さよなら、わるい夢たち

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  • 朝日新聞出版 (2018年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022515353

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】ジャーナリストの菜摘は、親友の麻衣亜が幼い息子とともに家庭を捨てたとSNSで知る。夫も、両親も、友人も心当たりがないというが、彼らはみな麻衣亜を失踪に駆り立てる要因を持っていた……。『黒猫シリーズ』『偽恋愛小説家』著者の新境地ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 乳児を連れたまま行方不明になった麻衣亜を、学生時代の友人でジャーナリストの菜摘は探している。
    麻衣亜が行方をくらました理由を追求していくうちに、そこには様々な要因が絡んでいたことが分かり始める。

    待機児童の問題、セクハラなど、女性が被害に会う可能背のある問題が、不幸にも数々麻衣亜飲みに振りかかっていた。
    おやゆび姫の話は忘れていましたが、まさに麻衣亜はおやゆび姫。
    でも、最後は自分の力で王子との生活を手に入れた。
    母は強しという所でしょうか。

    瞳の立ち位置にはちょっと驚きました。
    麻衣亜が大金を手に入れるプロセスには必要な登場人物だったってことですね。

    菜摘に対しては、好感をもって読んでいたはずなのに、最後にはモヤモヤした感情をだくことになり、逆に麻衣亜に対しては、良い感情がなかったのに最後にはあっぱれと思うという、不思議な読後感を持ちました。

  • ジャーナリストの菜摘は、親友だと思っていた麻衣亜が幼い息子を連れて、行方不明になっていることを麻衣亜の夫のSNSの書き込みで知る。菜摘は麻衣亜の行方を探そうと奔走するが、彼女は何故失踪しなければならなかったのか?
    その背後には待機児童問題、職場でのセクハラ、レイプなど、数々の問題が浮き上がり…
    ほとんどが菜摘の視点から描かれるが、時々挟まれる女刑事の山口の視点がラストまで絡みが分からないところが、かなり興味をそそられた。
    しかし、親友と言いつつ、失踪を夫のSNSで知って、しかもその理由を探る菜摘の苦悩する姿が、一人よがりで何とも理解し難い。

  • 忘れることなんて出来ない、ただこれから先幸せであって欲しい。
    それだけを願う。

  • 菜摘の麻衣亜に対する思いが、友達思いのようでそうじゃない感じが始めからしてて、居心地悪かった。本人も途中から気づいたようだけど…。

    親友とは、友達とは、自分の友とのことを考えてしまった。
    彼女と私はまだ親友なのだろうか?

    男性の立場を尊重する考え方は、この世界に浸透しすぎている。自然とそういう考え方をするような環境に、社会になっている。
    だからこそ、フェミニストが声を上げると男性は居心地が悪いのだろう。
    自分の周りにいる男性ですら、そうだもんなぁ。

    麻衣亜の父親、母親、菜摘、丘咲、それぞれがこの社会の歪みの犠牲になったり影響をうけたりしている。私たち一人ひとりも同様だ。

    麻衣亜の夫だけは救いようがない。

  • 麻衣亜が本当にかわいそう。
    報われなさすぎる。けど、最後で良かったのかなって思えました。
    全体を通して心が痛む(。>д<)

  • 理不尽なことがたくさんあって、読んでいて苦しくなる。やられっぱなしではなかったことが救いだ。
    そうは言っても海外で新しい生活をするしか無かった?日本では彼女は救われないのか。改めて、日本ってもうだめなのかななどとおもってしまった。なんとかできないのだろうか…

  • 一気に読んでぼんやりしている。
    待機児童問題や、セクハラ問題や、人々の無関心が生み出すもの。田舎の人間関係。とても身近なものばかりで、背中がざわざわする。
    例えば性差の問題。違和感を感じることはあるけれど、具体的に言葉にするのは難しい。そんなもの関係なく話をしているのに「女だから」「男のひとはこう」と言われると、なんだかどうでもよくなってしまう、なんてこともあるなあ。
    でも、そういう感覚をなかったことにしたり、蓋をしてしまってはいけないのだ。そうやって無関心になることがいちばんダメなのだなあ、と思わされた。

    「保守的なフェミニスト」って意味がよくわからないんだが、それはフェミニストというのだろうか。

    結局、最後に依るものは自分しかなくて、何を信じるかも何を守るのかも自分で決めるもの。
    「人に頼るな」という麻衣亜の母親の教えは、それほど悪いものでもない気がする。

