その先の道に消える

  • 朝日新聞出版 (2018年10月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022515735

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】アパートの一室で見つかったある 緊縛師 の死体。重要な参考人・桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれている女性だった。絡まりあう 謎 と 嘘 。この世界を生きる意味──。世界で絶賛される中村文学の到達点。

感想・レビュー・書評

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  • しばらく遠ざかっていた中村文則氏の作品が急に読みたくなって、図書館にて比較的最近のもので、軽そうな?(あくまでも重さ、ページ数的な)のを選んで拝借。あいかわらずのいや〜な感じの性的描写こそあるが、なんだろうな、そこじゃなくて、まあそれも含めて登場人物たちが執拗に、徹底的にこだわっている、とらわれている何かってとこに焦点をあてて読むと、この人の作品は、ふかーいところまで探りえぐるような観点が本当におもしろい。ここまで悪なのに、毎回共にいきましょう、てなギャップも憎めないんです、はは。

  • 出てくる人物、全員壮絶な人生送ってる。
    その人物達が、性や死などの要因で、複雑に絡み合っている。
    この世の闇を見る感じで、たまらない。

  • 装丁好きです。

    「重たいものが読みたい」と思うと、文則さんに手が伸びます。

    今回のお話も、重いというか底が深い。
    バックボーン、宗教、政治的思想、性と生、色んなものが交錯して、絡めとられていく人達。

    あとがきの

    共に生きましょう の一言が

    いつもより胸に沁みるように感じました。

  • ー 人生に喜びを覚えるのは、勝手だよ。他人を押しのけ、幸福をむさぼり、それを他者にアピールし続ければいい。でも時々、こんな風に、バグを起こす奴もいる。人間がこんなにいるんだ。そうなる奴もいるだろう?

    人間は醜い。放置された飢えた人間の数が、それを証明している。よくもまぁ、こんな世界の有様で、この世界は美しい、私は幸福だなどと言うことができるもんだと感心する。自分を善人だと思えるんだから、人間というのは本当に化物だよ。そしてこういうことを言われると、保守的な人間ほど本気で怒り出すから滑稽だ。

    ・・・ふはは。気づいたか。今のは全部嘘だ。私はそんな意見は持っていない。他人のことなどどうでもいい。 ー

    不思議な読後感のミステリー。
    各登場人物が背負っているものが分かりにくい。まぁ、分かりにくいから考えさせられて、考えるから深みが増していくのだろう。

    面白いかというと面白かった。

    でも、緊縛師も葉山刑事も犯人も、アブノーマル過ぎてなんとも言えない…。

  • 本当に憂鬱を描くのが上手い方。宗教と性についてはいつも通り。これに右翼的な思想が加わるが、次回からそっちの方にいくのかなあ。

  • 緊縛師の死体が発見され、その捜査をしていた刑事も巻き込まれてしまう。同僚の刑事が捜査を進めてゆくが…。ミステリーでもあるが、麻縄で縛る、SMのお話でもあり、古事記、日本の神道まで掘り下げる。性の中で恍惚の中で何かにすがりながら、苦しみながら生きてゆく姿、心の闇の部分、苦しさが伝わる。そこが普通のエロ小説と違いか。ゆらゆらの世界。難しいけれど、そのゆらゆら加減がうまいかな。心の闇、今回も読んでいて辛い。

  • 中村文則さん、最高傑作では
    そしてこの物語では究極的には全てが肯定されており、この物語の結末がそうであることに希望を感じずにはいられない

    この世界がどれほど侮蔑すべきものでも
    ぼんやりとした光の中でも
    生きる、ということ。

    教団Xなどでも描こうとしていたそれが最も明確に、そして力強く浮かび上がってくる

  • 途中(性描写が冗長過ぎたり、誰の夢か分からない幻想的な話など)で中折れしたが、二部になってから盛り返した。
    総論としては結構ハマれた。

    話者(視点)を富樫と葉山だけでなく、桐田、吉川、Yたちにさせても良かったかな(中村さんが時々使う、手記の形で描写するのは私は好きではない)。

    特にYと桐田の影の分をもっとエグっても物語が濃くなった気がする。

  • ページを進める手が止まらない…
    この作品もぐいぐいとぼくを惹きつけてくれた。

    同級生作家の中村文則さんが問題意識として捉えていることに今作品でも深く共感を覚えたし、性描写に自然と興奮もしたし、これからもきっと中村作品はぼくの心を捉えて離さないだろう。

  • 世界で絶賛される中村文学の到達点…とありますが、極端に生きづらい人たちばかりで読むのが辛い。

    p.211「…人生というものは、一体何だろうね。」
    これと似たようなつぶやきが散見されますが、回答らしきものもなく、置き去り。このような問いが今どき真っ直ぐ放置されるのは何を狙っているのか首をかしげるばかり。

    異常な性描写は、勘弁してほしい。人にすすめるのはむり。疲れました。到達点ってエクスタシィのことですか?
    ずっと続けてきましたが、次作を読むのは考えます。

  • もしも映像化したなら安いポルノ映画になってしまいそうなこの作品を、深遠さを感じさせるどこか哲学的な作品に仕上げているところがすごい。きっと性を通して描かれているものが、人間の本質そのものであるからに他ならないのかも。生きる事に伴う苦悩、虚無感、逃れられない業。そして束の間の快感や人とのつながり。中村作品を読んだ後はいつも深くて暗い穴に取り残されたような気持ちになり、いろいろなことを考えてしまう。こんなにどんよりとした物語なのに、なぜか読後感は悪くなく、美しい余韻さえ感じた。いい作品だなと素直に思いました。

  • 登場人物の人となりが結局よくわからない部分が多かったけど、最後は結構好き。(例の如く?中村文則の他の作品と被る部分はあるけれど)ただSM部分に関しては村上龍のエクスタシーのが断然共感できる。

  • うーん。なんとなく読破したけど、なんも残らない。

  • うーん、何かよく分かんなかったなー。まぁもともと分かりやすい話を書く人ではないけど。SMとか緊縛とかにちょっと嫌悪感を感じてしまうからかもしれない。気の毒な人が多すぎて読むのが辛くなるような。それでも生きて行かなくてはならないのだけど。天皇とか神道とかも興味ないからなー。それにはまっていく人の気がいまいち分からん。

  • 何も伝わってこなかった。犯人探しの推理小説としてなんとか読了。ひとがかんたんに死にすぎる物語は否。

  • 2022.5.13

  • 性、執着について書ききった小説。それを書ききるって、すごいことですよね。すごい小説なんです。

  • 3

  • 19こう言うお話しはよく分からん。この作者にしては珍しい、のか。

  • 物語として動いていなくても独白だけでいい。独白が読みたくて手に取っている。
    いや、ちゃんと物語としての流れはあるけど。
    鬱々とわかんねえなわかんねえって、諦観と別の意味での諦めの悪さを延々読みたい。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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