風神の手

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515148

感想・レビュー・書評

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  • とても良くできた話だった。最初から最後まで繋がりまくり…。
    救いがある結びで良かった。

  • 連作短編で重なりそうで重ならない話だと思って2話まで読んでいたら、第3話でつなげまくり笑
    え・・そこまでつなげるの・・
    って思って読んでいたら、作中にも「狭い町のことだから・・・」って書いてあった。
    やはりみんなそう思うんだな。

    面白かったけど、いろいろ救いがない。
    結末は衝撃だったなあ。
    「風神の手」による運命。

    3話の主人公2人のキャラが好みじゃないのが難点。

  • エピグラフより、
    「もしもその小さな砂粒が、貝の殻の中に入り込まなかったなら、二つの命がこの世から消え去ることはなかったのだ。(中略)何が重要な出来事で、何が些細な出来事かなんて、いったい誰が言えるのだろう?」
    コナン・ドイル 『ジョン・ハックスフォードの告白』

    物語は母娘が写真館を訪れたことから始まる。
    母の思い出話は写真館の主に繋がり、それは祖父と繋がり、さらにさらに......。
    たった一投しただけの石が、さざなみになって広がり、大きな絵が現れた。
    一つの事件だけを見ると、それは確かに悲劇だった。
    誰かの悲しみであった。
    しかし、その時、石が投げられなかったのなら、今ここに歩実も、源哉もいなかった。

    風が吹けば桶屋が儲かる、バタフライ効果、そんな言葉も昔からあって、物事は複雑に織り成されて「今」を作る。
    本書はそんな複雑な「過去」があって、「未来」が描かれ、未来の持つ力、希望が残された。
    著者の『満月の泥枕』と同じような雰囲気を持つ作品だった。

    川の水を汚染してしまったことが、同じ川の水質を改善するきっかけになった。
    その理由と結果は、社会そのものだ。
    意図的にしろ、そうでないにしろ、ある出来事が起きたことで人は前に進み、未来を変えてきた。
    同じ悲しみにくれ、絶望の淵に佇むことのないように。
    本当は誰も苦しみたくはないし、傷つけられるべきではない。
    だが、間違いからしか人は学べない。
    悲しいことだけれど、だからこそ「今」がある。
    誰かの悲しみを仕方のないことと切り捨てられるはずはないけれど。

    何が世界を変えるのか、それは誰にもわからない。
    わからないからこそ、人は今を生き、未来を信じられるのだ。

  •  私が知ってる道尾作品です。できればいつもこの作風でいてほしい。

     ただ、お母さんの過去の話で行き先が見えずに迷子になりそうになりました。あきらめずに最後まで読んでよかった。

  • それなりに楽しめたけど、入り込めなかったのも事実。立場の異なるそれぞれの人のどの立場に寄り添うか、によるのかも

    2018.10.7

  • ほんの些細なことで人生が全く別のものになる。
    ラストがホント切ない。

  • 遺影写真館に集まった人がいろいろつながってておもしろかった。複雑に絡み合ってた。

  • ごちゃごちゃと分からなくなりそうな所をきちんと説明してくれて助かりました。

  • 9月-6。3.5点。
    遺影専門の写真館を中心に、中編がつづく。
    それぞれ時代は違うが、繋がっておりラストへ向かう。
    よくあるような手法だが、さすがに道尾秀介、読ませる。

    でもなー、道尾秀介、ハートウォーミング路線ばっかりだなー。最近。
    デビュー当時のドキドキ感が懐かしい。。。

  • 一つの章の中でも過去と現在があって、その中にもつながりがあるのだけれど、すべての章が同じように繋がっている。すごく入り組んでいるのだけれど、ちゃんもつながりあっていてすごいなと思わされた。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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