となりの脳世界

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 353
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515551

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】デビューから現在まで各紙誌に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、今まで気づかなかった勘違いに、コンビニバイトのこと。Twitterで話題の『「走らせている人」たち』も収録!

感想・レビュー・書評

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  • 最近村田さんの本をよく読んでいる。

    村田さんのすごいところは、
    自分が普通でないことを認めながら
    普通である人や事も受け止めて共存しよう
    としているところだと思う。

    そして誰もが小さい頃に感じていた
    漠然とした感情を大人になって何年たっても
    まだしっかりと忘れずに持っていて、
    それを言葉で的確に表現して、
    私たちに思い出させてくれる。

    もっとこの人の本を読みたいと思える本だった。

  • 「コンビニ人間」ではまり、「消滅世界」でちょっと心が離れ、「地球星人」でコリャもう理解不能かとそっと離れていくつもりでしたが、このエッセイ読んでもうちょっと読んでみようかなと思っています。
    そもそも不思議な本ばっかり書くなと思っていましたが、これ読むと全くもって納得です。本人が宇宙人のようなので書く本も不思議で然るべきかと思います。
    人間ぽくいるために努力しているというのが、コンビニ人間の主人公と被ってなんだか可愛らしくなって来てしまった。
    スポーツでどちらを応援しますか?と言われて、「主に右側を応援します」って何言ってんだこいつって思うじゃないですか。でも彼女の自己分析を読むとなんだか頷けてしまうんですね。
    そんな謎理論が山盛りなのですが、理屈っぽいわけでは無くて完全に沙耶香ワールドに巻き込まれる感じであります。

  • 村田さんの作品はそんなに沢山は読んでないけれど、
    独特な世界観がある。

    TVで拝見する村田さんは、そんな作品を書かれるようには見えないけれど、
    このエッセイを読んでみると、やっぱり変わってる(笑)と思ってしまった。
    でもそれが凄く村田さんらしいと感じる。

    もっと村田さんの頭の中が知りたい。

  • どうでもいいことしか書いてない。おおむねエッセイとはそういうもの。それなのに、おもしろい!のが良いエッセイの条件だと思う。じゃあ、どうしたらおもしろくなるのか?

    冒頭のエッセイによると、著者は大きめのスーパーを見かけるとどうしてもそこに入ってみたくなるそうだ。続けてこう書いている。

    『一緒にいる友達が「どうしたの?」と不思議そうにしても、「フロアガイドだけ見せて、フロアガイドだけ」と訳のわからないことを言いながら自動扉を入って行く。』

    この描写に要したのはわずか冒頭の4行。笑った。これがどうおもしろいのかは説明しにくい。しかしおもしろい。

    エッセイをおもしろくするには、想像力をあらぬ方向に飛躍させる、というのが一つのやり方だろう。この本でもそのようにおもしろくなっている部分がある。ただ、書き手によっては、それは無理して書いてないか?と思うこともある。この本ではそこに無理がなくて、自然に描いている。想像力を無理に飛躍させることなく、ありのままを描いているように見える。無理におもしろくしていないから、平凡になる部分もある。

    雑に失礼な言い方になるけど、本人が「天然」ということはあるかもしれない。「天然」を通り越してある種の危険な香りすら感じる箇所もあった。それを客観性を持って描くことができるかどうか?作家にとって重要な能力だろうし、著者にはその才能があると思う。コンビニ人間を書けた背景が垣間見えた気がした。

  • 村田沙耶香さんらしい、不思議で純粋なとても楽しいエッセイ集。それぞれの着眼ポイントが何ともちょっと変わってるのだけど、妙に共感できる事も多い。それが彼女独特のコミカルな文章で語られるのが楽しく、いくつかの話では思わず声に出して笑ってしまい、電車の中で読んでる時には笑いをこらえるのが大変だった…コンソメスープの話やコーヒーの蓋、フェイスカバーの話などは特に面白かった。村田沙耶香さんの脳世界を充分に堪能させてもらいました!

  • 有名作家じゃなければ、ただの変人ではないか。

    最後、スリランカ行ってみたくなった。

  • クレイジーさやかと呼ばれるだけあって、ほんとに可笑しい。著者のエッセイが出たらまた絶対、読むわ。
    ”コソソメスープ”の話しも、めっちゃおかしかった。
    今でも、ワンランク上のコンソメスープはコソソメスープと思ってるってのはわかるわぁ。長年そう信じてきたものを、まちがいだったってわかったもそう簡単にリセットできないよね。
    ”走らせてる人”も私には?だったでも子どもたちふたりに聞いたら、”うん、わかる時々やってる”って言われびっくり。これは多分、マリオ世代と関係してると思うんだけど…
    ”ダイアログ・イン・ザ・ダーク”これも一回、体験してみたい。

  • 村田沙耶香さんの脳世界がのぞけるエッセイ集。
    「っぽい人」とか、間違い感動とか、バス自意識過剰とか、親切エレベーターとか、ひたすら自意識の方向と感性がおもしろくて何度も笑ってしまった。
    小さい頃のエピソードは私も心当たりがありまくりで似てるなぁと思いました。いい感じの棒を拾っては紐をつけてペットのごとく引き連れて歩いてた。わかる。おまけに思い込みも激しい子供だった。
    また、村田さんが国語の先生向けに書いた文章もとても心に残った。「完璧な大人」を探していた思春期の頃のこと。そして完璧な大人なんてどこにもいないんだと気づいて、死にたくなってしまったこと。「不完全な大人」が書いたと思しき小説に、自分より絶望した人間の言葉があって救われたこと。その絶望が自分にとっての希望となる感覚はよく知っている。
    思春期に本と出会うことの大切さ、意義をあらためて思った。
    そして、私はこれからも確実に村田沙耶香さんの小説を読み続けるだろうことも。

  • 著者の頭の中がわかる一冊。「宝物の棒の想い出」は全く同感。他「こそそめスープ」「AI的間違い電話」「着ない服愛好会の日」「文庫本が並ぶ本屋の想い出」「コンビニエンスストア様」等面白かったです。

  • エッセイの面白さを知りました。村田沙耶香という人間を知れた気がする。小説家はやっぱり変わってる、よく観察している、だからあの村田ワールドが生まれるのか!共感できる部分もあるし、クスっと笑える部分もあるので楽しんで読める本。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた さやか)
1979年、千葉県印西市生まれ。二松學舍大学附属柏高等学校、玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。
2003年『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀賞を受賞しデビュー作となる。2009年『ギンイロノウタ』で第22回三島由紀夫賞候補及び、第31回野間文芸新人賞受賞。2010年『星が吸う水』で第23回三島由紀夫賞候補。2012年『タダイマトビラ』で第25回三島由紀夫賞候補。2013年、しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。2014年『殺人出産』で第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。2016年『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞受賞。
2018年8月末、『地球星人』を刊行。

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