    麻衣亜にとって現実は悪い夢だったとして、辿り着いた場所もやはり夢の中のように思える。それでも、自分で決めて自分で選び取ったもの、ということに意味があるのだろう。

  • 「目撃者たち」
    久方ぶりのお客。
    彼女は何怯えているのか分からないが、怯えているのに何故人気のない方へ向かっているのか気になるな。

    「もう疲れました」
    消えた妻の行先は。
    確かに彼女は少しお節介過ぎるかもしれないが、それだけ気にかけたからこそ彼も疑問が浮かんできたのだろうな。

    「真実を追う警官」
    捜索願が出されて。
    彼は彼女に嘘をついてまで、何故彼女が実家に帰ったなど嘘をつき真実を隠そうとしたのだろう。

    「目撃者たち」
    彼女が現れた場所。
    何を思い彼女はそれを買いに行ったのか謎だが、挙動不審だった理由はこれのせいだったのかもしれないな。

    「誰にも頼れません」
    知り合いに話を聞いて。
    彼女という人間が一人で全て背負うのは何かしら原因があるのは分かっていたが、まさか両親からの躾だったとは…。

    「不幸の匂いのする方へ」
    彼女を追った先は。
    やはり彼女は自殺する為にこんな所に来たのか、それとも何かしら意図がありきたのか謎は深まるばかりだな。

    「目撃者たち」
    山を登る彼女。
    彼女の疑問に普通に答えれば、それは今まさに死へと歩みを進めている彼女ではと思うが違うのかもしれないな。

    「悪いのはわたし」
    少しずつ見える生活。
    これだけの中、頼れる人もなく一人で闘っていたのであれば彼女だけを責めることは出来ないだろうな。

    「その先にあるもの」
    見つけた痕跡。
    本当に居るか居ないかと予測するよりも、限界まで進みやはり居なかったと安堵する方が後悔はないだろうな。

    「帰る場所がないの」
    誰も味方がいない世界。
    家に帰り唯一頼れるはずの彼すら、あの様な状態では何処に居ても心が休まる事無く辛かったろうな。

    「名もなき円筒」
    見つけた車の中で。
    多分後者の戻る気が無いからこそな気がするが、あの円筒の中身があれだとしたら何故残していったのだろう。

    「これは夢よ」
    現実の中で求めた場所。
    あれだけ必死に彼女の事を一緒に探していた彼が何故こんな大切な事を隠していたのだろうか。

    「追撃者を阻むためには」
    彼女が逃げていた者。
    あれだけ詳しく何処で調べてきたのか分からないが、彼女が怯え逃げたかった人物が警察に居たとは。

    「さよなら、わるい夢たち」
    全ての終わりは。
    結局誰もが彼女の事など気にかけず利用された結果、頼る場所も居場所も失ってしまっただけだったのか…。

    「どこまでもお逃げなさい」
    彼女から逃げれた後。
    警察官としてあるまじき行動をしているのに、何故彼女は自分が間違いなどなく当たり前の様に話すのだろう。

    「夢のあと」
    やっと分かり合えた心。
    彼女の独りよがりな考えかもしれないが、これまでとは違う視点でこの事件を見る事が出来る様になっただろうな。

    「わるい夢がとけるとき」
    自分の世界に辿り着いた時。
    滅茶苦茶な事をした彼女ではあるが、それにより自由を手に入れ笑顔で暮らせる様になったのであれば良かったのだろうな。

  • 三男が借りてきた本から拝借。
    「面白かった?」と聞かれたが、君には色々まだ早いよ(^^;
    私は面白かった。
    登場人物が、どれも好きになれなくて…
    でもラストが個人的には気持ちよかった!

  • 不幸を寄せ集めるタイプ、いる。
    そして同情は対価を要求するっていうのが、すごく身につまされる。
    私多分やったことある、覚えもある。
    意識的か無意識的かは関係なくこれは結構やってしまうことだなあ……ラストのウェイもいつかこうならないといいけれど。

    読後も重たい感じが残る。
    こういった毒々しい社会から脱却して欲しいと願っている。けど社会に存在する人間として人と関わる以上、私も悪夢を作っている一端であることはきっとやめられない。

    いつでも自分の味方をしてくれる人間なんておそらく存在しないので、菜摘さんはいつその理想に折り合いをつけるのか。それとも理想を持って一人で生きるのか。ちょっときになる。

  • 見た目と行動力にギャップがあったから最後に勝ち抜けたんだろうか?
    いつでもやられっぱなしってわけにはいかないもんね。
    ほんと、さよなら、わるい夢たち、だ。

