風神の手

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.69
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本棚登録 : 457
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515148

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、数十年の歳月が流れていく──。道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • あ〜あ、面白かった!作者のユーモアセンスがばっちり張り巡らしてあり、ストーリーも4章それぞれがしっかりリンクさせてあるのできちんと腑に落ちる仕組み、あまりに繋がり方が良すぎて話がうますぎる嫌いがあるけれど。初めの章は切なくて深刻な若い二人の恋話 かと思っていたら まるでドッキリカメラを仕掛けられたような展開 笑。長い年月の物語が実は1つに収束していくのが気持ちいいね♪ それにしても舞台の小さな町のマップを描けるくらいに一緒に行動している気分になりながら、冗談みたいな区域名や苗字のネーミングをインプットされてしまいました。
    直木賞の「月と蟹」より好みでした。

  • 遺影専門の写真館。そこで偶然行き会った人々は、運命の糸で複雑に繋がっていた。

    風が吹けば桶屋が儲かる。それなら、その風の始まりはいったいどこにあるのだろう? 3つの中編とエピローグで、物語の欠片が結び合わされていく。その熟練の技が素晴らしい!
    登場人物が悪人ばかり、もしくは善人ばかり、といった趣向の小説は時折見かけるけれども、ここには「根っからの悪人じゃないけれど、うっかりちょっと魔がさして悪いことをしてしまった」人たちが大集合。そして、そのうっかりが風になってバタバタとドミノを倒してしまう。その、脱力するようなやっちまった感が魅力。

  • 風神の手が起こした気まぐれな風によって、多くの人の人生が良くも悪くも変わっていく。出会いや別れを生み、それぞれがまた思わぬところで繋がっていた。
    運命とか巡り会わせとか、もし~だったら、あの時~れば…とか思いはいろいろあるけれど、今を生きていこう。
    道尾さんのこういう話、好きだなぁ。

  • 遺影写真館に関わる人を中心に数十年にわたるつながりの物語。恋人、友人、そして秘密を抱える老人、最後まで読み終えて、大きな物語になる。細かいところまでうまくつなげてるし、こういうの好き。一つ一つでいえば、「心中花」は気に入りました、恋する二人、よく書けていました。全てのつながりは風の神様によるものかしら。道尾さんは月が好きなのかな。

  • 最近の道尾さん作品はそこまでハマらなかったけど、今作は良かった!
    とある街を舞台にした連作短編かと思いきや、世代を超えてひとつの大きな物語が紡がれて行く。
    よく出来ているなぁとも思うし、実際私たちの身の回りでもひとつの事柄がきっかけで人生が変わったり、それがまた他の人に影響を及ぼしてたりするんだよね。
    その事柄っていうのも意図したものじゃなかったり、ほんの些細なことだったりして、まさに「風神の手」なんだなって思う。

  • 「風って、どうやって吹くのかな」

    連作短編集なんかではなく、壮大な長編小説だった。偶然なのか必然なのか。いずれにせよ、全て運命。

    誰かの過ちが今ある自分に繋がっていたら。何が良くて何が悪いのか。どんな些細な出来事でもそれが誰かの人生に大きく関わっているのかもしれない。正しく「風神の手」。

    美しくどこか温かいミステリだった、そんなミステリ書けるんか。

    ただ私はもっと道尾さん独特の謎めいた感じのゴリゴリのミステリが読みたい。

  • 小さな町の写真館、そこは遺影専門の写真館。
    遺影が必要になった時、人は自らその写真館に遺影を撮りに出かけて行く。
    そんな話が一つ、そして別なところで発表された別な話が.....
    それらの話が、風神の手という本に吹き寄せられて行って、一冊にまとまった。
    それぞれの小編は、別々に書かれ、しかも、結末に向けて見事な伏線となっていく。
    そして、この物語は、ある小さな町のエリアから出ることはない。
    なかなか面白い作品でした。

  • 人の運命を決定づけるような事件だって
    元を辿っていけば、きっかけはほんの取るに足らない出来事が始まりだったりする。
    何気ない一言が、ちょっとした偶然が積み重なって人の運命は出来上がっているのだろう。
    この物語の登場人物たちも、人をだましたり
    取り返しのつかない失敗をおかしたり、悪事に手を染めたりするのだか、
    長いスパンで見てみれば、そのことで幸せになった人やこの世に命を授かった人もいて
    不幸だったはずの出来事が、時間と共に幸せに色を変えていくのだ。
    私たちは、人の過ちや失敗を鬼の首でもとったように糾弾するけれど
    それは早計な事だよと耳元で誰かに囁かれているかのようでした。

  • 説明
    内容紹介
    遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、 朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。
    読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、 数十年の歳月が流れていく──。
    道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。

    ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――心中花
    まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件"――口笛鳥
    死を前にして、老女は自らの“罪"を打ち明ける ――無常風
    各章の登場人物たちが、意外なかたちで集う ――待宵月



    久しぶりに道尾秀介さんの作品を読みました。
    3話の各章の登場人物たちが意外な繋がりがあって面白かったです。ラストの章では登場人物たちが集まります。
    人は皆、心の中になにかしらの荷物を抱え生きているという事と人の繋がりをとても実感しました。

  • 小さな町の写真館を中心に物語がスタートする。母親の若い頃の甘酸っぱい恋愛の話、写真館の親子の話、町の汚染問題などが丁寧に書かれておりました。穏やかに事が過ぎていくのかと思いましたが、最後の章ではガラリと変わり、写真館で繋がっていた人たちの過去に引っかかっていた思いや謎が一気に解明されていく。ほんの少しのさじ加減で人の人生が左右されてしまう。突風が吹いただけでも生死を分けてしまう。故意なのか事故なのか、はたまた悪意なのか。。。過去のことなので全ての事は解明できていないが、それは神様のみぞ知る事になるのかなぁ、と。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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