となりの脳世界

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.70
  • (20)
  • (59)
  • (44)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 519
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515551

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】デビューから現在まで各紙誌に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、今まで気づかなかった勘違いに、コンビニバイトのこと。Twitterで話題の『「走らせている人」たち』も収録!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 村田さんがデビューしてから10年以上かけてほうぼうに書いたものを集めたエッセイ集。やっぱり長い歳月を経て書かれているので村田さんの中身が丸わかりになっている。コンビニ人間では「人間であること」がとても意識されていたが、普段からそういう意識を持っておられる方なんだなぁと思った。純文学の小説って人となりが表れるんだね。村田さんが世界を眺める目は普通ではない。正座を逆にしてしまうとか、スポーツで右側を応援してしまうとか、可笑しなエピソードがてんこ盛りだ。背平泳ぎは笑ってしまった。でも中でも「地球の歩き方妄想」が一番好きかもしれない。僕も日本語で書かれた日本の「地球の歩き方」や、宇宙人のための本物の「地球の歩き方」を読んでみたい。

  • 最近村田さんの本をよく読んでいる。

    村田さんのすごいところは、
    自分が普通でないことを認めながら
    普通である人や事も受け止めて共存しよう
    としているところだと思う。

    そして誰もが小さい頃に感じていた
    漠然とした感情を大人になって何年たっても
    まだしっかりと忘れずに持っていて、
    それを言葉で的確に表現して、
    私たちに思い出させてくれる。

    もっとこの人の本を読みたいと思える本だった。

  • 著者の本を読むのは『コンビニ人間』以来の2作品目なのだが、なるほど『コンビニ人間』は空想ではなく、彼女そのものだったのだな。
    どうやら、一生懸命「人間になろう」「人間を演じよう」として生きている方のようである。

    明らかに「変わっている」彼女は、友達にとても恵まれていると思う。
    飛行機の中で「人間っぽく振る舞おう」とする彼女に対して「さやか、皆が映画を観てるからって無理して観ることないんだよ、飛行機の中ではね、好きにしてていいんだよ」と、彼女の何もかもを察して言ってあげる友達は凄いな。

    私が本書で少しだけ共感できたのは「親切エレベーター」と「バス自意識過剰」だけである。
    他には私はコーヒーの蓋を外す派だが、それは単に極度の猫舌だからであって、適度に冷めたら、飲む時は蓋をしたりしなかったりなので、著者のように「中身をぶちまけちゃうから」(彼女の場合、蓋を付けると中身をぶちまけてしまう)ではなく、「それはないけど、熱いよね」と言う彼女の友人派。

    「走らせている人」に関しては、著者だけでなく他にも存在するらしいが、私は「何を言っているかさっぱり意味がわからない人」だ。

    読み進めていくと、前出のエピソードが頭にインプットされているから、後半では「大丈夫だろうか、この点は…?」と心配になってくる。
    小鼓を打つ時には、「正座は大丈夫だったのだろうか?」と気になり、フジロックの話で「(昔のフジロックで)富士山が見えた」と言っているけれど、「それは富士山ではない山を見ていたのでは?」と思ってしまう。
    (これに関しては彼女は、そもそも全く別の勘違いをやらかしていたのだけれど…)

    彼女には作家とコンビニ店員という天職があって、良い友達や仕事仲間に囲まれて、幸せそうで良かったなと思う。

  • 「コンビニ人間」ではまり、「消滅世界」でちょっと心が離れ、「地球星人」でコリャもう理解不能かとそっと離れていくつもりでしたが、このエッセイ読んでもうちょっと読んでみようかなと思っています。
    そもそも不思議な本ばっかり書くなと思っていましたが、これ読むと全くもって納得です。本人が宇宙人のようなので書く本も不思議で然るべきかと思います。
    人間ぽくいるために努力しているというのが、コンビニ人間の主人公と被ってなんだか可愛らしくなって来てしまった。
    スポーツでどちらを応援しますか?と言われて、「主に右側を応援します」って何言ってんだこいつって思うじゃないですか。でも彼女の自己分析を読むとなんだか頷けてしまうんですね。
    そんな謎理論が山盛りなのですが、理屈っぽいわけでは無くて完全に沙耶香ワールドに巻き込まれる感じであります。

  • 確かにふと、他の人の目から見た世界ってどんなだろうと思う時がある。同じ風景を見ても同じ行動をしても、きっと自分と違う世界をこっそりとのぞいてみたい。こそそめスープに大笑いした。まさかエッセイでここまで声に出して笑うとは。著者の脳から見た世界をしっかり堪能させてもらいました。

  • 村田さんの作品はそんなに沢山は読んでないけれど、
    独特な世界観がある。

    TVで拝見する村田さんは、そんな作品を書かれるようには見えないけれど、
    このエッセイを読んでみると、やっぱり変わってる(笑)と思ってしまった。
    でもそれが凄く村田さんらしいと感じる。

    もっと村田さんの頭の中が知りたい。

  • 村田さん、こういう方だったのね!と少し親近感がわく。

    『コンビニエンスストア様』が素敵だった。
    (ラブレターとテーマを与えられてこれを書けるのかという…天才か)

    地球の歩き方の『日本』についてはわたしも同じことを想像したことがあるからくすりと笑ってしまった。

    村田さんの脳の世界を覗き見できる、素晴らしいエッセイですぞ。

  • 「コンビニ人間」を読んで、「これはわたしのことだ!」と嬉しくなった人間のひとりです。
    村田さんも「これはわたしの事を書いています」とどこかで言っていた記憶があるので、その人となりを知りたいと思い、エッセイも読むことにした。

    他者を模倣してなんとか社会に溶け込んでいる、という部分に共感するのは言うまでもなく、日常の「あるある」をとても丁寧に切り取って、そしてそれに対する村田さんの突破術が優しく面白い。
    エレベーターに先に乗っていた親切な人が後に降りることになる事象、バスの運転手に気を使わせたくない時間など、「あるなあ〜!」と思った。
    そんな「わかり」の合間にキラーフレーズがじゃんじゃん飛び交うので、とても楽しかった。覚えておきたい言葉はメモしている。

    しかし、中盤の「日常について」、夢日記をつけている人の生活ってこんな感じなのか?と思うくらい不思議な世界だった。
    眼鏡をかけていない方の谷村くんや、仲良くなりたいクラスメイトが5秒でクラス替えされた話など、ちょっとゾッとするエピソードが普通の話の間に挟まれてて、これを日常パート扱いするのか…と思った。
    たまに子供の時とかに信じてたものが違うとわかって世界が変容する瞬間があるけど、それが大人になっても続いているのは面白い。

    そして「走らせている人」たち!あの有名な話は村田さんだったのか!とたいへん驚いた。
    気づかないうちに村田さんはすぐそばにいる。
    もっと村田さんの作品を読みたい!と熱烈に思った。

  • すこし前に読んだ、すごくおもしろかった、他のエッセイも読みたい。

  • 岸本佐知子さんのエッセイを読んだときに、思考がぶっ飛んでる…と思ったけど、著者の村田さんもまあまあだった。面白い。

全65件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川龍之介賞受賞。その他の小説に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『地球星人』、エッセイに『となりの脳世界』『私が食べた本』などがある。

「2020年 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村田沙耶香の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェーン・スー
今村夏子
新井 見枝香
ヴィクトール・E...
三浦 しをん
柚木麻子
辻村 深月
今村 夏子
宮下奈都
村田沙耶香
朝倉かすみ
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印

となりの脳世界を本棚に登録しているひと

ツイートする
×