  • なんとなく気持ちのどこかをえぐられた感じがしますが。この不安感みたいなところがこのお話の魅力だとおもいます。

  • 夫と子がいて、こんなに親身になってくれる友達がいて…なのに徐々に浮かび上がってくる麻衣亜の面影からは孤独の匂いしかない。待機児童問題にセクハラ、文句ばかりの胸糞夫、気持ちが殺伐する内容のオンパレードながら、そんな彼女の決着が気になって気になって一気読みに等しい勢いで読了。
    終盤は驚きの連続。
    麻衣亜をわるい夢から醒めさせた王子様の正体は盲点だったな。彼女の本心は分からないし生き方や対応の疑問もある。でも、鮮やかな逆転劇のその原動力には大いに納得させられた。

  • 偶然から高校時代の友人、麻衣亜の夫のSNSアカウントを見つけ、彼女の失踪を知った菜摘。
    ジャーナリストである菜摘は麻衣亜を探す為、彼女を失踪に駆り立てた原因を恋人の丘咲と共に探り始める。
    家庭で職場で故郷で少しずつ麻衣亜を追い詰めていった「悪い夢」が明らかになるにつれ、菜摘もまた自分の信じていたものの不確かさを知る事になる……。

    嫌な事があって、生き辛さを感じていて、けれど抜け出せない。現状を飲み込むしかない。
    麻衣亜程の不幸の連続ではなくとも、多かれ少なかれ悪い夢に囚われている現代人はきっと多い。
    人の悪意を拒絶出来ず享受する麻衣亜も、菜摘の提唱する対応策も、どちらも分かるなあと思う部分もあれば反発したくなる部分もある。
    重苦しさの残るこの結末をハッピーエンドと取ればいいのかどうかも何とも言い難い。

    この作品の中で描かれている悪い夢は女性のものだったけれど、男性が縛られる悪い夢だとどうなるんだろうというのが気になる。
    丘咲の言葉は嫌味なくらい明快でどこまでも正論だったけれど、麻衣亜の悪夢が判明していく中での男性の彼の心情と受け止め方が菜摘とどの程度差異があったのかもう少し詳しく知りたかった。

  • SNSで親友の失踪を知ったジャーナリストの菜摘が、彼女の家族や知人たちを訪ね、失踪の理由や彼女の行方を追っていく物語。

    いつも自信なさげで自分の意見を主張することが出来ない親友 麻衣亜を、自分が守ってあげなければと考える菜摘。
    最初は、その上から目線で独善的な感じがどうにも鼻について共感しにくかった。でも、彼女を探す過程で、自分がいかに物事を一面的にしか見ていなかったかに気付き、新たな一歩を踏み出す姿に少し親しみを覚える。

    待機児童問題にまだまだ弱い女性の立場など、社会問題を詰め込んだ感があるのと、後味があまり良くないので評価は少し低め。

    それにしても、フィクションとは言え麻衣亜の不運さが凄まじい。ことごとく不幸に見舞われる彼女にとって、この世界は本当に「わるい夢」だったのかも知れないなぁ。

  • あ、これミステリだったんだ。
    …まあ、ミステリか。

    フィクションらしいフィクションだと思いました。
    「事実は小説よりも奇なり」の逆の意味として。
    こんなことあるわけなかろうという程の負の連鎖。
    でも、意外にあり得るのでは、というところへの落とし込みが。

    自分として気になるのは、最後に出て来た中華系と思しき名前。カタカナで書かれているのでどういう漢字なんかはわかりませんが。
    作者はそこにもなんらかの意図を潜ませてるのではと思ったのですが、もう1人の彼が1音節、彼女が3音節だったので、そのまま中国語読みにしただけかもしれない。

  • 05/30/2018 読了。

    図書館から。

  • 2018/5/18

    赤子を連れて失踪した麻衣亜。
    彼女を探す親友が暴いた周囲の人たちの無関心、悪意。

    書きたいことがたくさんあって、それを丘咲に言わせてるんだろうなぁ、と。
    なんだか入り込めず。

  • ザ・ミステリー!!どっかーん!という感じではなく、砂時計の砂が少しずつ、でも確実に落ちていくようにゾワっとしたり苦しくなったり切なくなったりするお話でした。
    後半になるにつれて加速度を増していくのは、やはり森さんだなぁと思った。

    菜摘の気持ち、なんかわかる。
    わかるから切なかった。

    わるい夢はいつの間にかやってきて。
    気がつくと囚われて。
    囚われたことにも気がつかなくて。
    気がついた時には苦しくて。

    もがくしかないんだよね。

  • 夢に残された者たち

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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