたまご)が大好きなタマゴの料理をふるまうことになる。次々と話しの中で披露される卵料理はちょっと素敵で、何度もでてくる卵焼きの描写を読むうちに自分でも作ってみたいと思う、そんな料理小説である。それでなくとも買うかどうかを考えていた卵焼き用の四角いフライパンを明日は買いに行こうか?!(笑)

    第一話 TKGホワイトオムライス
    第二話 他人の親子丼
    第三話 奇跡のティラミス
    第四話 エッグマンの卵焼き
    第五話 二人でわけあうエッグベネディクト
    第六話 タマゴサンドの差し入れ
    第七話 サトジの涙
    最終話 ウフとマヨに捧げる

    特に第五話 二人でわけあうエッグベネディクトは秀逸だった。

  • 優しい物語。
    自分も卵料理大好きなのでサトジに作ってもらいたい(笑)
    個人的にはティラミスの話が好き。
    「美味しいものを食べ続けることで人間は心を落ち着かせる事ができる。満腹になれば幸せになる。それが人間というものだろう。」

  • よくある料理の小説とは違います。
    料理の描写が細かく、具体性のある内容で良かったです。

  • 洒落ていて、大人の恋愛の話だけど清潔感があって、卵料理が食べたくなる。私が想像していたような卵料理ばかりではなかったけれど、そこも良かった。

  • 居酒屋で常連客としてであった元料理人のサトジと離婚歴のあるシングルマザーのマヨ。そしてマヨの娘のウフが、ゆっくりと歳月をかけて肩を寄せ合うようになっていく物語。元夫のパワハラによる心の傷、仕事と家事育児をひとりでこなす事への疲労を抱えたマヨと、学校でのいじめにひとりで耐えてきたウフの心を、サトジの卵料理が癒していく。
    タイトルのイメージ通り、角がなく、ふんわりと優しい物語でした。幸せの概念やとらえかたは人それぞれですけれど、幸せを形作るためのヒントがエッグマンの料理に象徴的にあらわれているように思えました。

  • 卵が大好きなので、何回も繰り返し読んでいます!卵焼きやティラミスを作る中で人と関わっていくお話し。どの食べ物のもの美味しそう!恋愛だけど、急展開などがなく、ゆるりと読むことができる。

  • 大人の恋愛ドラマという感じ。面白かった~。
    居酒屋ゆるりの雰囲気を損なわないようにぜひ実写化してほしい!
    マヨは桜井ユキさんが良いと思う。

  • 元料理人、健在は料理アドバイス会社サラリーマンのサトジは行き付けの居酒屋で昔好きだったマヨと出会う。マヨは他の男性と結婚し子どもができたが離婚、今はウフという女の子と二人で暮らしていた。居酒屋「ゆるり」の店主や常連客とともに、サトジとマヨの恋愛模様が、サトジの作る卵料理とともに展開していく。

    ほんわかとした大人の恋だが、老人問題やらいじめ問題やらDVやら、様々な問題がふんわり描かれている。こんな居酒屋とエッグマンが、近所に欲しい。

  • 『エッグマン』と言われて真っ先に思い浮かんだのが
    渋谷のライブハウスだったという私は
    骨の髄までバンギャルなんだなー...(´-`).。oO
    それはそうと『恋心を打ち明けるのに12年もの歳月を要した』と書かれてますが
    ...恋心、打ち明けてなくないか?...(爆)

    何しろ出てくる卵料理が悉く美味そうなんだよこれが。
    つってもアレですよね。
    danchu的な手間もコストもハイレベルなヤツ。
    朴訥なアラフォー男とせっかちなシンママと
    若干電波系のセンシティブな娘さんが心を通わせていく様が
    丁寧に描かれている一方で
    居酒屋ゆるりの常連さんたちのおかげもあってか
    なかなかに賑やかなお話になっているんじゃないかなと思います。

    辻仁成氏の本を読むのは下手したら20年振りくらいで
    前に読んだのが『冷静と情熱のあいだ』だったので
    軽く印象が違うのは当然といえば当然なのでしょうが
    正直さらっと淡々と読み進められたのが驚きであり嬉しいことでした。

    つーか、最近BLばっかり読んでたから
    心が洗われるような気がしましたよ(爆)。

  • 疲れた一日の終わりに読むといいなと思える作品。
    温かい気持ちになります。
    本から卵料理の香りがほんのりとしてきそうです。

  • 卵料理のレシピが満載だけでなく、心も温かくなる。

  • 登場人物のそれぞれがとてもあたたかく、魅了された。
    サトジさんのメニューで卵焼きを食べてみたい。

  • 借りた時ぎりぎりで読み始めたら読み終わらず、再度予約。 面白く読んだ。 辻仁成は「冷静と情熱のあいだ」の印象からその後読んでなかったけど。最近バラエティに出ててちょっと興味出て読んでみた。料理の本は面白いねぇ。

  • 辻さんのファンタジーちっくな物語好きだなー。ファンタジーというわけじゃないんだけど、ほっこり優しい話すごく好き。一途で純粋なサトジがバツイチのマヨと、その子どもウフを、卵料理で少しずつ距離を縮め、傷ついた心を溶かす物語。
    どんな話でもハッピーエンドは嬉しいね

  • 人生も、料理も、シンプルこそが難しい。
    TKGホワイトオムライス、親子丼、ティラミス、卵焼き、エッグベネディクトetc.
    風変わりな元料理人の作る一品が、食欲とこころを満たしていく。
    すべての人々に幸せを届ける至福の料理小説

    元料理人のサトジが居酒屋で一目惚れした女性と、14年ぶりに再会する。
    彼女の名はマヨ。
    いまは離婚を経験し、一人娘のウフと二人で静かに暮らしていた。
    別れの理由は夫の横暴なふるまい。
    そのことがウフのこころの傷にもなっている。
    決して豊かとはいえない母娘の暮らしだが、ともに卵が好物で……。
    離れて暮らす父親とウフの関係、マヨの祖母が語るイタリア男性との初恋、
    ウフをおそう学校でのいじめ、老紳士のニューヨークでの思い出……。
    サトジの作る卵料理が、マヨとウフに幸せの笑みをもたらしていく。

  • 読メでどなたかのレビューを見て図書館へ。
    辻仁成という作家は知っているが、作品を読んだことがあるかどうかは定かではない。
    1~2冊は読んだような気もするのだが記憶は曖昧である。
    ただイメージとしてはなんともシャレた鼻につくような作品を書いてるんじゃないかと勝手に思い込んでいた。
    なぜだかはわからん(笑)
    しかし読んでみて全然そんなことはなかった。
    スゲえ面白い。
    読みやすくてどんどん読めちゃう。
    なんとも優しい世界。
    いい人しか出てこないし、心地よいなあ。
    非常によい作品でした。

全32件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻仁成の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×